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いざキジを!!!

ゴリラを仲間にしてから1時間ほど歩いていた。


幸太郎「んー・・・・・・最後はキジだよなー。見晴らしの良い場所にいた方がいいのかなー?」


するとゴリラのモンクが口を開いた。


モンク「我が主、ここからは奴のテリトリーです。奴の目は遠くまで見える為いつ襲ってくるかわかりません。注意して下さい!」


ドク「だな! アイツは空を飛ぶし卑怯なんだよな! 正々堂々と戦えってんだ!!!」


モンク「おっ?! たまには意見が合うじゃねーか!!! アイツには本当に頭くるぜッ!!!」


ドク「おう!!! 奇遇だな!!! 早く主に殴られる所が見たいぜッ!!! ガッハッハッ!!!」

モンク「そうだな!!! ガッハッハッ!!!」

 

2人して大笑いをするが幸太郎は考え事をしていた。

そして、2人の発言を聞き確信する。


幸太郎(やはりここにキジがいるんだな!!! しかし、キジって1度も見たことないんだよなー。どんな姿してるんだろう?)


そんな事を考えていると、上空から風を切って近付いてくる音が聞こえてきた。


ドク「主ッ!!! 来ますぜッ!!!」


ドクが最初に気付いた。


幸太郎「んあ?! 眩しくてあまり見えないな!・・・・・・ん?! キジってあんなにデカいの?!」


そこに現れたのは巨大な大鷲であった。

全長は幸太郎と同じくらいあり、翼を広げた大きさは4m近くもあった。


あまりの大きさに驚いた幸太郎は口が空いていた。


幸太郎(キ、キジでけェーーー!!! ってかカッコよすぎるだろ!!! なんか鷲みたいだ!!!)


またしても幸太郎は勘違いを発揮していた。


ドク「出やがったなクソ鳥!!!」

モンク「いつも空に逃げやがって!!!」


二人が大鷲に対して戦闘態勢をとる。


大鷲は地面に着地すると鋭い眼光で三人を睨んだ。


大鷲「何しに来たんだお前達。仲の悪い二人が共に来るとはな。私に勝てないから組んだという訳か」


大鷲の挑発とも取れる発言にドクとモンクは激怒した。


ドク「はぁッ?!!! ふざけた事言ってんじゃねーぞ!!! コイツは俺の手下だ!!! その余裕面、噛み砕いてやる!!!」


モンク「あぁッ?!!! ふざけた事抜かすんじゃねーぞ!!! コイツが頭下げるから仕方なく付いてきてやってんだよ!!! ふざけた事抜かすと、ぶっ飛ばすぞッ!!!」


モンク「おい!!! 誰が手下だって?!!!」

ドク「あぁ?!!! てめぇこそ、俺様がいつ頭下げたよ?!!!」

モンク「てめぇから殺っちまうぞ?!!!」

ドク「上等だコラァッ!!!」


いつまでも喧嘩をする二人に幸太郎は苛立っていた。


そして二人に近付き一言。


幸太郎「うるさいッ!!!」

「ドゴンッ!!! ドゴンッ!!!」


二人の頭を拳骨して黙らせた。

気絶する二人。そしてそれを呆れた表情で見ている大鷲。

大鷲は幸太郎に興味を持ったのか幸太郎に話しかけた。


大鷲「そこの二人はいいとして、人間が何故ここにいる?」


大鷲が居るこの地は、鬼ヶ島の近くであり人間は近づかなかった。それなのに人間がこの地に居ることを不思議に思っていたのだ。そして何よりあの二匹を一撃で気絶させる力。

大鷲は少し興味を抱いていた。


幸太郎「実はなこれから鬼退治に行くんだよ! それで犬と猿を仲間にしたからキジであるお前も仲間にしたくてな! どうだろうか?! このきび団子をやるからさ! ほれっ!!!」


幸太郎が投げたきび団子を嘴でキャッチする。

少し舐め、毒が無いことを確認する。


気絶から起き上がった二人はその光景を見ていやらしい顔でニヤついていた。


ドク「しっしっしっ・・・・・・これでアイツはきび団子を吐き出して・・・・・・」

モンク「主に殴り飛ばされるって訳だ」


二人は顔を見合い、そしてまた、にやけていた。




「ごくん!」




二人の耳には飲み込んだ音がした。


ドク「・・・・・・えっ?!」

モンク「・・・・・・うそっ?!」


大鷲はきび団子を飲み込んだ。

そして幸太郎の前に頭を下げた。


大鷲「幸太郎様、あんなに美味しい食べ物は初めて食べました。そして貴方の強さには感服致しました。こんな私で良ければ貴方の配下となりましょう。・・・・・・そしてキジではなく大鷲です。」


