3-3 「自称がついちゃう人形師」
「はぁー……友達のためにほぼなりゆきで来たのね……しかもソウくんの呪い解いたって……すっごい濃密な経歴じゃん」
「だから長くなりますよって言ったじゃないですか」
「勝手に話し始めたのはそっちなんだよなぁ」
結局悠人さんは全部語ったし途中から布袋さんはスマホのカスタマイズを開始してくれた。ノリもいいし反応もいいからついつい話しちゃうんだろうなァ……布袋さん、良くも悪くも一般人って感じするよね。
「これでいいかな、はい」
「あ、ありがとうございます」
「専門じゃないから不具合あったらごめんね?俺本職は人形師だからさ」
「人形師……人形を作る専門家?ってことですか?」
「んー……厳密にはちょっと足りないかな。俺が作る人形は使い魔……魂だけの存在の依り代のことなんだよね。用途によって材料変えるから一通りの素材は扱えるけど……やっぱ機械とかプログラミングとかは専門外だからさ」
「こんなこと言ってるけどこの人頼めば大体作ってくれるよ。この建物とか」
「人形師とは?」
建築は人形作成のスキルじゃない気がするのは俺だけじゃないよな?対怪異用カスタマイズとか組めてる時点で幅広く手を出してるのは確定してるけど!
「あのね、それはお前らが無茶ぶりするからやるしかなくなってるだけ!確かに頼られるのはやぶさかじゃないけど、俺は本職人形師!」
「因みにその作業中のものは?」
「これ?これは爆発指向性を弄れる爆弾」
「人形師……?」
「誤解!誤解だから!」
あっはっは前言撤回全然一般人じゃねーや。普通に片手間で爆弾作成してるとか知りたくなかったなァ。しかも指向性を弄れるとか言ってる辺り、相当中身いじくってるっていう事実がこの人の変人具合を加速させてる。
「僕頼んでないですけど」
「あーそうね、これ頼んでるの紗弥だからね」
「さやさん」
「えっとねー……外回りが多いうちの同業者」
「多分恭也くんは季良と仲良くなれるよ」
「季良くんはキラキラしてるよ」
どういう説明?名前的にもキラキラしてそうな名前ではあるけど。……まさか、物理的に発光してる……!?
「ええと……布袋さんって色彩……」
「んー俺?俺黄色」
「黄色?初めて見た……」
「ああーまぁね?あ、でも俺色彩半分しかないから」
パチパチと瞬きをした布袋さんの瞳は……右目だけが黄色い。軽い調子でね?とか言ってくるけど、色彩半分ってどういう状況なんだろ。
「布袋さん有能なのにね」
「いやーあそこは実力じゃなくて見た目で評価される世界だもん。そのおかげで移籍はスムーズにいったから結果オーライなんだけどね」
今、しれっと闇が見えたな……布袋さん本人があっけらかんとしてるからマシに見えるだけだぞこれ。俺に対する最初の反応とか見るに、やっぱ布袋さんリューイに対していい思い出なさそう。
「にしても……赤、赤か……最近リューイの方で未所属の赤を探してるから気を付けた方が良いよ?」
「あー恵斗にも言われました」
「何で赤?あっちで赤なんてモブAみたいな扱いだったじゃないですか」
「その辺りは今調査中。最近何かとイレギュラーが多いからなー」
イレギュラー、ね……元はといえば俺がここに来たきっかけの事件もイレギュラー重なってああなったっぽいし、俺達の知らないところで確実に何かが起こってるのかもしれない。……まぁ俺達が知らないところだから結局のところどうこうできる訳じゃないけど。




