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いざ雪 対 炎!!!

翌日。


先日は温泉にも浸かり、皆が体を癒すことができた。


そして今日は村の為にも婆さんの圧政を止める。

村人に詳しく聞いたところによると気に入らない者が居たら

例え身内でも火男を使い、殺していたようだ。

それが自分の旦那であり、火男の父親であっても。

そこで、火男はとうとう壊れてしまったと。

自分の父に手を出してからは、火男はただの傀儡と化しているようだ。

婆さんの言葉に従い、婆さんの命令で人を殺す。


それも、殺した数は1人2人ではないようだ。

とにかく、そんな話を聞いてしまったからには

桃太郎達も素通りするわけにはいかない。


昨晩の作戦通り、火男はおゆきと金太郎に任せるとして

婆さんは桃太郎達が対処する。




桃太郎一行は御礼というていで婆さんの住む家へと向かう。

家の前に着き、予備鈴を鳴らすと入れとの言葉が聞こえてきた。


部屋に入るなり桃太郎が代表として口を開く。

ちなみに、火男は座る婆さんの隣で立ちつくしていた。



桃太郎「昨晩は泊めてくれて助かった。だが、一つ聞きたい。いや聞いて欲しい。これ以上、自分勝手に村人達の命を奪うな。火男の力があるからと、気に入らないと言う理由だけで人を殺すな。聞けば、アンタの旦那が元々はこの村の

村長だったらしいじゃないか。とても優しく皆に好かれていたという。なのに、何故火男に殺させた?何故、あんたは

そんな簡単に命を奪える?」


桃太郎が話終えると婆さんは声高らかに笑いだした。


婆さん「ヒィッヒッヒッヒッ! 何故、旦那を殺したか?

何故村人を殺したかって? そんなの簡単だよ!

皆が私の金を奪うからさ!!! この子の父親は確かに皆から

好かれていたさね! 誰にでも優しく、誰にでも助けの手を差し伸べていたよ。だが、ある日に村人で金を借りたいと言う輩がでてきてねぇ。私は猛反対したのに旦那は勝手に金を

渡したんだよ!私の許可も得ずにね!それに私が殺した村人達もそうさね!私に払う金を払わずに皆で助け合うなんてほざきやがったのさ!そんなわからず屋達はみんな死んで当然なのさ!!!」




桃太郎達はドン引きである。

つまり、この婆さんは金の亡者なのだと。

全ては金。何よりも金。

どこにも何人かはいる、金に取り憑かれた人間だ。




夜叉姫「あんたね! 旦那よりも、人間の命よりも金を選ぶなんて狂ってるわよ!」


一休「確かに生きる上でお金は大事なものです。ですが、死ぬ時に1番大事なのは人間です。このままではあなたは孤独死てしまいますよ。人は死ぬ間際になってようやく周りの人間への有難みを実感するのです。周りに見守られ天国へと飛び立つ。あなたにはその

相手がいますか?」


非難殺到の婆さん。

だが、全く心に響いていない様子。

なにせ、彼女には火男がいる。

彼がずっと守ってくれる。そう思っているのだ。


そんな中、おゆきがとうとう口を開く。


おゆき「火男さん。私があなたの目を覚ましてあげましょう。

ここではあれなので外へ行きましょう。」


火男に決闘を挑むおゆき。

火男は婆さんにどうすればいいのかと、顔を伺うと


婆さん「行ってきな! さっさと殺ってしまって残りの奴らも片付けるんだよ!」


婆さんの言葉に頷く火男。

相変わらず、自分の意思はないようだ。

生きた屍のようである。




本来はここで婆さんを取り押さえて火男を屈服させる予定だったがそれでは火男の心は開かれない。

その為、火男とおゆきの決闘を皆で見届けることになった。




最初に攻撃を放ったのは火男である。

手から火炎放射の如く炎を撒き散らす。

まさに魔法の様な光景だ。

炎はおゆきへと迫りそのままおゆきを炎が包み込む。




婆さん「なんだい!他愛もない! さぁ、火男! 他のやつもさっさと殺るんだよ!うすのろの息子が!」


だが、火男は婆さんに振り返らず炎の方をずっと見ている。

そんな時、炎の中から声が聞こえてきた。




おゆき「暑いですわね。私、熱いのが大嫌いですのよ。

雪心流 其ノ壱 雪零壁」


おゆきの周りには雪で出来た氷の壁が炎からおゆきを守っていた。

普通は溶けるはずだが、恐らく火男よりもおゆきの方が魔力が

高く、質もおゆきの方が上なのだろう。


火男は驚いていた。

燃えない相手は初めてである。

それも自分と同じ様に魔法を使う。


火男は先程よりも更に火力を上げて炎を放出する。

観戦している桃太郎達にまで熱気が届く程だ。

恐らく数百度、下手したら数千度もの熱量があるかもしれない

その炎はおゆき目掛けて放たれる。




おゆき「これがあなたの出せる最強の炎ですか?

良いでしょう。私も少し本気を見せます。

雪心流 其ノ伍 絶対零度」


おゆきが技を発動するとおゆきの周りはどんどん凍っていく。

そして、火男の放った炎も煙とともに消え去ってしまった。

火男は更に地面に炎を放つもその技は止まらずとうとう火男さえも

凍らせてしまった。


あまりにも一瞬の出来事のため、婆さんも固まってしまっている。




桃太郎「やるなおゆき! お前めちゃくちゃ強いじゃねぇか!」


浦島「本当だよ。おゆきさんと戦ったら一瞬で氷漬けにされそうだね。」


金太郎「お前なら俺の横を歩くに相応しい女だな」


三者三様におゆきを褒め称える。


おゆき「ありがとうございます皆様。私はいつまでも金太郎様に

お供致します。」




この場には氷漬けとなった火男と立ち竦んだ婆さん。

そして、桃太郎一行がいる。


桃太郎「おい婆さん! 今後一切村人達を殺さず仲良くするって言うなら逃がしてやるがどうする?」


甘ちゃんの桃太郎はこんな婆さんでも助けてやるぞと助け舟をだす。

条件次第ではあるが。


最早、婆さんを守る者はいない。

つまり、桃太郎の条件を飲む他はないのだ。




だが、婆さんは何を思ったのか桃太郎の案を無下にするのだった。

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