いざ上陸!!!
目の前に見えたのは禍々しい島だった。
周りには石の城壁があり門には二体の鬼が立っていた。
幸太郎「ほほーーー!!! いかにも鬼って面してるな!!! 絵本で見た鬼まんまだ!!!」
鬼の顔はよく見た顔で色も赤鬼と青鬼の両方が立っていた。
身長は2mはありそうだがモンクよりは小さかった。
手にはやはり金棒を持っている。
幸太郎「初めて鬼見たけど、あんなのが実際に居たら子供達は泣いちまうなー」
幸太郎も幼少期、豆まきで鬼の面を被った大人が現れた時は泣いた記憶があった。
しかし、目の前にいるのは面を被っている人間ではなく本物の鬼だ。
ドク「主はさっきから何を言ってるんですか?! 鬼なんですからそりゃ鬼の顔してますよ!!!」
幸太郎の訳の分からない独り言に突っ込むドク。
モンク「主! まずは俺があの門を開けましょうか?」
そう提案してくるモンク。
幸太郎「あぁ!!! それじゃあ頼もうかな!!!」
するとモンクは近くにあった大きな岩を担ぎ、鬼諸共門に向けて投げ飛ばした。
鬼は岩に潰され、門は岩によって吹き飛んだ。
中から怒声が聞こえてくる。
幸太郎「うひょー!!! お前すげー力だな!!! よしッ!!! それじゃあ中に入るとするか!!!」
ドクとモンクも幸太郎に続き、上陸する。
ハク「その前に私が上空より数を調べてきましょうか?」
チーム脳筋の中の、唯一の頭脳派、ハクが提案する。
確かにこのまま突っ込んで囲まれでもしたら最悪負けてしまうかもしれない。
一旦冷静になった幸太郎はハクに指示を出す。
幸太郎「よし!!!上空より偵察を頼む!!!」
ハク「承知しました」
ハクは空高く飛びたった。
幸太郎(うんうん、この指示を出して戦略を練る感じ。まさに戦いって感じがするな!!! ちょっと興奮してきたぞ!!!)
幸太郎は現実世界では体験することの無い、命の取り合いの緊張感に興奮していた。
幸太郎の気質なのか桃太郎の気質なのかは知らないが
やる気は十分。
ドクとモンクも出番が無く、幸太郎にいい所が見せられていない為やる気十分である。
そんな事を考えているとハクが降りてきた。
ハク「敵の数は300程です。ただ真ん中には鬼の城がありその中の数も含めると400はいるかもしれません。」
思いの外数が多く驚く幸太郎
幸太郎(桃太郎はすげーな、4体400で鬼に勝ったのか。
なら俺も負けちゃいられない!!!)
幸太郎は昔ばなしの桃太郎に対抗心を抱いていた。
結局、作戦という作戦もなく正面突破をする事にした。
タールには帰りもある為ここで待機してもらう。
幸太郎一行は上陸して門を抜けた。
そこに広がるのは鬼の大軍。
幸太郎「なんじゃこれ!!!!!! 怖すぎるだろ!!!」
幸太郎達が入ると罵声や怒声が飛び交っていた。
死ねだと殺すだの、恐ろしい言葉が飛んでくる。
現実世界の幸太郎だったら失禁していたに違いない。
だが日々の訓練と頼もしい仲間が居るおかげでなんとか耐えられていた。
幸太郎「あの強面で脅迫なんてしてくるんじゃねーよ! 怖すぎるだろ・・・・・・ってか、長くない?」
鬼達はいつまでも怒声を浴びせていた。
最初は恐怖を感じる幸太郎であったがその気持ちは変わっていた。
幸太郎「なんかすげームカついてきたんだけど・・・・・・殺っちまっていいかな・・・・・・」
幸太郎から物凄い殺気が出る。
ドク達は冷や汗を流していた。
やばい、キレていると。
それでも止まない怒声にとうとう幸太郎はキレた。
幸太郎「てめぇらいつまでもうるせーんだよッ!!! 喰らえ!!! 飛ぶ斬撃!!!」
幸太郎はこの技の名前を飛影斬と名付けたが、恥ずかしく言えなかった。
飛ぶ斬撃は横一直線に飛んでいき鬼の体を半分に斬り落とした。
斬撃は止まらず、そのまま後ろの鬼達も次々に殺していく。
斬撃が止まった頃には50体ほどの鬼を殺していたのだ。
幸太郎「えっ・・・・・・あれであんなに死ぬの?! 鬼って実は弱いのか?」
一般人の力が5 兵隊が10 凄腕の人が20とすると
鬼の力は100であった。
つまり鬼1人に兵隊が10人で当たらなくては勝てない。
鬼が弱いのではなく、幸太郎が強くなりすぎたのだ。
ドク達は口を開いて固まっていた。
ハク「まさか、ここまで主様が強いとは・・・・・・」
モンク「お、おい!!! 早く行かねーと俺達の出番がまた無くなるぞ!!!」
ドク「あ、あぁ!!! 主ッ!!! ここからは俺達に任せてくれ!!!」
このままではマズイと思ったドク達が幸太郎には見ててもらい自分達で鬼を倒すと言った。
幸太郎も仲間たちがどれ程やれるのか気になっていたため了承する。
そしてドク、モンク、ハクはそれぞれ鬼に向かって行った。
童謡 犬は鬼のおしりに噛みつき。
現実 ドクは頭を噛み砕き、爪で喉を斬り裂く。
幸太郎(・・・・・・。)
童謡 猿は鬼の背中を引っ掻く
現実 モンクはその剛腕で鬼を潰し、投げ飛ばす。
幸太郎(・・・・・・・・・。)
童謡 キジは鬼の目をつつく
現実 ハクは鬼の目玉を足の爪で突き刺し、翼で鬼達を斬り裂く。
幸太郎(・・・・・・・・・・・・。)
幸太郎「全然違うッ!!!!!! なんだこの地獄絵図は!!! 子供に見せられないぞッ!!!」
まさに鬼達からしたれ地獄であった。
三匹の動物達が鬼を嬉々と殺しに来る。
鬼達は人間達に恐れられる存在。
それなのに逆に鬼達が悲鳴を上げ逃げ惑う。
幸太郎はその光景に恐怖を感じた。
幸太郎「なるほどな・・・・・・桃太郎って本当はグロいけど美化された話だったんだな。これが現実か・・・・・・」
鬼の首が転がり、ペチャンコになり、泣き叫ぶ。
幸太郎は、どっちが悪者か分からなくなっていた。
すると一体の鬼が叫んだ。
鬼「この快楽殺人野郎共がッ!!!!!!」
その言葉に幸太郎は震える。
幸太郎「て、て、てめぇが言うなーッ!!!!!!」
鬼の顔面を殴り飛ばし首から上が吹き飛ぶ。
幸太郎「こ、このクソ鬼共め・・・・・・誰が快楽殺人だ馬鹿野郎・・・・・・よーし、もう怒った。へへっ、皆殺しにしてやる・・・・・・へへへっ」
幸太郎は自然と笑っていた。
その姿はまさに快楽殺人者だ。
鬼達は叫び逃げ惑う。
「快楽殺人野郎が出たぞー!!!」
「女子供を逃がせー!!!」
「男はコイツを食い止めろー!!!」
どちらが悪者か分からなくなってきた。
そんな1人で無双している幸太郎を三匹の仲間は見つめている。
ドク「やっぱり主だけで十分だったな」
モンク「マジで笑ってるぜ主」
ハク「まさに恐怖の象徴だ。流石は主殿」
こうして鬼ヶ島上陸は一応成功したのだ。
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