3-4 「一方通行人物紹介」
わいわいガヤガヤ。何か知らないけど室内が騒がしい。陽翠さんでもいるのかな、今のところ騒がしくするようなひといない気がするんだけど……もしかしてまだ会ったことない人いる?
「僕が知らないところでなんかいっぱい起こってるじゃーん!」
「俺も知らなかったぞ?」
「君達最近来てなかったものね」
「言ってくれたら来たもん……!」
「いや普通に仕事だっただろ」
「でも全然知らないの何かやだー!」
室内には三人。シエルさんと知らない人二人……いや一人は見たことあるな、誰だっけ。
「あー!君が奏さんの連れて来た人!?」
「うぇ!?うっす」
「恭也くん……だっけ?」
「っす。……えーと」
やべぇ、マジで分かんねぇ。同じ大学の……接点がないのは確かなんだけどなー……大雅は分かったのに……。
「俺は一志。こっちは朱鳥だよ」
「はじめましてぇ」
「恭也っす。初めまして」
あー……なんかぼんやりと覚えがあるような、ないような……。五人くらいで固まってなかった?
「ひーさん知り合い?」
「知り合いというか……有名人なんだよね、彼。宇月とおんなじくらい有名」
「ひぇー」
そうだ、宇月。俺達とは違った意味で有名人だったはず。……ここまで出たのに目の前の一志ってやつの記憶が薄いな。あと朱鳥って方はマジで誰か分からん。大学にいた記憶もないし……五人で固まってた中にもいない気がする……。
「え、シエルさん、この二人も……」
「うちの所属だよ」
てことは青系統なのかな。性格的なとこでいうと青っぽさがあるのは朱鳥って方だけど。どっちかっていうと一志って方は緑の常識人感が……。
「それで、本題に戻るんだけど」
「あ、ひいらぎから電話。ちょっと席外すね」
「え」
う~ん自由人。やっぱこの朱鳥って方の色彩青なのでは?方向性は違うけど奏さんとか悠人さんみがあるぞ。
朱鳥が席を外したことで話題を変えざるをえなくなったのか、シエルさんがふと視線を一志へと向ける。さっきまでとは違う声のトーン、どっちかというと秘密話をするようなテンションだ。
「……説得状況は?」
「駄目ですね。相変わらず平行線です」
「頑固だねぇ」
「全くです」
何か今の緑の苦労人っぽさがあったな……相手分かんないけど。話の流れ的には朱鳥かな。
「泰誠さえこっち来れば割とどうにかなりそうなんですけどね。リューイの黄色に対する執着が強すぎて……泰誠だけ説得のせの字も出ませんよ」
あれ、何か違いそう。あと黄色ってリューイに執着されてんの?初耳なんだけど。じゃあ恵斗ってどっちにしろ来たくても来れないのか。確かにヘレティックにいる黄色、俺が知る限りだと布袋さんだけだな。
「あ、あと例の件なんですけど。今ここで報告しても?」
「そうだね。恭也くんこっちに来てくれる?」
「んぇ?」
シエルさんに促されて隣に座る。ぴら、と見せられた写真には目付きの悪い金髪の人間……?そっぽ向いてるし大分遠めだし何か隠し撮りっぽさがあるな。
「……一志くんでもこの距離か」
「気配察知が高いんですよね。奏さん並みかも」
「それはちょっと厳しいね……」
「この人誰です?」
「分からない」
えぇ……?知らない人隠し撮りしてるのこの人達……?俺が静かに引いてたら一志が苦笑いしながら口を開く。
「詳細は不明だけど最近怪異が出没する現場で見かけるようになった相手でね。一応調べてるんだ」
「あーそういう……」
その情報を聞いてから改めて見てみれば成程、隠し撮りなのも納得した。こんなのが街中にいたら割と目立ちそうだけどな……いやどうだろ、写真じゃ分からないけど極端に影が薄い例とかあるもんな。
「ヘレティックだけじゃなくリューイの方でも確認されてるっぽくて、色彩だったり現場だったりに共通点はなし。気配察知が低くても気付く場合もあるし、その逆もある」
「???」
変な情報だな……狙って気配を隠してる?もしくは赤でテンションで気配が変動したり……ってことなのかな。




