3-12 「不穏な緑と不安な緑」
結論から言おう、ちゃんと俺のせいでした。能力使ってる最中にイメージしたらそりゃ勝手に実行されるよな……されるんだな……赤い目玉のときも思ったけど、実行するためのイメージ強度に差がありすぎる。
「傀儡自体が解除された訳じゃなく……術者とのパスが切れたっていう感じか」
「おそらく……まだ身体の主導権が返ってきてませんし」
「傀儡ってどうやって解除するんです?」
「一定期間パスがなければ勝手に剥がれる。逆に長引くと癒着して剥がれなくなる」
「癒着ぅ……」
嫌だな癒着するとか。普通に極悪な性能してるじゃん。
「で?シエル、経緯は」
「リューイに、色彩が緑の子がいました」
「リューイに?」
「はい。……とても強い子で、奇襲されたとはいえ歯が立たず……」
リューイ所属の色彩緑。シエルさんは元々リューイに所属してたはずだから明確な敵対……になるよな。シエルさんの強さを俺は知らないけど、そのリューイ所属の緑、相当強いのか。
「被害が拡大する前に周知させてくる」
手早く藍沢先生がリューイ所属の緑がいるっていう連絡を飛ばし……そして、事態は悪化する。
「……悠人からの返信がない」
「え」
「流石に悠人さんが敵対するとまずいですって」
「少なくともまだここが吹っ飛んでないってことは戦闘中か逃げ切ってるだろ」
悠人さんが敵対したらここ吹っ飛ぶんだ……。えっちゃんの私物に爆弾があるのは知ってたけど、やっぱ悠人さんも爆弾持ってそうじゃん!
「大雅、恭也連れて悠人だけでも回収してこれるか?」
「所在不明ですよ?」
「布袋がいるだろ」
布袋さんやっぱ有能だし人形師じゃないところで頼られてる……。片手間で爆弾作れるくらいにはものづくりのスペシャリストなんだろうしな……。
「布袋さん、悠人さんの居場所を知りたいんですけど」
「え、エン……えっちゃんくーちゃんの居場所なら分かるけど、悠人くんは分からないよ?」
「えっちゃんとくーちゃんは分かるんだ……」
「何かあったの?」
「悠人さんが行方不明で現在傀儡を使う敵対者が」
「待ってそれ急がないとまずくない?」
「はい」
「おーけー引き止めた俺が悪かったこれ使えば分かると思う」
何度会っても話が早いな布袋さん。割と冗談抜きで布袋さん相手だと無限にボケる人とかいそうだからある意味必須級のスキルなのかもしれないけど。
「では行きましょう恭也さん」
「はい!」
まぁ大雅の身体能力はすごいけど全力で走ればぎりぎり……いや初速からトップスピードなのね大雅!加速とかそういう次元じゃないじゃん瞬き一回でもう彼方だよ。能力自重とかしてたら一生追いつけねーや。
「これでも俺、身体能力高い方なんだけどなァ……」
「間違いなく高いと思いますよ?」
能力なしで追いつけない相手に言われたくなーい!純粋に褒めてるんだろうけど大雅はその上なんだよなー!いつかズルなしで追いついてやるからな……。
「この辺りなんですけど……」
「別に普通の路地裏……?」
一見変わったところはないし悠人さんの姿も、えっちゃんとくーちゃんの姿もない。人が隠れられるようなスペースもないし……どういうこと?
「あ、これは……」
「スマホ……あ、これ悠人さんの?」
「はい。……このレーダーに引っ掛かってるの、これじゃないんですよね……」
「でも、どっかに隠れてる感じでもないよな……?」
「……位相が違うのかもしれませんね。どちらにせよ一度戻りましょう」




