2-2 「ちっちゃくてもいっぱい食べる」
「ああそうそう、今日多分まだ会ってない子に会えると思うんだけど」
「意外と多くないっすか?」
「そう?リューイはうちの数十倍はいるし……基本的には青系統が主だから、そんなに多いわけじゃないんだよ?」
まぁそうなんだよな、ヘレティックは殆どが青系統の色彩持ち、割合的には青系統が半分以上らしい。他の色彩持ち……もとい、普通ならリューイって組織の方に所属するらしいから、寧ろ俺がイレギュラーなのか。恵斗もリューイに所属してるって言ってたし。
「で、その会ったことない人ってのは……」
「おはよーございまーす」
おいおい今昼だぞどうなってんだ。シエルさんが流れるように視線を向けた。こっからは髪の毛がふわふわしてるのしか見えない。
「もう昼だよ」
「僕さっき起きたから朝の挨拶しただけでーす。こんちはー」
何か既視感があるな。いや会話内容っていうか話の流れっていうか。あと普通に声に聞き覚えがあるんだけど、そんなことある?
「恭也くん、彼がまだ会ってない子」
「え、誰かい……なにこれ、二者面談?」
「初めまして……悠人さん」
わぁ知り合いだぁ……じゃねーよあの大学能力者多すぎないか!?あと困惑しながらも牛乳飲んでんの本当にこう奏さんムーヴというかなんというか……え、青系統ってそういうのしかいないの?
「奏さんは?」
「今日はいないね。数日前から恭也くんはうちにいたよ」
「なんで?」
「奏くんが巻き込んだから」
「ふーん」
ずるずるとストローで牛乳を啜ってる悠人さんの肩口からぴょこんと小人っぽいなにかが見えてる。あ、悠人さんが二本目の牛乳を持ってこっち来た。それで漸く肩口の……あれ本当に何?あ、もう一体出てきた。
「何かいる……」
「えっちゃんとくーちゃんだよ。僕の能力」
「悠人くんは緑の”クラフター”でね。持ち物をクラフトして武器にしたり、その武器に強化を施したり……応用の利く能力を持ってるんだ」
悠人さんのいうくーちゃん?えっちゃん?がテーブルの上でパックの牛乳をストローで飲んでる。サイズ的には全然ちっちゃいのに吸引力すげーな……。あ、もう一人の方はストロー入ってた袋を丸めて自分のバッグに入れて……何で入るのその質量???あー収納してる方も別の牛乳飲んでるわ。吸引力が変わらなーい。
「悠人くん、恭也くんは色彩赤のアナライザーだよ。自力で解析して自衛する」
「赤……赤かぁ。まだ所属はしてない?」
「うん。元々奏くんはノウハウだけ教えるつもりだったみたいだから」
「それ放っておいたらリューイ行きじゃない?」
「そうだね。正直危なかった」
悠人さんとシエルさんが会話しているのにも関わらず、えっちゃんとくーちゃんが俺の目の前に来てガン見してくる。え、これどうすりゃいいんだ?取り敢えずポケットに入ってた飴玉をあげる。おお受け取った。
そこそこ大きい飴玉を片方はひょいと口に放り込み、もう片方は包み紙をせっせと畳んで収納してる。さっきもそうだけどその体とバッグのどこにそんだけの質量入ってんだろう、口の中でもぐもぐしてるのが分かる……喉詰まらせないよな?
「あえ、くーちゃんなんか食ってる」
くーちゃんって方がさっきから食べてる方か。じゃあさっきから何でも収納してるのがえっちゃんなんだな。一応もういっこあった飴玉を渡せばえっちゃんの方も食べ始めた。何でも食べるのね……。
「あ、飴玉あげました」
「餌付け……」
ちょっと心配でガン見してたら、取り敢えず飲み込みはしなかった。噛み砕いてる感じもなかったけど食べるの早くてちょっと訳が分からない。ただ飴玉で満足したのか、それとも興味を失ったのか二人は俺の前から悠人さんの方へと去っていった。ああデカイクッキー食ってるわ、どんだけ食うんだろ。




