いざ火男!!!
桃太郎と夜叉姫は浦島達全員と合流すると村の中でも
一際大きめの家へと向かう。
おじさんがノックをすると、家の中から声がしてきて
入っていいとの返事が来た。
返事が来て、家の中へ入るとそこには、椅子に座った婆さんとその隣に立つ全身が真っ赤の男が立っていた。
大柄な男な訳でもなく、一般並みだ。
顔つきは寧ろ優しそうな顔をしている。
何故、こんな人が悪さをするのだろうと桃太郎は不思議だった。
すると後ろから一休が耳打ちをしてくる。
一休「優しそうだからこそですよ。恐らく、婆さんの子供である
火男は優しすぎるが故に婆さんの言う事を無下にすることが出来ないのでしょう。何せ、婆さんの為に自分の父親である男を殺したくらいです。余程の事があったのでしょう。だから火男は婆さんの
言いなりなんですよ。優しすぎるが故にね。」
既に一休は火男についての情報を仕入れていた。
そして、桃太郎の心も読んできたのだ。
さすがは一休である。
桃太郎「となると、問題はあの婆さんだな」
桃太郎の答えに頷く一休。
婆さんとおじさんが話してる間にコソコソと話していると
二人の会話は終わったらしく、話題は桃太郎達へと変わる。
婆さん「それで、旅の者が来たようだが1泊だけ泊めてやる!
そしたら、すぐに帰りな!!! お代は1人1泊大判1枚貰うよ!」
驚く夜叉姫。
高すぎる。
こんな村に大判1枚なんて割に合わない。
だが、聞くところによると、ここには温泉があるようだ。
それに、ここ最近野宿だった事もあり、そろそろちゃんとした場所で寝たいのも事実。
よって大判1枚で手を打つことにした。
挨拶を済ませるとその家を後にする。
村長の家を出るとすぐ様おじさんが逼迫した表情で詰め寄ってきた。
おじさん「見ただろあのおっかない2人を! 悪いことは言わなぇ。泊まったら何もせず明日の朝この村を出るんだ。」
改めて警告してくれるおじさん。
火男の恐ろしさを目の当たりにしたのだろう。
だが、問題は火男では無い。婆さんだ。
火男の目を覚ますことが出来れば、婆さん1人など余裕で対処できるだろう。
一先ず今日は体を休め、一休達と作戦会議をしながら明日の決行日に備えることにした。
夜になると食事はおじさんから山菜を頂いたため、金太郎の狩ってきた猪肉で鍋をする。
もちろんおじさんにも分けてあげた。
食事をしながら一休が作戦をたてる。
一休「まず問題なのがあのお婆さんです。
火男はあのお婆さんの発する言葉が全て正しいと思うように
調教されています。その為に、まずはあのお婆さんの口を封じる事が先決です。そして、その間火男を足止めする者も必要です。
桃太郎殿、金太郎殿に火男の相手を。そして残った者達で婆さん
の対処をします。火男の力が凄ければ浦島殿も加勢してください。そこまで、手の込んだ作戦を立てる必要はなさそうなのでこれで
いきます。なにか質問はありますか?」
一休が話終えるとおゆきが1人手を挙げた。
珍しい事だ。
普段もあまり話さず自己主張しないおゆきが手を挙げている。
皆の目線はおゆきへと向けられた。
おゆき「少々、その作戦の人員を変更して頂きたく思います。
火男さんの相手はこの私おゆきにやらせてもらえないでしょうか?」
驚く桃太郎達。
か弱い女性1人で足止め等危険すぎる。
それこそ婆さん相手におゆき1人なら可能かもしれないが火男は
危険すぎる。
桃太郎「おいおい! 相手は火を操るんだぞ?! おゆきだけでは
危険すぎる! 一休の言う通り俺達がやる! なぁ金太郎?!」
金太郎へと話を振るも金太郎はそうは思っていないみたいだ。
金太郎「おゆきがやれるって言うならやらせてみればいいじゃねぇか。なんだったらおゆきの控えに俺様も居てやるよ。
万が一おゆきがやられてもお前らの邪魔はさせねぇからよ」
驚きの発言である。
てっきり金太郎はおゆきを好きなんだと思っていた。
しかし、今の発言はやりたきゃやらせて殺られればそれまで。
とでも言っているようなものだ。
それには桃太郎達も反論するがそこで、おゆきが再び口を開く。
おゆき「皆様、お忘れかもしれませんが私は『雪女』でも
あるのですよ?『雪女と火男』どちらが強いか見せてあげましょう。」
そうだった。
この女は金太郎のただの恋人ではない。
雪女なのだ。
しかし、火と雪では明らかに火の方が強いように思える。
だが、おゆきは大丈夫との一言。
夜叉姫も何故かはわからないがおゆきに任せようと言う。
女同士の勘だろうか。
桃太郎達は渋々了承した為、火男の相手はおゆき、そして万が一に金太郎が控える事になった。
おゆきは最後まで何も心配要らないと強気の発言だ。
そんなこんなで食事を済ませると露天風呂へと向かう。
皆が気を使って桃太郎と夜叉姫に一番風呂を譲ってきた。
ここの温泉は混浴でいいらしく、2人で入る事にした。
湯船に浸かる桃太郎と夜叉姫。
夜叉姫「くぅーーー! 生き返るわねー! 久しぶりにゆっくりとお風呂を楽しめるわ♪」
桃太郎「確かにそうだな! 大判1枚は高かったが満天の星空の下の温泉は最高だな!」
2人は星空を見上げながら温泉を楽しむ。
すると夜叉姫が急に桃太郎の肩へと頭を預けた。
桃太郎「ど、どうした夜叉?!」
いきなりの事に驚く桃太郎。
夜叉姫「・・・・・・最近ずっとご無沙汰でしょ?・・・・・・2人きりなんだから愛して欲しいな・・・・・・」
体を覆い隠していたタオルを取り、露となる夜叉姫。
それを見た桃太郎は・・・・・・
桃太郎「ポッポーーーッ!!!!!!!!!」
桃太郎の顔は真っ赤である。
のぼせた訳では無い。
夜叉姫に興奮してだ。
桃太郎はそのまま夜叉姫を抱きしめる。
程よく火照った夜叉姫の体はとても美しく、スベスベだ。
お風呂で事を済ませてしまう事は、心の中でみんなに謝る事として
今は無我夢中で夜叉姫と愛し合う桃太郎であった。
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