5-1 「初見殺しの即死トラップ」
別に俺はエスパーでもなんでもないけれど、こういうときの”お約束”っていうのが何かは分かる。だから検証と生存を同時にとるために、俺はイメージの予約投稿をしておいた。出来るかどうかは賭けだったけど俺は乱数に勝ったらしい。
俺の残像は無残にも腰辺りで真っ二つになっている。踏み込んだと同時に高さだけをバグらせて上空に移動してなきゃ、間違いなく避けきれないくらいの速さ。ぶっちゃけあれが通常速度なんだとしたら打つ手なんざほぼないが、そこは気合でどうにかするしかない。せめて連射はしてくれるなよ……。
「流石に、監視いなくて拘束もされてなきゃ、逃げるはずだもんなァ?」
「……」
声には反応する。言葉の意味を理解しているかは正直微妙なとこだが……俺をみて即時攻撃をしてこないってことは、あの攻撃は何度も撃てないか、あるいは何かしらの指示が出てるとみてよさそう。
「となると……」
正気に戻す方法を探らないといけないな。最終手段で気絶っていう手もあるが……意識がなくなった程度で止まるかどうかが怪しいし、朱鳥が抗ってた場合悪化する場合もあるから出来るだけやりたくはない。
「さぁて、朱鳥を返してもらう」
「満たせ」
「ぜぇっ!?!!?」
何か飛んできたぁ!!おいまだ喋ってたでしょーが!!飛んでった何か、天井にぶつかったせいで原型留めてないけど……いやに黒いな?ちょっと粘度のある……液体?
「充たせ」
「あぶっ!?」
「■たせ」
「てぇえい!」
あ、その黒いのは連射出来るっぽいですね!?さっきから何度も満たせっていってるけど何満たすんだよ可視化しろや!!
黒いのが飛び交う中で思考をフル回転させる。正直精神に干渉しそうなタイプのイメージはちょっと怖い。だから朱鳥がどうしてこんな状態なのか、何か使われてるんなら何を使われたのかを知りたいんだけど……あ、ダメです避けきれない。
「くっ……」
ヒィ何かべちょっとした!咄嗟に手で払っちゃったけど、本当に半固形な液体じゃん……。
「え、ナニコレナニコレ手の感覚がねえ!?」
手の感覚がないっていうか、手首から先が動かない!あの謎物質、触れたらアウトなの!?
慌てふためく俺を気にする様子もなく朱鳥はバンバン謎物質を飛ばしてくる。これ、躱せてるうちはいいけど足とかに当たった時点で終わりだぞ……?これシールドとかで防げます?物体なんだからすり抜けとかはしないよな!?怖いから置きシールドだけして全力で回避する、一発目はちゃんと防いで……いや防げはしたが俺が消す前にシールド消えたな。
「触れたもんを無力化するっていうことか……」
服越しでも作用するのかどうか気になりはするけど、それ検証するのリスクが高いんだよな。まぁやるならセーフを探すチャレンジじゃなく、進展させるチャレンジをやるか。
「検証そのいち!作用時間!」
最初に吹っ飛んできた謎物質に向けてイメージで作ったボールをぶん投げる!触れた瞬間消滅!作用時間長いなおい!
「検証そのに!発動スピード!」
イメージはラケット二つ!飛んできた謎物質をラケット重ねた状態で横方向に思いっきりフルスイング!一個目のラケットは即時消滅して、二つ目のラケットは謎物質の軌道を変えるだけの力を伝えて消滅した。
「そのにを踏まえてのそのさあん!効果量!」
取り敢えず十枚くらいのシールド!すっ飛んできた謎物質は……一瞬で全部ぶち抜いたぁ!?
「じゃあなんでラケットはラグったんだよ!!」
余計謎が増えたわ!!




