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いざ奥義を!!!

胸から剣を生やし、血を吐く庄左衛門。


庄左衛門の体には既に無数の傷があり、生きているのが不思議な程、ボロボロであった。


それもそのはず。

庄左衛門は一人で約4000体もの月の使者を相手にしていたのだ。

中には上級も居り、その全てを庄左衛門がただ1人で抑えていたのだ。

いや、全滅させていた。


あまりにも傷を負いすぎたからか、庄左衛門の目は最早光を失っていた。

耳もほとんど聞こえていない様だった。


それでも、死力を尽くしてここまでやって来たのだ。

織を守る為に・・・・・・。


織「し、庄左衛門さん!!!」


涙を浮かべながら叫ぶ織。

そして、firstもイライラが増していた。


first「余計な時間を掛けてくれたな。死に損ないが」


剣を抜いてトドメを刺そうとするも、何故か剣を抜く事が出来なかった。

庄左衛門が筋肉で硬直させ、抜けなくさせていたのだ。


そして、庄左衛門は微笑んでいた。


庄左衛門「お、織殿・・・・・・かぐや殿には貴女が必要です。

ここは貴女が死んでいい場所ではない・・・・・・あなた方と共に旅を出来たこと、光栄に思います。さようなら織殿・・・・・・

闘心流 其ノ伍 八卦掌」


あろう事か庄左衛門は、織に向かってその技を放つ。

織は不意をつかれモロに喰らってしまった。


織「なっ?! ッ!!! 庄左衛門さん・・・・・・まさか?!」


しかし、痛みはなかった。

織は瞬時に気付いた。

自分を逃がす為だ。

織は飛ばされながらも、悔しさのあまり涙をとうとう流していた。




first「余計な事をしてくれたな人間如きが。素直に渡せばいいものを!!!」


激昂するfirst。

剣をようやく抜き去り、庄左衛門へと剣先を向ける。


最初は織に邪魔をされ、今度は庄左衛門に邪魔をされた。

一刻も早く、かぐやを連れて帰りたいfirstは怒り心頭である。


庄左衛門「お前達がなんの為にかぐや殿を連れて行こうとしているのかは知らぬが、あの優しき姫を、あの幸せな家族を・・・・・・貴様ら他人が壊す事は許さぬ!!! 悪いが一緒に逝ってもらうぞ--- 闘心流 奥義 めいしん秘密の法!!!!!!!!!」




庄左衛門がありったけの闘気を溜め、一気に拳を撃ち放つ。

firstも嫌な予感がし、両腕をクロスさせるも遅かった。


「ドゴオオオンッ!!!!!!!!!」


庄左衛門の撃ち放った拳は、爆風を放ち地面は抉れ、木々も吹き飛んだ。


first「ぐぅッ!!! 何だこの威力は?!!! 人間如きが扱える技ではないぞ!!! クソがァッ!!!!!!!!!」


余りの威力にfirstも耐えきれずにとうとう塵と化した。

こうして、月の使者最強の使者を葬ることに成功したのだった。



しかし、代償も大きい。

そこに残るのは既に死にかけている庄左衛門1人となった。

今の技で腕はボロボロ。

この技は庄左衛門の奥義であり、諸刃の剣の技である。


万全な状態で使っても、命に危険があるのに、ボロボロの

状態で使ったら答えは目に見えている。

当然庄左衛門は分かっていた。

それでもこの技を使ったのだ。


最後に役に立つ為に。


庄左衛門はその場に倒れる。

いや、既に死んでいたのだ。

織が駆け付け、更にかぐやが駆け付け庄左衛門の名前を叫ぶも返事はなかった。


かぐや「庄左衛門様・・・・・・貴方まで・・・・・・本当に、本当にごめんなさい」


泣き崩れるかぐや。

既にかぐやの精神も限界である。

目の前で大切な仲間達が自分を守る為に、次々と命を落としていく。

かぐやはもう耐えられなかった。

彦星四人衆は全員が責務を全うし、命を落としたのだ。

それなのに、自分ばかりは生き残っている。


自分が死ねればどんなに楽か、そして自分が死んでいればこの4人は死ぬことは無かった。

そう思うと心が張り裂けそうであった。


しかし、口にはしない。

そのことを発してしまっては、それこそ4人の死が無駄になってしまう。


唇を血が滲む程噛み締めるかぐや。

そんなかぐやを抱きしめる織。


織「かぐや! 貴女が考えていることはわかります。それでも、耐えている貴女のことも。あなたの力は人々を癒します。恐らくあなたのスキルが特別だから、月の使者達は襲ってくるのでしょう。ですが、そんな事はさせません。

貴女は私が最後まで守ります。だから、もう少しだけ気を強く持っていてください。酷な事を言う母を許してください。」


織も涙を流していた。

辛いのは自分だけではない。

かぐやはそう思うと、自分の手も織の背中へと回した。




庄左衛門の力もあり、ようやく敵の最上位の月の使者達や月の使者達を倒すことに成功したのだった。

しかし、失ったものもあまりにも大きかった・・・・・・。

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