大鷲の発言にドクとモンクは空いた口が塞がらなかった。

大鷲が殴られる姿を見たかったのにこんなハズでは・・・・・・そういった表情をしていた。


幸太郎「おぉ!!! お前にはこの味が分かるのか!!! お前だけだよキジ君。コイツらと来たら吐き出すは、放り投げるはで最低だったぜ・・・・・・」


幸太郎は大鷲の態度に感激している。

三匹の中で初めてまともに食べてくれた。

それが、幸太郎はとても嬉しかったのだ。


大鷲「なんと?! このような美味な物を粗末に扱うなど信じられません! そして私はキジ君ではなく『ちゃんです』いちをメスですので。そして大鷲です・・・・・・」


大鷲はメスであった。

幸太郎には鳥の区別はつかなく雰囲気で言ってしまっていたのだ。

そして何度もキジでは無いと否定するが、幸太郎の耳に届くことはなかった。


幸太郎「なんだ!!! メスだったのか!!! よしっ!!! 仲間になってくれる御礼にお前にも名前をつけてあげないとな!!!んー・・・・・・・・・・・・ハクってのはどうだ?!」


大鷲「・・・・・・ハク?! 素敵な響きです。意味はあるのですか?!」


幸太郎「あぁ!!! キジの英語がわからなくてな!!! ならお前の特徴から取ろうと思ったんだ! 白くて美しいからハクだ!!!」


ハク「白くて美しい?!・・・・・・そんな・・・・・・美しいだなんて・・・・・・」


ハクはその白い顔を真っ赤にして照れていた。


幸太郎「あぁ!!! ハクの羽は白くて綺麗だ!!! これからもよろしくなハク!!!」


ハクは感激していた。

美味しい物を与えてくれ、そして名前まで与えてくれた。最後には美しいとも言ってくれたのだ。

ハクの幸太郎への忠誠心はうなぎ登りである。


ハク「はい!!! 主様!!! このハク、貴方様への絶対の忠誠を誓います!!! 共に鬼を懲らしめてやりましょう!!!」


幸太郎「ありがとな!!! ちなみに鬼ヶ島ってのは近いのか?!」


ハク「はいッ!!! ここから少し歩き、海を渡りその先に島があるのですが、そこで鬼達は暮らしています!」


幸太郎「なるほどな。海を渡らなきゃ行けないのか! よしッ!!! とりあえず海辺まで行くぞ!!!」


ハク「はい!!! 主様ッ!!!」


意気込む二人であったが何故かドクとモンクはいじけていた。


幸太郎「おーい!!! お前達!!! 早く行くぞ!!!」


ドク「何故だ・・・・・・こんな筈じゃあ・・・・・・」

モンク「あぁ、何故アイツだけ殴られない・・・・・・」


二人はブツブツと喋っていたが幸太郎には聞こえなかった。


そんな二人をみたハクはため息をついて

 

ハク「はぁー、主様。あの二人は置いて私達だけで行きましょう。かえって足を引っ張られるかもしれません。」


その言葉に二人はまたしても激怒する。


ドク「てめぇ!!! 調子に乗りやがって!!! 主の一番の配下は俺なんだからなッ!!!」


モンク「最後のクセに調子に乗るんじゃねーぞこの野郎ッ!!!」


またしても声を荒らげる二人に幸太郎が近付いてきた。


幸太郎「おい。お前達。行く気がないのか? ここで死にたいのか? どうなんだ?」


脅すように問い掛ける幸太郎。

二人の顔は一気に青ざめた。


ドク「い、いやだなー主!!! ささっ!!! 早く鬼退治に行きましょう!!!」

モンク「冗談ですよ冗談ッ!!! 鬼なんて俺が蹴散らしてやりますよ!!!」


これ以上怒らせては命が無いと思った二人は急に大人しくなったのだった。


ハク「ふふっ、あの二人がこうも下に出るとはね。やはり主様にはとてつもない力があるのね」


そう呟くハクは幸太郎への期待度がまた上がっていた。


そして幸太郎はとうとう桃太郎の話の通り三匹の仲間を手に入れる事に成功したのだ。


幸太郎「犬、猿、キジ---思ってたのとはだいぶ違うが仲間は揃った。いざ鬼ヶ島へ!!!」




幸太郎は狼、ゴリラ、大鷲を引き連れとうとう鬼ヶ島へ向かうのだった。

 


「面白いな、続きが読みたいなと思ったらブックマーク、高評価をお願いします。そして誤字脱字や意見などあったら是非コメントしてください。」

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