4-6 「中継地点、そのに」
「ざっくりとした方角とか距離とか分かるか!?」
「んー……多分あっち!」
フミの指差した方向に進んでは聞き、進んでは聞く。近付いてるとは思うんだけどどうなんだろうな、フミは距離に関してはがばがばすぎてアテにならねぇ。
「この辺り……確か印ついてたと、こぉ!?」
「うわっ」
いきなり地面すっぽ抜けたが!?しかも空中に放り出されとるー!!地上確認下はツタ!おっけーコイツは着地無理そう!
「あ、あそこ!」
落下途中でフミの大声につられて視線をそっちに向ける。誰かと緑の……フミの反応的にアイツが例の緑か!ガッツリ交戦中ってことはあのもう一人、味方って認識で合ってるよな!?
「おらどけそらどけちゃんとどけぇ!!!ツタ全部潰して回収すっぞ!!」
圧縮からの回収!イメージは青の呪いにやられた圧倒的美でひれ伏す感じ!!お前の技で致命傷を受ける気分はどうだ!!俺はそういうのすっげー嫌!!
「にーちゃんつえぇ!!!」
おーその誉め言葉は純粋にテンション上がるからもっとくれ!!周囲一帯のツタが綺麗さっぱり掃除されたら流石に俺達の存在にも気付いたらしい、二人の視線がばっちり俺達を捉えて……おい緑逃げるな!!
「逃がすかっ……!?」
何だいまの!?縄イメージして出現させたはずなのに、ゲームで言う座標バグとか壁抜けみたいな挙動してアイツ抜けたぞ!?未来視持ちっぽいとは言われてたけど、どういう理屈?
俺が動揺している間に緑はいなくなったし、流石に説明なしで追っかける訳にはいかないかなって思って地面に立って……あ、この感じは、良くない。
「第二形態のおでまし……ってか?」
あれコイツ青の呪いじゃねえのか?人型だけど女の幽霊っぽさはない……それどころか取り敢えず人型ってこと以外は似ても似つかない謎の怪物になったんだけど……?
スッ、と右腕を上げる青の呪いモドキ。ワァ腕だけで俺よりでけーやあんなん振り下ろされたらひとたまりもねぇ!俺の眼前スレスレを通過してった腕の風圧だけで呼吸すらも奪われそうになる。
「フミ大丈夫か!?」
「一瞬しぬかと思った……!」
こんなちっこい身体じゃ風圧だけで死にかけるか!これ立ち回りに注意しないといけないやつね!?どっか安全な場所に一旦避難してもらうってのもアリだけど、こいつが青の呪いだった場合攻撃範囲は全域なんだよな。動き自体は無茶苦茶遅いから躱すだけならいけるけど、完全勝利取っとかないと移動するに移動できねぇ!
「聞きたいんだけど」
「うおっ」
「お前誰?」
後ろからにゅって顔出してきた謎の人……いや謎じゃないな、さっき戦ってた人だわこの人。表情筋しんでるけど、なんとなく警戒されてる感じはする。
「恭也です!こっちはなりゆきで一緒に行動してるフミ!」
「こんちは……」
「……ああ、しぃちゃんが会ったっていう」
しぃちゃん?誰だ……そんなあだ名付けられそうなの、シエルさんか鎮さんか……。一応藍沢先生が言ってた中継地点を叩くメンバーの中で会ったことない相手、青藍、紗弥、ノエルの三人なんだけど……。
「何しに来たの。あの緑追ってんの?」
「うっす。アイツ、フミ曰く訳ありらしくて」
「……まぁそうだろうね。あんな伽藍堂、久し振りに見たし」
がらん……どう?中身がないとかそういう意味だよな……?フィジカル強めの推定未来視持ちで色彩が緑でリューイ所属で中身のない訳アリ。……情報は断片的に集まってきてるけど、まだまだ分からないことの方が多い。
「知り合いなの?お前が中身?」
「違う、けど……おれは、そのためにいる」
やめろやめろ、俺だけ会話置いてきぼりにすんな。俺を挟んでシリアスされるの俺が気まずいって!
「…………そう。じゃあ追いかけなよ」
「追いかけたいけどっ……!」
会話途中で青い怪物が不自然な動きを見せる。まずちゃんと突っ立って?右肩引いて?体捻って?……思いっきり右腕をぶん投げてきた!!!
「今会話途中なんだけど」
不機嫌そうに手を突き出した謎の人。ええ……?あの剛速球で飛んできた右腕のこと、すっげー軽々止めたんだけど……。よろめく様子もないどころか完全に自然体で止めてるぞこの人。
「急いだほうがいいんじゃない?どうする気かは知らないけど、帰れるうちに帰った方が良いでしょ」




