4-1 「報告、停滞と進展」
「恭也さん!」
「っ、うっす!」
ハッとして我に返る。あぶねえ、言いようのない気持ち悪さに意識が飛んだ!大雅の大声に反応したはいいものの、もう既に大雅は走り出していねえ!急いで後を追いかける。
「藍沢先生!」
「ああ分かってる。まずは報告」
「悠人さんはいませんでした。スマホだけが落ちていて、恐らく位相が違うのではないかと、帰りに傀儡を使用された鎮さんと遭遇、恭也と道中参戦してくれたルマさんのおかげで解除されています」
「位相違いか……行方不明者に進展はなし、ここら一帯結界が張られたから現状出ることも入ることも難しい状況だ。大雅はシエルの方に行け、恭也、悠人のスマホ持って布袋のところに行くぞ」
「うっす!」
迅速な藍沢先生の指示に取り敢えず悠人さんのスマホ持ったまま布袋さんのところへ向かう。布袋さん、一目見て状況を察したのか黙って天を仰いでるけど。
「出来るか」
「やるけどよぉ……!時間はかかるぞ流石に。位相ずれるときはスマホも持ってけって言ってるじゃねえか……!」
「追加で状況を説明する。恭也も聞いておけ」
「あ、はい」
布袋さん、スマホを受け取ってから凄い勢いで傍にあった謎の箱かき回してるし、工具……にしては全然みたことないアイテム取り出して謎の機械弄ってたりと忙しそう。そんなことお構いなしに藍沢先生は状況を説明し始めたけど。
「行方不明者は朱鳥、ひいらぎ、悠人、一志、奏の五人。但し奏に関しては単純に連絡をみていない可能性がある。そのほか綾華、華蓮は遠方にいるため結界の外、童子と荒弥に関しては連絡こそ取れていないが、泰誠の方から無事の連絡が来てる」
奏さん行方不明なの!?って思ったけどあの人連絡見てない可能性……そうだね、よくあるもんね。個人的に奏さんが負けるイメージがつかないせいで奏さんだけ普通に大丈夫そうって思っちゃうんだよな。
「現在傀儡を使われたと判明しているのはシエルと鎮、陽翠の三人。シエルと鎮はどちらも大雅と恭也が無力化、鎮に関しては解除まで済んでいて、陽翠はキレた紫狼をノエルが制圧済みだ。陽翠に傀儡使った相手は青藍がとっ捕まえてる」
「なんか……まぁいいや、了解了解。そうなると今動ける人員、そんなに多くない感じ?」
「下手に外出すと傀儡使われて敵対か行方不明になるからな。結界張られた以上早めに解決しないと間違いなく面倒なことにはなるが、どこまで関係あるのかが分からん」
陽翠さんも傀儡使われたのか……そんでもって紫狼さんが制圧されたのか……。青藍さんって鎮さんが言ってたひとだよな?ノエルって名前は初めて聞いたけど。
「青藍がとっ捕まえたやつで傀儡被害が収まればいいんだが……話によると例の緑はいなかったらしいから、あんまり期待しない方が良い気はするな」
「いやぁ被害収まるのは厳しいだろ。押収した分だけで相当量あったあの傀儡だぜ?」
押収。つまり傀儡は今誰でも実質使える能力になってる……一般アイテム化してるのか。俺が能力由来のアイテムを実体化出来なかったの、そういう方向性で一つの能力になるんだったからだとしたら、予想よりも難易度が高い可能性あるぞ。
「じゃあ今外出てる子たちは一旦呼び戻し?」
「いや、今シエルと大雅が情報を擦り合わせてる」
「あーじゃあそれまでにどっちもやっとかないとダメか。結界の方は解析終わり次第お前の方に結果届くようにしとく」
「分かった」
「あ、あと恭也くん」
「はい?」
布袋さんに呼び止められて思わず気の抜けた声が出た。さっきまで二人で会話してたし、俺話聞いてただけだよ?
「鎮と戦ったんだろ?正気下がってそうだからこれあげる」
「これは……コーヒー?」
「俺の特別製。劇的に正気が回復するとかじゃないけど、ある程度回復を手助けしてくれる」
「赤は特に影響出るからな。しっかり貰っておけ」
「ありがとうございまーす」
正気下がると能力に影響……そりゃそうか、テンションによって実力変わるとか言われてるんだから正気が下がったらおかしくもなる。……もしかして糸こんにゃくってそれが原因?




