3-1 「実質デート」
何か街中でとんでもない美形を見つけた。……いや普段はあんまり周囲なんて気にしないしそもそも美形かどうかなんて興味全然ないんだけどな、流石になぁ……怪異を霧散させてるの見ちゃうとなー……。
焦げ茶色の髪色、目元はちょっと見えなかった。ただ奏さんみたいにマフラーを持ってたりする訳じゃなさそう……?怪異が霧散した以外全然何やったのか分かんなかったんだよな。何だろ、顔面の圧で霧散させた?イケメンビーム的な……。
「きょーくん、おまたせ」
「玲士!」
ぼへっとしてたら玲士が合流したから観察終わり。今日の目的は玲士との買い出し!何か最近ヘレティックの方でしごかれたり巻き込まれたりで玲士と一緒にいれなかったからね、いつも以上にテンション高いよ俺。
怪異自体はそれこそどこにでもいるけど、よほど狙われやすいかこっちが認識しない限りは襲ってこない。玲士は狙われやすいとはいえ、複数人巻き込むことは早々ないらしいから気兼ねなくはしゃげる。仮に狙われても俺が守るけどな!
「きょーくんもスマホ二台持ちかぁ。どっちがどっちか分かんなくなっちゃいそうだね」
「そうねー。裏にでっかくプライベートとか仕事用、みたいに書かないといけないかも!?」
「ふふ、すっごく目立っちゃうよ」
あーかわいいかわいい。可愛いの大渋滞です。少しだけ染まった頬の血色の良さとか、肩を揺らしたときにするシャンプーの香りとか、俺に話しかけるときの上目遣いとか!!こんな至近距離でファンサもらったら俺過剰供給で倒れちまうよ……一秒だって見逃さないために倒れないけどな?
「今きょーくんが使ってるのってこれ?」
「そ!これの赤!」
「きょーくん赤好きだもんねぇ……同じ機種だと本当に間違えちゃいそうだし……」
俺のスマホを真剣に選ぶ玲士。今日買うやつは二台目……玲士が何かあったときの連絡用。以前奏さんに言われてて、最近その話を悠人さんにしたら後付けで対怪異用にカスタマイズしてくれる人がいるっていうから玲士と一緒に買いに来た、って訳。対怪異用カスタマイズって一体……!?とか思ってたら怪異の領域の中でも位置情報が分かる、って聞いて納得。超有能カスタマイズでしたわ。
「あ、これどうだろ?」
「んー?どれどれ……」
玲士に示されたのは……何かみたことあるなコレ。ついさっきたぷたぷしてたのみたなコレ。
「玲士、これって……」
「んー?」
あっ楽しそう。にやにやしながら俺の表情を伺ってくる辺り分かってやってるね?可愛いことしてくれてんじゃん。自然と上がる口角を抑えつつ首を傾げて聞き返す。
「お揃いが良かったの?」
「うん!」
可愛いレベルが上限突破ァ!なんだこの可愛すぎる生き物は!!!!俺が気付くかどうか試したかったんだねぇ!気付いたから声音弾んじゃってるのお茶目レベルが天元突破ですよ!
流石に色まで完全一致……するとどっかで取り違えが起きそうだから別色にして、玲士と同じ機種を買う。本人公認でお揃いとかもう最高じゃんね、契約も済ませて本体受け取って、あとで悠人さんのところにいって対怪異用のカスタマイズしてもらえば正真正銘玲士専用スマホの完成だ。
「玲士に電話番号教えとくなー」
「はーい」
玲士に番号を教えたら目の前で確認のために掛けてきた。俺の方はこの番号登録すれば玲士のだって分かるから良いよな。……実は暗記してるのは内緒。
『「はろーはろー、聞こえますか」』
「ハロー玲士、聞こえてますよ」
目の前で掛けてきてるから音が二重になって聞こえてくるの、二倍でお得な感じがしていいな……。これ録音してアラームにしたい。着信音でもいい。
『「ふふ、きょーくんの声がいっぱい聞こえるね」』
そうだねとっても幸せです!!!はにかむような玲士の表情、全方位から写真に収めて歴史に残してぇー!!!この一瞬一秒脳裏に焼き付けて永久保存版完全アルバム作りたいな、俺の記憶ってイメージ抽出とかで出力出来ない?ちょっと帰ったらやってみよっと。




