いざ火男と共に!!!
おゆきの仲間になりましょうという勧誘。
桃太郎達になんの相談も無しに勧誘するおゆき。
桃太郎「おいおゆき! おま」
夜叉姫「ちょっと待って桃太郎!」
桃太郎「え?」
桃太郎がなにか言おうとするも夜叉姫が待ったをかける。
夜叉姫「ここに居てもどちらも気まずいままよ?
だったら私達の仲間にして、彼が心開けるその時まで一緒にいた方がいいんじゃないかな? それに彼の火もかなり強力なモノよ?仲間にはもってこいだと思うんだけどなー!」
確かに夜叉姫の言葉も一理ある。
いや、むしろその選択肢しかないだろう。
どっちにしても火男をこの村に残すことは出来ない。
火男を置いて行った後に自殺でもされたらたまったもんじゃない。
桃太郎は決心をして皆に尋ねるも、みんなも頷いていた。
桃太郎は火男に近付き尋ねる。
桃太郎「お前がここに居ても村人もお前も気まずいだけで
何も変わらねぇ。それなら俺達と一緒に旅に出ようぜ!
この世界は広い。色々お前の目で見てお前の耳で聞いていれば、そのうちお前の口からも言葉が出てくるはずだ。
どうだ?一緒に来ないか?」
桃太郎は火男に対して手を差し出す。
火男はそんな桃太郎のを見つめると、次は自分の燃えさかる手を見て桃太郎の手を握りしめた。
握り返してきた火男に桃太郎も笑顔で答える。
そう。燃えさかるその手を見つめて・・・・・・
桃太郎「・・・・・・あっちいぞこのバカッ!!!!!!!!!てめぇッ!!!
なに燃えた手で握手してんだよ!!! おゆき!!!雪出してくれ!!!」
おゆき「はいはい。雪の塊」
おゆきの出す雪の塊に腕を突っ込む桃太郎。
桃太郎「ほえぇーーー気持ちいい・・・・・・危うく火傷する所だったぜ・・・・・・」
浦島や夜叉姫達はそんな桃太郎を見て笑っていた。
夜叉姫「きっと火男は恥ずかしくてコントロール出来なかったのよね?」
夜叉姫の言葉に火男は大きく頷く。
今までそんな優しく話しかけてくれたのは死んだ父親以外居なかった。
その為、優しい言葉に火男は弱かった。
だが、とても嬉しい気持ちになったのだ。
その為、嬉しくて興奮してついつい、手を燃やしてしまった。
それにはこれ以上桃太郎も文句言えない為、許す事にする。
桃太郎「そんじゃあ、新たな仲間を祝して今日は皆で酒で
乾杯だ!!!」
桃太郎の案で、元火男の家を使って宴会が行われる。
そして、元村長である婆さんを火男が殺した事を村人達に伝えると大変喜んでいた。
中には泣いて喜んでいる者も居た。
それ程かと思っていたが、どうやら遺族を婆さんの命令の元殺されてしまった親族のようだ。
そういった人達はきっと火男も恨んでいる筈だ。
いくら、婆さんの命令とはいえ手を下したのは火男なのだから。
その為、今夜だけ泊まって明日の朝、発つ事を伝えると御礼を言われた。
仕方の無いことだ。
火男も怖いそうではあるが、村人達はもっと可哀想だ。
そうしてその日の夜は宴会を交わし次の日の朝に村を達のであった。
その日の夜は満月であった。
とある場所にて。
彦星「満月だな織、かぐや」
織「そうね・・・・・・私の夢通りなら今夜彼等はかぐやを
連れ去りに来るわ。そして・・・・・・」
彦星「おっと!それ以上は言わない約束だぞ?
例え俺が月の使者達に負ける未来が見えたとしても言わない約束だ。俺は必ずお前達2人を守りきる。この命に替えてもな。」
かぐや「でもお父様! 私はまた家族で平和に暮らしたいです
。だから、絶対死なないと約束してください。」
織「そうねかぐや・・・・・・必ずまた皆で暮らしましょうね。」
彦星「その為にはまずアイツらをどうにかしないとだな・・・・・・」
上空より降りてくる多数の人影。
人間の形をしているがに人間ではない。
この星の生命ではなく、月の破片より産まれしもの達。
仮面に鎧を着込んでいるため顔は見えないが以前戦って倒した時は塵となって消えた。
彦星「100体は居るな・・・・・・織の未来視によると恐らく斥候だろう。しかし、なんで居場所がバレた?! 織! かぐや! 下がっていろ! 悪いが2人の守りは頼んだぞ!お前達!」
彦星の言葉に頷く4人。
1人の男は網代笠を被っており、手には錫杖を持っている。
どうやら彦星達に同行するお坊さんのようだ。
もう1人は大柄な男で金太郎、黒龍よりも更に大きい。
手には石のハンマーを手にしている。
そして、もう1人は細身の女性で手には珍しいレイピアという武器を持っていた。
ここらでは見れない代物だ。
そして、最後に槍を手にするその男はやる気に満ち溢れている。
まだ若そうで栗頭をしていた。
庄左衛門「まだ見ぬ敵、そして私に新たな武術を教えてくれた
彦星殿には多大な恩があります。故にその命令、我が命を賭して守りましょう。」
臼井「うむ。彦星様には我が仲間を救ってもらった恩がある。
そして、織様やかぐや様にも。」
蜂ヶ崎「何より蟹江城主に頼まれたからな。ちょうど合流できて良かったわ」
栗塚「その通りだ!!! あなた達は必ず俺達が守ると誓おう!!!
参るぞ!!! 月の者達よ!!!」
彦星に付き従うこの4人は道中で仲間になってくれた者達だ。
庄左衛門は武を極める旅に出ていたところで彦星と出会い、
戦った時に負けた為、弟子入りしているお坊さんである。
他の3人は蟹江城に行った時に、蟹江城主を救った事により
礼として、お供を貸してくれた。
3人とも名だたる豪傑であり、一人一人が一騎当千の働きをしてくれる。
彦星達とは違う道から進み、月の情報を探っていたのだ。
しかし、彦星達同様に、情報を手にすることは叶わなかった。
だが、ここで合流出来たのは彦星達にとっては幸運であった。
3人の時に狙われたら、とてもじゃないが守りきれなかったであろう。
庄左衛門「2人は私が守ります。故に3人は彦星殿の援護へ!」
庄左衛門がそう言うと3人は頷き、彦星の後を追った。
彦星「貴様ら月の使者が何故、我が娘を狙うかは知らぬが
貴様らに渡しはせぬ!!! 行くぞッ!!!」
こうして、桃太郎達が追いかける中、彦星達は既に月の使者達と
戦闘を始めるのであった。
「面白いな、続きが読みたいなと思ったらブックマーク、高評価をお願いします。そして誤字脱字や意見などあったら是非コメントしてください。」




