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いざ奇跡を超えよ!!!

月の王を倒すと他の月の使者達は全てが塵へと化した。

増援に来てくれた兵士達は驚くも、桃太郎が終わらせたんだと気付き、皆が勝鬨を上げていた。




桃太郎「終わった・・・・・・」


桃太郎は刀を握りしめ、倒れている月の王を見つめていた。


その時、後ろから誰かが走ってくる音が聞こえた。

慌てて桃太郎が振り向くと、ガバッ!!! っと抱きついてきた。


桃太郎「ッ?! あ、姉貴か?!」


そう、飛び付いてきたのは意識を取り戻したかぐやであった。


かぐや「桃太郎!!! 本当にごめんなさい、私のせいであなたの両親もお嫁さんも死んじゃった・・・・・・本当にごめんなさい」


涙で顔を濡らしながらそう話す桃太郎。

そう、この戦いで多くの大切な人間が死んでしまった。


だが、救われた命もある。

それが今は桃太郎のたった一人の家族であるかぐやだ。


桃太郎「それでも姉貴は居る。俺にはまだ家族が居る。

でも・・・・・・やっぱり会いたいよ・・・・・・オヤジとおふくろともっと話したかったよ・・・・・・家族みんなで暮らしたかったよ、夜叉と幸せになりたかった・・・・・・うわあああ」


その場に崩れ落ちる桃太郎。

かぐやの胸の中で赤ん坊のように泣き叫ぶ桃太郎。


かぐや「桃太郎・・・・・・ごめん、本当にごめんなさい」


しばらく2人は互いに抱きしめ合い泣いていると急に桃太郎の光がかぐやへと吸い込まれた。


そこへなんと月の王が立ち上がり歩いてきたのだ。

桃太郎は構えようとするも、かぐやが大丈夫と伝える。


月の王「ふっ、私はもう死ぬ。現に手下達も皆塵となったからな。聞けかぐや、そして桃太郎。かぐやの力は強大だ。

普段は傷を癒すだけだ。だが、強化されれば蘇生することも

可能となる。そして、お前のその力は世界が狙っているのだ。

お前の力を守ると同時に独占しようとしたが、それも失敗に

終わった・・・・・・。いいか、桃太郎。かぐやを最後まで守るがいい。そして、世界に飛び立て。かぐやを狙う者を全て殺すのだ。でなければこの戦いは永遠に終わらぬ。それほど、かぐやの力は強大なのだ。良いな?」


そう話すと月の王は塵と化して消えていった。




ボーッと突っ立ってる2人。

あまりの情報量に頭が回らないのだ。


その時だった。

桃太郎が急にかぐやの両腕を掴む。


桃太郎「姉貴!!! 今の聞いただろ!!! 姉貴の力が増せば蘇生出来るって!!! って事は今なら!!!」


桃太郎の言葉にかぐやはハッとした。


桃太郎の指示の元、急ぎ彦星と織、そして夜叉姫に庄左衛門、臼井、蜂ヶ崎に栗塚の死体を集めた。


かぐやは膝を着き祈り始める。


かぐや「お願いします。私を守って勇敢に亡くなった者達を、私の大切な者達を癒してください。月光蘇生」


夜空を照らす月より光が7人の死体に降り注ぐ。

いや、戦場全体に降り注ぐ。


傷付いたもの、骨が折れた者、四肢を欠陥した者・・・・・・全てが

治ったのだ。

あまりの光景に驚く全員。

祈り続けるかぐやの姿はまさに女神そのものだった。


中にはかぐやを崇める兵士までいたくらいだ。


あとは倒れている7人のみ。

桃太郎も祈る。

周りの者達も祈る。


そして、かぐやも祈り続けた。


皆の祈りが届きますように。





彦星「おあッ?! なんだ皆して?!」


織「・・・・・・私は死んだ筈・・・・・・」


夜叉姫「あれ?! 皆死んじゃったの?」


庄左衛門「いや、ここは現世。まさか、かぐや殿?!」


臼井「死を体験するとはな」


蜂ヶ崎「嘘・・・・・・こんな事、ありえるの?」


栗塚「ハッハッハッハ!!! いいじゃないか!!! 生き返ったなら素直に喜ぼうぞ!!!」


皆が困惑する中栗塚だけは笑っていた。


そして、その光景を周りに居た人間達は目を見開いて驚愕していた。

死んだ人間が生き返ったのだ。

こんなの最早奇跡なんて言葉では片付けられない。


『女神の子かぐや』


この名が一気に広まる事となる。




未だに困惑している彦星と織の元へ飛びつく桃太郎とかぐや。


桃太郎「おふくろ!!!」

かぐや「お父様!!!」


驚きながらもそのまま抱き寄せる両親。


彦星「かぐや、お前の力で俺達は生き返ったのだな。ありがとうかぐや。そして、桃太郎久しぶりだな。星となってお前を見ていたぞ。良くぞ倒したな---こんなに大きくなって・・・・・・本当にすまなかった」


桃太郎「泣くんじゃねぇよオヤジ。家族を助けるのなんて当たり前だろ! それに俺だけの力じゃねぇよ! 家族の力、そして仲間の力で倒せたんだ!」


桃太郎の言葉に涙を流す彦星。

それに釣られてか、全員が涙を流していた。


織「まさか、こうして家族皆で過ごせるとは夢にも思わなかったです。本当にありがとう桃太郎、かぐや」


かぐや「お礼を言うのは私の方ですお母様、桃太郎、お父様、お母様。私の為に本当にありがとうございます。私はこんな家族をもてて本当に幸せです」


こうして、十何年振りに桃太郎は家族と再び会うことが出来たのだった。

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