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いざ悲しい再開!!!

放たれる桃太郎の技は織を避けて月の王へと迫る。

流石の月の王も喰らう訳にはいかない為、織から剣を抜くとその場を離れた。




その場に崩れ落ちる織。

しかし、地面に倒れることは無かった。

織の身体はたくましく育った息子の身体に包まれたのだ。


桃太郎「おふくろ!!!」


初めて目にする母親の姿。

だが、遅すぎた。胸元からは血を流し、身体の至る所に傷があった。


ようやく会えたというのに、もうお別れだ。

桃太郎は悔しさのあまり涙を流し、唇を噛み締める。

そんな桃太郎の頬に暖かい手が差し伸べられた。


織「も、桃太郎・・・・・・よくぞ来てくれましたね、ずっと会えなくてごめんなさい、あなたを置いて出ていってごめんなさい。あなたをずっとお爺様達に預けてしまったけれど、私達はずっと遠くに居たけれど、あなたの事を片時も忘れた事はありませんでしたよ。私の可愛い息子。もっともっと貴方とお話をしたかったな・・・・・・桃太郎、本当に大きくなりましたね、私達の大切な息子・・・・・・」


桃太郎の頬から織の手は地面へと落ちた。

そう。織も死んだのだ。

桃太郎がその場を見渡せば、父親であろう彦星の死体と、姉であろうかぐやの倒れている姿が目に入った。

そして、桃太郎の腕の中には母親である織が。




後から夜叉姫達も遅れて合流した。


夜叉姫「嘘・・・・・・」


夜叉姫達はその言葉だけ発して、誰もが口を閉じた。


遅かった。

その言葉だけが皆の頭を過ぎらせたのだ。




桃太郎は母親を抱いて放心状態であった。


後ろ姿しか見えないが恐らく涙を流しているのだろうと桃太郎は思った。

しかし、ここで桃太郎が急に言葉を発した。


桃太郎「浦島・・・・・・かぐやを、姉貴を見てやってくれるか?

恐らくまだ生きていると思うんだ。しっかり守っててやってくれ。他の皆は親父とおふくろを安全な場所に運んでやってくれ。」


夜叉姫「も、桃太郎は?!」


桃太郎「俺には殺さないといけない相手が目の前にいる」


桃太郎の前にやってきた月の王。

両親と壮絶な戦いを繰り広げたのか、月の王の身体がボロボロな事に気が付いた桃太郎。

だが、この状態でも恐らく月の王の力の方が強かった。


だが、そんな事はどうでもよかったのだ。

目の前の相手が自分の両親を殺した。

ようやく会えた両親ともう二度と話すことは出来ないのだ。

桃太郎は怒りのあまり、最早無になっていた。


静かなる怒り。だが、少しでも突っ付けば大爆発しそうな程の怒り。


周りの皆も桃太郎の言う通り、桃太郎の家族を避難させることにした。




月の王「なるほどな。お前がその2人の息子であるか。

お前の両親は確かに強かった。人間にしてはだがな。

今すぐお前の姉を渡せば、お前は殺さずにいてやろう。

さぁ、さっさと渡せ。」


桃太郎「渡す訳ねぇだろ・・・・・・俺の親父を奪って・・・・・・俺の母親を奪って・・・・・・姉貴まで奪おうとしてんじゃねぇぞクソがァッ!!!!!!!!!」


激昂する桃太郎。

物凄い速さで月の王へと肉迫すると、そのまま剣を振りかざし

月の王を吹き飛ばした。

驚く月の王。

いくら、彦星に致命傷を与えられたからといって、こんな格下の相手に自分がやられるはずが無い。

そう思っていたのだ。

だが、実際は違った。

桃太郎の剣を受け止めたが、結果剣諸共吹き飛ばされた。


理屈ではない力。

それが桃太郎にはあった。


月の王「くっ!!! 父といい貴様といい・・・・・・調子に乗るな!!!」


月の王は飛ばされながらも体勢を立て直し、桃太郎目掛けて

太刀を入れる。

その一振でさえ、地を割るほどの威力。


結果、桃太郎は真っ二つに斬られた。




そう。桃太郎の幻惑が。


桃太郎「桃心流 其ノ肆 桃源郷 加えて 其ノ参 武桃怪!!!」


突如月の王の背後より現れた本体である桃太郎が月の王目掛けて技を繰り出す。

怪力である、金太郎でさえ吹き飛ばしたその技だったが月の王は既のところで防いだ。


月の王の地に着く足が、どんどん地面へとめり込んでいく。

それ程、桃太郎の力は強力だった。




月の王「調子に・・・・・・乗るなァッ!!!!!!!!!」


桃太郎の力技を自力で弾き、更に連撃を以て桃太郎へと反撃する。


桃太郎「桃心流 其ノ弐 静流桃」


月の王の技を全て受け流す桃太郎。

そして、流れるように逆に月の王を切り刻んでいく。




そんな一進一退の攻防を遠くから眺める、桃太郎一行。


浦島「凄いね桃太郎は、恐らく僕達が行っても足を引っ張るだけだろうね」


金太郎「悔しいが、俺は幾千もの戦いを潜り抜けてきたから

自分の適わねぇ相手も分かるようになった。

あの敵は俺の力じゃあ太刀打ちできねぇな」


一休「この中で太刀打ちできる相手は桃太郎さんくらいですよ。それよりも、油断為さらぬように。ここも安全ではありません。」





桃太郎の仲間達が見守る中、二人の戦いは熾烈を増していた。

互いにどんどん傷が増えるも、致命傷は与えられずにいた。


月の王「まさか、これ程時間をかけることになろうとはな。

よかろう。私の配下全てを繰り出そう。来い!」


月の王がそう言うと、月の方から何百、何千もの月の使者達が

降りてきた。

その数約5千。

月の王の配下全てである。

1万は既に殺されてしまったが、まだ5千の配下が居たのだ。


しかし、桃太郎に焦りはなかった。


桃太郎「てめぇに配下がいるように、俺にも頼もしい仲間たちがいるんだよ! あっちは仲間に任せて、てめぇは俺が直接ぶっ殺してやる!!!」


月の王「望むところだ。親子揃って私があの世へ送ってやろう。来い!!!」


こうして、桃太郎と月の王の第2回戦が始まったのだった。

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