5-2 「攻撃不可の耐久戦」
「満たせ」
世界が一段階進む。僅かな震えを感じたと思ったら、朱鳥の背後にデカい……砂時計?みたいなメーターが出てきた。
「充たせ」
みたところメーターは……四割くらい溜まってる。俺の本能があれを溜めさせちゃいけねえって騒いでるけど、溜まる条件が分からないんじゃどうしようもなくないか?
「■たせ」
「しつけぇ!」
真下に謎物質を叩き落としたらメーターが少し増えた?試しに躱し続けると……若干メーターが減ってる、つまりあれってリソースの総量!
「四割削れれば俺の勝ち、十割満たせば聖杯起動……ってか?」
おうやれば出来るじゃねーか条件の可視化!っていうかじゃああれ砂時計じゃなくて聖杯なのか。
メーターが増える条件は俺か俺の能力で謎物質に接触すること、逆に減らすにはひたすら避け続けること。……この建物ちょっと壁ぶち抜いちゃダメ?狭いんだけど。
「四割と六割なら有利に思えるけど……」
時間が経てば経つほど謎物質が壁に張り付くから足の踏み場が減っていく。逃げ場がなくなる方が先かリソースがなくなるのが先か、実質耐久戦ですねぇ。
「道中適当な木の板でも拾ってくるんだったな……」
ないものねだりしてもしょうがない。今からでも一時離脱出来るんなら考えるけど、扉に開く気配がない。
謎物質、水で流したら綺麗にならねーかなー?水もイメージで生成するしかないから吸収されてメーター上がるオチが見えるぞ。どっかに水道とホースあったりしない?
「願いを」
「っ」
おいおい謎物質ついに跳弾してきたぞ。お前そんなアグレッシブに動けるのかよ、俺見た感じお前のこと泥みてーだと思ってたけど実は本性スライムだったのか。
「ところでお前、乾燥したらどうなんの?」
スレスレで避けて熱風放射!お、乾燥……してねえな、ぷるっぷるのべっしょべしょだわ。
「メーターは……上がってねーな、ヨシ!」
何でかは分からないけど、熱風は吸収出来なかったらしい。あれかな、エネルギーなら何でも吸収出来るけど、あのメーターが上がるのは能力に使うエネルギーと生命エネルギーだけとかそういう……?そもそも聖杯は奇跡を集積とか言ってたし、それ以外は吸収出来るけど効果はないって感じか。
「熱風アリなら水もありだろ……!」
出来れば水単体じゃなくて別の力学的サムシングがのっかってくれると嬉しい。つまり高圧洗浄っていうことですね!
「掃除の時間じゃオラァ!」
何か俺戦闘中に掃除してること多いな!!これが本当の掃除人ってかあっはっは!!
一応予想通り高圧洗浄で謎物質は吹っ飛ぶけれどメーターは上がってる様子がない。ないけど……役目を終えた水はリソース扱いか。結局上がってないけど減ってもないの、俺が疲弊するばっかだな……。
気が付いたら距離は縮まっていた。あんまり近すぎると躱す難易度爆上がりするけど、敢えて俺は距離を詰める。
「朱鳥もやっぱ見えないモンを吸収するのは厳しい感じ?」
水が回収出来て風が回収出来ないの、そういう意味だと捉えてもよろしいか?問題は俺も見えないものをイメージするのは難易度が高いってことだけど。
高さ座標をバグらせて頭上へと飛び上がる。この位置だと謎物質を躱せないから能力使って防ぐしかない。……本来ならな。
「そんな俺でも簡単にイメージ出来る不可視のモン、あるんだわ……」
色んな意味で俺のメインウェポンと化しそうな俺の技!そう、圧・縮!!!!コイツに関しては重力っていう最大級のエネルギーもついてるぜ!!
「朱鳥!身長縮んだらごめんな!!」
メーターは増えてない!ついでに謎物質も俺に当たってないから成功したはずだが……?




