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いざ復讐の炎!!!

婆さん「何をやってるんだい火男!!! さっさとそんな氷燃やして出て来るんだよ!」


桃太郎の案を無視するかの如く、火男へと怒鳴り散らかす婆さん。


一寸法師「つまり、これが答えってことだろ?なぁ、金太郎

彼奴は殺してしまった方がいいんじゃないか?」


金太郎の肩に乗る一寸法師はもう一つの案を出す。

こちらの方が確かに安定だ。

そして、村人の誰もが婆さんの死に悲しむものはいないだろう。

つまり、殺してしまってもこの村にはなんら影響はないのだ。

なんなら居ない方が活気は戻るかもしれない。


だが桃太郎がそれを許さなかった。

ここに来て桃太郎の婆ちゃんっ子気質が仇となる。

桃太郎は婆ちゃんが大好きだ。例え目の前にいる婆さんが

最低な人間であっても年寄りを殺す事を許さなかった。


金太郎「このお人好し野郎がそれを望まねーんだよ!

んで、どうすんだよ桃太郎!」


婆さんは聞く耳も持たないし、桃太郎は殺すことを阻む。

一向に進まない状況に苛立ちを覚える金太郎。




一休「お婆さん、一つ聞きたい。火男はとても優しい心の持ち主だったと聞きます。それこそ昔は虫も殺せないほどに。

だが、ある日に熊が村人を襲った時には誰よりも前に出て村人達を守ったと聞きます。そして、倒した熊の死にさえも涙を流したとか。

そんな優しい火男にあなたはどうやって旦那であり火男の父親である方を殺させたのですか?」


一休はずっと気になっていた。

婆さんの悪口や陰口は多々聞いていたが、火男についての話は

全てがいい話だった。

もちろん、人を殺したのは事実だが自分からは1度も殺していない。全ては婆さんの命令に従って殺めているのだ。

そんな優しき心の持ち主である火男が何故、人を殺せるようになったのか一休だけではなく、みんなも気になっていた。




婆さん「そんなの簡単さね! 息子を殺そうとしたから火男が

殺される前に殺したんだよ! どんなに優しい子でも殺される恐怖に立ち会ったら相手を殺してでも生きたいと思うのが人間だよ!まぁ、その殺そうとした人間も本当は旦那じゃなくて私なんだがね。火男に毒入りのスープを出したのさ。それを私は旦那のせいにした。そういった事を続ける内に火男はとうとう旦那を燃やし尽くしてくれたのさ! まぁ、当の旦那はなんの事か分からずただただ、泣いて火男の名前を呼び続けていたけどね!こうして、人1人殺したことによってあの子の中で何かが切れたんだろうね!それからは私のたたの操り人形状態さ!さぁ!あの子を殺ったんだ!もうこの村に居座る必要は無いだろ?さっさと出て行ってくれ!」




桃太郎「・・・・・・お前・・・・・・ッ!!!!!!!!!」


桃太郎は怒りのあまり拳を血が出る程握り締めていた。


浦島「ねぇ、夜叉? ここは僕が殺るから桃太郎達を連れて先に行っててよ」


夜叉姫「えっ?あっ、うん!」


浦島は夜叉姫が自分の悪事を知っている事に勘づいていた。

だが、それならそれでやりやすい。

夜叉姫に協力してもらって桃太郎にはただ前だけを進んでもらう。


一般人の人殺しなど、桃太郎に出来ないことは浦島がやる。

桃太郎は常に光であり、浦島は影である。


そんな浦島に気付いていたからこそ、夜叉姫も浦島に特に

話すことなく桃太郎を先へと連れて行こうとしてるのだ。

だが、その時だった。





「じゅうぅ・・・・・・・・・ぼおおぉッ!!!!!!!!!」




凍っていた火男が急に発火したのだ。

それも、とてつもない熱量をだして。


火男はまだ生きていた。

皆がおゆきの方を見るとおゆきは


おゆき「殺しはしませんよ。それに耳だけは出しておきましたからね。ただ、皆様。そのお婆さんからは離れた方が良いでしょう。」


おゆきが話終わると火男は全身を燃やしたまま婆さんへと迫ると燃える手で婆さんの頭を鷲掴みにして持ち上げた。


婆さん「うぎゃああああッ!!!!!!!!! 熱い!!! 熱いよ火男!!!!!!

離せッ!!! 離せ!!!!!! ぎゃあああ、あぁ・・・・・・あぁ・・・・・・」


火男はそのまま婆さんを丸ごと燃やし尽くしてしまった。

そこに残るのは婆さんの骨のみ。


いきなりの出来事に皆が固まっていた。




おゆき「最後まで真実を話さなければ息子に殺されることは無かったのに。」


金太郎「・・・・・・お前、こうなる事を分かっていてわざと耳だけ

凍らせなかったな?」


おゆき「? 何のことでしょうか金太郎様」


惚けるおゆき。だが、おゆきのおかげで誰も手を汚すことなく

婆さんを始末する事ができた。





火男はというと骨となった婆さんを踏み潰していた。

それも涙を流しながら。

ずっと信じてきた婆さんが敵であり、敵だと思っていた死んだ爺さんが信じるべき人だったのだから。


火男は2人の両親を殺してしまったのだ。

最早、心はズタズタであろう。


現に、火男は父親を殺してから言葉を発する事が出来なくなってしまったようだ。


そして、今回の件である。

火男の胸中を察するに、とてもじゃないが心など開ける状況では無いだろう。

より一層深く閉じてしまったはずだ。




桃太郎「・・・・・・この村には婆さんの命令とはいえ、火男に殺された遺族の親族達もいるだろう。」


浦島「そうなると彼はここには居られないだろうね」


夜叉姫「なんなら彼、自ら命を断つかもしれないわ」


皆で火男の処遇に着いて考えていると火男に近付く人物が1人。




おゆき「火男さん? 私達と共に参りましょう」


火男「ッ?!!!!!!」


皆「えぇッ?!!!!!!」


おゆきの発言により急展開で進む火男の処遇。


何はともあれ、この火男の話は終わりに向かっていると言ってもいいだろう。

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