4-9 「本職でも有能」
「人形……?」
瞬間的に思い出したのは布袋さん。あの人、使い魔の依り代を作るとか言ってたよな?実質ってことは厳密には違うんだろうけど、あの謎の人が言ってた”がらんどう”とも繋がってるっぽい。
「んと……肉体がなくて精霊みたいな……こういうのは布袋さんが詳しいよ」
「あ、やっぱ布袋さんなんだ……」
「そう思って今電話してるー」
ノエルさん行動が迅速!スピーカーにしたノエルさんのスマホから布袋さんの声が聞こえてくる。
『ノエル?どうかした?』
「布袋さーんかくかくしかじかでヒントくださーい」
『あれっ悠人無事だったの!?』
「うぇーい恭也くんもいまーす」
『何で!?』
布袋さん相変わらず悠人さんに振り回されてるぅ……。悠人さんの手短な説明でおおまかな事情を把握した布袋さんは、突っ込みを諦めたのか普通に説明し始めた。
『その来華っていう子、実体はあるけど器がないってことは恐らく存在定義と目的だけで作られた泡沫の存在だよね。そうなると命令を無視した時点で定義消失による崩壊が起こりかねない……』
「じゃあ敵対やめた時点で詰みってこと?」
『現状はそう』
本当に戦うことしか許されてない存在じゃん……。つーかフミが止めたらフミの目の前でいなくなる可能性あるってこと??トラウマ必至案件だが??
『助けようと思ったら肉体と名前と存在定義のみっつが必要。名前はもうあるっぽいし肉体の方はすぐ届けられる、存在定義は……』
「フミが適任じゃないか?」
『話を聞く限りそうだね。その定義を恭也くんが確定させればリューイからの支配もなくなる、はず』
さっすが本職人形師!指示的確でスムーズ!方向性も決まったしフミに説明しようと思ったら……ああまだえっちゃんとくーちゃんに絡まれてる。何か地味に仲良くなってるのは何か近しいもんでもあるんだろうか。
『ただ、ちょっと気になるのは今の存在定義が欠けてる可能性で……その場合、緑であることも踏まえた上で早急に契らないと自己崩壊するかも』
「自己崩壊……」
存在定義の欠け、偶然なのか必然なのかはわかんないけど必然だった場合リューイの意地の悪さが見えるな。肉体ないから逃げれないし、肉体あっても逃げきれないっていうの、二重絶望システムじゃん。
「取り敢えず取っ捕まえて肉体の方に押し込んで……そんで定義を確定させればおっけ?」
『大体流れで行ける行ける。否定されたら三倍肯定すれば上書きされるから』
否定されたら三倍肯定、よし覚えた。布袋さんにお礼を言って改めてフミに説明を……いつの間にかえっちゃんとくーちゃんが説明してる!?どこから出したのそのタブレット!!
「即席でタブレット作ってる……俺もそのレシピ知らないんだけど」
「即席でタブレット作れんの!?」
悠人さんの能力謎が多すぎる…………。えっちゃんとくーちゃんから説明を受けたらしいフミがちゃんと理解してそうなのも含めて訳わかってねーからな。あと地味にフミのメンタルケアしたっぽいえっちゃんとくーちゃん、お二人って悠人さんの能力の具現化ですよね?
「恭也、来華がちゃんと助かったら一発殴っといて!」
「わかりました!」
「え、怖」
どんな境遇であれフミに攻撃が飛んだのは事実だからな。境遇が境遇だから一発で済ませるけど、逆にいうと一発は絶対に入れてやるからな……!




