4-14 「進戦、赤と青の次なる地」
「ところでその……一志、お前行方不明だと思われてんだけど」
「あ、スマホ水没したからね」
「水没」
「高純度魔力液頭から被って水没した」
あ、それ高純度魔力液なんだ……!暴れっぷりも含めて返り血なのかと……つか、どういう状況だったら頭から被るのかも分からんしスマホ水没するレベルの量って一体何があったんだよ一志。
「……何かおかしいな?」
「あ、うん。結界張られてる」
「ふーん」
うーんこの無関心さ、奏さんに通じる反応!!!!もうちょっとリアクションしてもいいんじゃねーかなと思うんですけどねぇ!
「う……」
「あ、気がつきそう」
リクがもぞもぞと動く。樹もそうだけど、結晶に捕まってたひと意識なくても割と早めに起きてくるよな……ひいらぎさんは大雅の背中でぐったりしてたから個人差があるかもしれないけど。瞼が僅かに震えて、リクがゆっくりと意識を取り戻す。
「ここは……?」
「おはよう。体調どう?」
「は……?なんでお前達がっ」
「ああそんな動かない方がいいって。何かお前、変な結晶に捕まってたよ」
一志に宥められてリクは少しだけ瞬きの量が増えた。周囲を見回して、まだ残ってた結晶の欠片を見たことで本人の中で一つの納得を得たらしい。俺と一志に向かって深々と頭を下げる姿に焦りの色はなかった。
「助けてくれてありがとう。あのままだったら、なにも知らない一般人すらも巻き込んで被害を出すところだった」
「そうなの?」
「まぁそう」
そっか、一志は取り敢えず暴れてただけだから詳しいことは一切知らないんだよな……。リクの方が事情に通じてそうなの、なんというか状況がバグ。
「あ、藍沢先生からの連絡」
えーっとなになに……?これ印ついてるってことは結界の術者の居場所……?二ヶ所に印ついてるけど、術者も複数いる感じ?
「お、これ次の目的地?」
「多分?この結界を張った術者の居場所じゃねーかなって思ってるけど」
「複数いるのか。同時に叩く?」
同時……の方が良いのかなこれ。藍沢先生に詳しい話を聞きたかったんだけど、どうやら電波はなくなったらしい。普通に困る。
「取り敢えず手分けするか!俺こっちいくから恭也がこっちな」
「おう」
一志、せめて着替えるか拭き取ってほしいな……高純度魔力液だと分かってても一瞬びびるんだよ。一般人が見たら即通報案件だからな?
「俺も……」
「あ、お前はまだ安静にしてること。ああでも、ここに置いてくのは流石に危ないよな?」
一志が暴れ散らかしてたとはいえ、殆ど逃げるように離脱したからまだ相手の中に動けるやつがいる可能性はゼロじゃない。リクもまだ本調子じゃなさそうだし、出来れば安全なところにつれていった方が良いのは事実。
「……自分の身くらい自分で守れる」
「本当に?ここで意地張ることはおすすめしないぞ?」
「……協力者に回収してもらう。から、これ以上お前たちに迷惑はかけない」
「…………ふーん」
あれ?何か一志機嫌悪くね?ついて来たら来たで怒りそうな感じだったけど……あれか?少しの時間でも目を離すのが心配っていう過保護?一志、流石に面倒見が良すぎるってぇ……。




