いざ皆の想いを!!!
浦島「ぐっ・・・・・・くそっ、夜叉まで・・・・・・許さない」
なんとか起き上がる浦島。
金太郎「てめぇ・・・・・・よくもソイツを殺ったな・・・・・・殺してやる!!!!!!!!! 武心流 其ノ参 豪羅!!!」
自身の身体能力を上げる金太郎。
だが、既にボロボロの身体に更なる負荷をかける為、身体は悲鳴を上げている。
だが、そんなの関係ない。
金太郎はそのまま月の王目掛けて走る。
浦島「これ以上は桃太郎も限界だ。アレをやるしかないね
水心流 奥義 水化化粧」
浦島の全身に水模様が浮き上がる。
身体が軋む程の痛みが浦島を襲う。
この技は金太郎の技のように力を増す。
いや、金太郎の技以上に力が増すのだ。
だが、禁忌技とされており、師匠にも使うなとされていた。
何故なら、使ったあとは骨が砕け、筋肉は裂ける。
そして、寿命さえも縮めてしまうのだ。
そんな危険な技を発動させた浦島。
こうでもしなければ倒せない。
浦島は覚悟を決めた。
浦島「ぐっ・・・・・・やはりこの技は危険だね。
水心流 其ノ伍 明鏡止水!!!」
以前に金太郎を倒したその技は、自身の速度を格段に上昇させる技。
月の王の動きがまるで止まっているかのように感じるはずなのだ。
しかし、月の王は普通の人と変わらぬスピードで動いていた。
元が速すぎるため、この状況でも普通に動いているのだ。
だが、浦島からすればここまで落ちれば十分であった。
今の状態なら月の王より浦島の方が速かった。
ボロボロの身体になりながらも斬撃の雨を振らせる浦島。
雄叫びを上げながらも月の王に連撃を繰り出す。
骨が折れ、筋肉が裂けようと気力を振り絞り斬り刻む。
浦島「ガハァッ!!!!!!!!!」
しかし、限界は早かった。
既にボロボロであり、その上禁忌技を使ったのだ。
浦島の身体は既に起き上がることすら出来なかった。
しかし、浦島の攻撃は無駄ではなかった。
月の王にもかなりの手傷を負わせていたのだから。
月の王「はぁ、はぁ、どいつもこいつも・・・・・・うっとおしいわァ!!!!!!!!!」
怒る月の王。
しかし、浦島の背後より突如現れた大男。
金太郎「よくやったじゃねぇか浦島。トドメは俺に任せろ。
武心流 奥義 肉切骨断拳!!!」
自身も傷を負うがそれ以上の傷を負わせることができる技。
この技を繰り出せば金太郎の両腕の骨は砕けるだろう。
だが、ここで畳み掛けなければ月の王を倒すことは出来ない。
そう感じた為、金太郎は身を切って敵を倒す事にしたのだ。
金太郎「ぬおりゃあァ!!!!!!!!!」
金太郎の両腕が月の王の腹部にめり込む。
ミシミシと言う音を立てて、月の王は口から吐血する。
衝撃を全て内部へと与える為、月の王は吹き飛ばされることなく、その場で膝を着き血を吹き出した。
だが、金太郎の代償もデカかった。
両腕は当然使い物にならなくなったが、足腰までやられてしまったのだ。
それ程月の王は硬く、強かった。
金太郎もその場に崩れ落ちる。
金太郎「はぁ、はぁ、はぁ、やった、か?」
浦島「はぁはぁ、悪いけど僕はもう無理だよ・・・・・・嘘でしょ」
金太郎と浦島は目を見開く。
月の王が立ち上がったのだ。
彦星の技をくらい、桃太郎の技をくらい、そして浦島と金太郎の奥義まで喰らったのに立ち上がったのだ。
流石の2人も絶望した。
最早、気力で起きれる身体ではなかった。
ただただ、殺されるのを待つだけだ。
月の王「まさか、ここまで私が追い込まれるとは思ってもいなかった。だが、人間達の力もここまでのようだな。そのまま私に殺されるのを黙って見ていろ」
唇や拳を握りしめる浦島と金太郎。
他の仲間たちも既にダウンしている。
遠くでは一寸法師達がなんとか月の使者達と戦っているが、浦島達が抜けた穴は大きかったらしく、全員が押し込まれていた。
ここで、月の王を殺りきれなかったのは痛すぎた。
むしろ、人間達の敗北である。
浦島「くそっ・・・・・・くそっ」
金太郎「ぐがあああァ!!!!!!!!!」
なんとか起き上がろうとするも身体に力が入らない。
浦島の目の前にやってきた月の王。
月の王「まずはお前からだ。死ね」
浦島は月の王を睨み付ける。
その時だった。
「ズドオォンッ!!!!!!!!!」
天より光が舞い降りた。
それも、桃太郎の真上から。
その光は、彦星が作った新たな星から舞い降りている。
桃太郎は光に包まれていった。
その光景に皆が目をやる。
戦いを忘れその光に全員が見惚れていた。
あまりにも神々しい光。
そして、光が晴れると中からは神々しいオーラを纏った一人の男が。
桃太郎「なるほど。これはオヤジ達の光か。あったけぇしデケェな。夜空に輝く星たちの中でも一番輝きを見せる一等星。
いや一桃星。オヤジ、おふくろ、夜叉・・・・・・力を貸してくれ」
桃太郎の前に薄らと現れる3人の幻。
3人とも笑顔で頷いている。
桃太郎も3人の幻に微笑み頷き返す。
月の王は何か危険を感じたのか桃太郎の元へ駆け寄り首目掛けて剣を振るう。
月の王「何が起きたかは知らんがこれで終わりだ!!!」
先程、全員纏めて吹き飛ばした斬撃を桃太郎目掛けて振るうも、
なんとその剣は桃太郎の指に止められた。
あまりのことに驚愕する月の王。
それは浦島達も同じである。
桃太郎「これ以上、誰も殺らせはしない。終わりにしよう、月の王。桃神龍 其ノ壱 天翔龍桃斬!!!」
いつもの桃心流から進化した桃太郎の技。
桃太郎の剣先より現れる巨大な龍は月の王を飲み込み、斬り刻む。
そして、天高く飛び続ける光の龍は丸くなり、そのまま大爆発を起こした。
「ズドオォンッ!!!!!!!!!」
天から降ってきた月の王は地面へと墜落するとそのまま意識を失った。
桃太郎「ありがとなオヤジ、おふくろ、夜叉・・・・・・」
桃太郎は空に輝く一等星を見上げお礼を言う。
こうして長く激しい戦いは幕を閉じるのであった。
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