22-44 「混沌説明会(後編)」
「それで、……結局のところ聞きたいんだけど、お前らこれからどうすんの?」
「どうしましょうかね?」
「決めてなかったのか……」
「ゆっくり話し合うタイミングがなかったからな」
「取り敢えず私はアベルがどれくらい進化したのか確認したいんですけど」
ぶれねぇなソピアさん。あんた最初っからアレンの進化が見たいという欲求だけでここまで来てないか?ソピアさんも大概に拗らせてる気配があるからアレが方便って可能性もあるけどさ。
「アレンは今組織に所属してるんでしょ?」
「まぁそうなるな。泰誠の護衛もやってるし」
「俺、アレン以外と関わるつもりはないから」
「じゃあ何でここに居るんだよお前」
「子犬の顔だけ拝んでおこうと思って」
「相変わらず趣味の悪い……!」
「仲悪すぎない?」
青藍さんからみても仲悪いって判断なんだ……流石にそうか。リリスさんはフルスロットルで紫狼さんを煽るし、紫狼さんは今にも噛みつかんばかりにがるがるしてる。よくあれで取っ組み合いのケンカにならないな……ってちょっとした感心すら覚えちまうよ、紫狼さんは割と物理攻撃に訴えるタイプの御仁だと思ってるし。
「俺は皆いるし所属しても良いと思ってる!」
「ユウさんの選択に従いますよ。アレンさんいる組織ならそう不味いことにはならないと思ってますし」
「ようこそヘレティックへー」
『歓迎するぞ』
『ウェルカムするぞ』
成程、ユウさんとショウさんはヘレティックに所属するのね。ソピアさんはうーん……と首を傾げてますけど……隣の悠人さんがソピアさん所属してほしいなーっていうオーラを出してます。相当懐いたんだね悠人さん……。
「まぁ正直私が所属する意味ってあんまりないんですよね……戦闘員という訳でもありませんし」
「じゃあ外部協力者として顔出しません?」
「まぁそれくらいなら……?」
「じゃあソピアさんの部屋作っておくね」
「ああ悠人が囲い込む気満々だ」
「それなら隣にリリスの部屋も作ってください。直通で行けるタイプの」
「はーい」
「おい勝手に増築計画すんな」
悠人さんはソピアさんに是が非でも所属してほしいっぽいし、ソピアさんはリリスさんを巻き込みたがってるし……大変だね青藍さん、他全員止めないからアンタだけがストッパーだよ……。
「俺参加しないってば」
「放浪するのは構いませんが拠点があった方が楽でしょう。それに、ヘレティックに滞在してさえいればアベルの行動も把握しやすい」
「俺がアレンを見失う訳ないじゃん」
「アベルですよ常識は通じないものと思いなさい」
「俺を何だと思ってるんだ……」
ソピアさんに説得されたリリスさんがちょっとだけ沈黙してから頷いて、一部始終を見てたアレンが複雑そうな顔でぼやく。いやでもアレンだからね、放っておかなくてもどっか行くってのはあながち間違いじゃねえと思うんだ……。
「あ、因みに後日当時の関係者じゃないですけど、今回の騒動に参加した一般人に説明しないといけないので」
「おい速攻で他人巻き込んでんだけど」
『諸行無常』
『是非もなし』
「事故なんです青藍さん……」
「まぁ……確かにアレは事故です。確実に」
「トラブルメーカー増やすなよ……」
いやその辺はもう無理だから諦めてほしい。みんな違ってみんなトラブルメーカーっすわ。
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