7-10 「コール&レスポンスが一生揃わないやつら」
「俺のあだ名はサボテン!皆は気軽にサボさんって呼んでくれよな!」
「サボテン」
「サボテン」
「サボテンさん」
「サボテンのにーちゃん」
「サボテン……さん?」
「サボテンマン」
「清々しいほど誰も呼んでくれないな!!」
サボテンマンはサボテンマンだよ。警戒してるわけじゃないけど語呂が良いもんサボテンマン。
「サボテンが成り行きでこの山に来たのは分かったけど、何で恭也といるの」
「あの謎の縄張りの犯人」
「サボテンロード開通企んでる?」
「おいおいあれは流石に条例違反だぜ奏さん。禁忌を犯すときは相応の覚悟が必要さぁ……」
サボテンロード、知らない名称なのに何故かイメージが鮮明に浮かぶぞサボテンロード。流石に山にサボテン植えるのは勘弁してほしい。育つのかはおいといて。
「っていうか、祠も合流してたんだ」
「そうみたい。辿り着いたら祠もあってびっくりしたよ」
「写真でみたときより明らかにデカいよなこれ。フミくらいなら中に収まるだろ」
確かに祠はいつもよりでかい。備えてあるのは山でとれるやつばっかだけど……移動したてでまだ供えられてないだけなのかな、こっそり後で確認してみよう。
大きさ以外の変化はなし、移動はしたの確実だけど、言ってみればそれだけだ。一応分裂したかを猿達に確認してもらったけど、これ以外の祠は今のところ見つかってないらしい。
「んー……ただの祠……だよな?」
「異変を知らなきゃ少しだけ大きい祠だよね」
「移動するときって足生えるのかな。引きずった跡とかないよ?」
玲士と樹とフミが祠の周囲で話している隙にそれとなく奏さんと来華の方へ寄る。
「二人の所見は?」
「ここにあるのは、ただの祠なんじゃない?樹の直感通り、なんかあるとしたらこの場所の方だよ」
「山自体に結界……とまではいかないが、この場所を中心として何らかの力が働いている感じはする」
二人がそこまで言うってことは何かありはするのかぁ……俺は感知出来ないというか、この空間に慣れすぎて分かんないんだよな残念ながら。サボテンマンもにょっと顔を覗かせて不敵な笑みを浮かべる。
「基本的に無垢でなけりゃ足が遠のくように意識を弄られるみたいだぜ?今はもう大分劣化した術式みたいだが……」
「……ゆっきーの術式の劣化版?」
「いやいや、雪代さんの術式よりは真っ当な色彩由来の能力さ。原理は違うが近似値、故に消耗度合いも違うものだとみるべきだねこりゃ」
言ったなゆっきーって。ゆっきーまで知ってるの古参にもほどがあるじゃん。来華もゆっきーの名前は知っているらしく突っ込みはなかった。
「恭也は何度もここに来てるんだっけ」
「そーだね。昔はほぼ毎日」
「……詳細調べるなら藍沢先生か紗弥になるけど、ここ自体が悪い場所って訳じゃないから……そこまで気にする必要はないかも」
奏さんのお墨付きなら大丈夫かな。俺も樹達にばれないように色を宿して祠を見たけど、特に何か分かる訳じゃないし……場所が原因で祠が増えたりする理由は相変わらず謎なんだけど。ほら祠もそうだそうだと頷いて……頷いて?
「え」
なんかいるぅ……おいここに来て新パターンの異変か!?




