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いざ彦星の星!!!

突如現れた彦星の登場に喜びを隠せない織とかぐや。


かぐや「お父様!!!」


織「彦星様・・・・・・よくぞご無事で・・・・・・本当によかった」





月の王と未だに鍔迫り合いを続ける彦星。


月の王「人間如きが私に適うと思うなよ。頑張った褒美に、少し本気を出してやろう。フンッ!---何?」


月の王が更に力を加えるも彦星を崩せないでいた。

本来なら人間が受け止めきれる力ではない。

現に上空で彦星を見ていたが、あの力で受け止められるはずが無かった。


おかしい。

彦星のこの力に疑念を抱く月の王。


そして、疑念を抱くのはもう一人居た。


織「いくら彦星様が強いとはいえ、あの力に抗える筈がありません・・・・・・まさかッ?! 彦星様ッ!!! あの力を! あの力を使ったのですか!!!?」


突然声を荒らげる織に娘のかぐやは困惑していた。

一体なんのことなのか。

かぐやは全く見当がつかない。




星の化身。


かぐやが癒しの力。

織が未来視の力を持っているように、当然彦星もある力を持っている。


それが『星の化身』だ。


星の力をその身に宿し、全ての力を数十倍にも増やすその力。

しかし、当然人間の身に有り余るその力は、長時間も耐えきれるはずが無く、骨は軋みひび割れ、筋肉は千切れ、内蔵は破裂してしまう。


その力を使っているのだ。


5秒までなら体に害無く使用できるが、既に30秒以上は星の化身を使っている。

現に、彦星の体は悲鳴をあげていた。

だが、彦星はその力を解除せず使い続けている。

そうしなければ殺られてしまうからだ。


短期決戦。

彦星にはそれしか無かった。

しかし、相手に気取られる事を恐れた彦星はいつも通りの顔をしている。


彦星「どうした月の王よ。少し本気を出すのではなかったか?

では俺が少し本気を出そう。せいッ!!!」


握る剣に更に力を入れると月の王は吹き飛ばされた。

更に、飛ばされている自分の真上に突如彦星が現れ、剣を振りかぶっていた。


彦星「休んでる場合ではないぞ月の王ッ!!!」


月の王目掛けて剣を振り下ろされるも何とか、手にしている剣で防ぐことに成功する。

だが、あまりの威力、そして体勢の崩れている月の王はそのまま地面にめり込んだ。


月の王「ガハッ!!!」


信じられないといった様子の月の王。

久しぶりに感じる『痛い』という感情。

痛みを感じたのなんてとうの昔の事で覚えてすらいない。

月の王は目の前の人間を蔑むのは辞める。

紛れもなく自分と同じく、強者であった。


しかし、彦星は更に追撃の手を緩めなかった。


彦星「まだまだァッ!!! 星心流 其ノ弐 流星斬!!!」


月の王の真上を飛び、地面に埋まっている月の王へ更なる連撃を繰り出す彦星。


口から血を吐き、骨は折れ、筋肉はボロボロの彦星。

それでも攻撃の手をゆるめることは無かった。


彦星「ぐっ・・・・・・織、かぐやのことは頼んだぞ。

星心流 奥義 天星輝永斬!!!!!!!!!」


彦星を中心とし光の柱が彦星と月の王を包み込む。

その光景は神々しく、光が天へと昇っていくようにどこまでも伸びていく。

そして気付けばその光は夜空へ新たな星を生み出していた。




しばらくすると光の柱は消えていた。

だが、空に出来た星は今もずっと輝いている。


そして、倒れている彦星の姿も。

見つけるやいなやすぐ様彦星の元へ駆け寄る織とかぐや。


織「彦星様ッ!!! 気をしっかり持ってください!!!」


かぐや「お父様ッ!!! 今すぐ癒します!!! まだいかないでください!!!」


そういうとかぐやは手から光を出し、彦星の身体を癒していった。

だが、一向に効果が見られないのだ。

必死に使っているのに、彦星のボロボロの体はボロボロのままだ。


星の化身


かぐやの癒しでは治せないほど、彦星の身体は既に限界が来ていたのだ。

悔し涙を流しながらもまだ諦めないかぐや。

そんなかぐやの手を止めるかのように、彦星は手を置いた。


彦星「か、かぐや・・・・・・もういい。既に私は死へと向かっている。かぐや。母さんの事を頼んだぞ・・・・・・織はこう見えてすぐに泣くんだぞ。昔から涙脆くてな・・・・・・でも、そこがいいんだ。優しくて

暖かくてな。かぐやにも織に似たようなものを感じる。お前は紛れもなく私達の大切な娘だ・・・・・・愛しているぞお前達・・・・・・」




かぐや「やですよお父様!!! まだまだたくさん話しましょう!

私を置いていかないでください!お父様ッ!!!!!!!!!うぅっ・・・・・・」


織「彦星様・・・・・・嘘・・・・・・彦星様ァッ!!!!!!!!! ああぁ・・・・・・」




彦星はそのまま息を引き取った。

織とかぐやの呼び掛けに応じること無く、永遠の眠りについたのだ。


彦星の胸で泣き続ける織とかぐや。

織のたった1人の愛する彦星。

かぐやのたった1人の父親。

涙が止まらなかった。

彦星は良き夫であり、良き父親であった。

明るく頼りになるいい男だった。

だが、もう居ない。

月の王と相討ち覚悟で、最後の力を振り絞り奥義を使ったのだ。


織は彦星の作った光り輝く星を見上げる。

涙で星空はよく見えないが、彦星の放った星だけはよく輝いていてハッキリと見えた。




織「彦星様・・・・・・ッ?!!! ガハッ!!!」


突如、織の胸元から飛び出す剣先。

その背後にはなんと月の王が立っていた。


月の王「はぁ、はぁ、はぁ、よくぞ私をここまで追い込んだものよ。恐らく人間界で一番強い人間はお前であろうな彦星とやら。

だが、貴様も死んだようだな。後はお前を殺ってその女を連れて帰るだけだ。」


月の王の剣は織の心臓を一突きしていた。

その光景に固まるかぐや。

つい先程父親を失ったばかりなのに、母親まで目の前で殺されてしまった。

かぐやの精神は既に限界であった。


かぐや「お母様?・・・・・・いや・・・・・・いやです・・・・・・いやあああああァッ!!!!!!!!!」


そのままかぐやは意識を失ってしまった。


織「か、かぐや・・・・・・?!・・・・・・あとは頼みましたよ・・・・・・私達の『息子』」


月の王は疑問を浮かべていた。

すると織の見つめる先から走ってくる人影が一つ。




「桃心流 其ノ壱 桃影斬 連撃!!!」


そこには技を繰り出す桃太郎の姿が。


とうとう両親と再開する桃太郎。

しかし、着くのが遅すぎた。

ここから最後の決戦が始まろうとしていた。

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