いざ浦島 対 金太郎!!!
赤鹿と黒龍が激戦を繰り広げる中、浦島と金太郎も激しい戦いを行っていた。
互いに技を決めるも決め打つ事ができずにいる。
金太郎は力押しで攻めるも、浦島は金太郎の戦斧を上手く
いなし、受け流す。
それに対して、業を煮やす金太郎。
金太郎「てめぇ浦島! 男なら正面から打ち合え!!!」
浦島「これが僕の戦い方だからね。それに・・・・・・隙できたよ?」
浦島に流されてばかりの金太郎は怒りのあまり隙を作ってしまっていた。
しかし、そんなのはほんの1秒あたりだ。
だが、浦島はその隙を見逃さない。
金太郎の脛目掛けて峰打ちをかます浦島。
受け流すのはもちろん、力で勝てない為であるが、それとは別にもう1つの狙いがある。
それが平常心を煽る事だ。
何度も何度も敵の攻撃を受け流していれば敵はストレスが増し、隙を作ってしまう。
その為、先程も金太郎は怒りが爆発し、一瞬の隙を浦島に与えてしまったのだ。
金太郎「全然効かねぇな? そろそろ本気でいくか。
武心流 其ノ参 豪羅!!!」
金太郎のフルパワーである。
とうとう本気を出す金太郎。
今までも手を抜いていた訳では無いが、この技を使った時、
正真正銘金太郎の本気である。
そして、金太郎はこの技を使わないと浦島を倒せないと分かっていた。
その光景を見ていた浦島も闘気を練る。
浦島「その技は見たことないね。なら僕も本気を出そう。
海心流 其ノ伍 明鏡止海」
金太郎は不思議な感覚を覚えていた。
浦島目掛けて一直線に駆け抜ける。
拳を振り上げ浦島目掛けて振りかぶる。
だが、その全ての行動がスローモーションに見えたのだ。
まるで時が止まりかけているかのように。
対する浦島は全く動く気配は無い。
スローモーションどころではない。
完全に固まっている。
よく分からないが金太郎はチャンスと思い、そのままゆっくりではあるが浦島を殴りつける。
「ドゴォンッ!!!!!!!!!」
金太郎の攻撃は空を切り、そのまま地面に突き刺さる。
浦島が消えた。
そして、周りのスピードも元に戻った。
「ドゴッ!・・・・・・・・・ドゴゴゴゴゴゴッ!!!」
急に金太郎の体中に斬撃ならぬ打撃が飛んでくる。
あまりの連撃に膝を着く金太郎。
「海心流 其ノ弐 斬流波」
金太郎の後ろに立っていたのは浦島だった。
時が止まり、動いたと思ったら一気に浦島の斬撃が飛んできたのだ。
浦島「まさか、あそこまで金太郎が動けるとは思わなかったよ。
さすがだね」
ボロボロになる金太郎。
金太郎「ぐっ・・・・・・どこがさすがだよ・・・・・・ちっ!
その技、次回は破ってやるからな・・・・・・」
金太郎はそのまま倒れた。
倒れた金太郎を目視する浦島。
そんな浦島も最大の技に複数の技を更に使い、肩で息をしていた。
浦島「はぁ、はぁ、はぁ、・・・・・・こんなに喰らわせてやっと倒れるんだもん・・・・・・さすがだよ・・・・・・ぐっ」
浦島も技を連発し過ぎてその場に倒れてしまった。
もし、この技に金太郎が耐えて反撃をしてきたのなら浦島は
負けていただろう。
こうして浦島対金太郎の戦いは浦島に軍杯が上がった。
金太郎を止めたことにより、赤鹿の軍はそのまま黒龍軍を包囲しつつ殲滅していく。
時間とともに徐々に数を減らしていく黒龍軍。
浦島も少し休んだ後に起き上がる。
赤鹿の兵から水を貰い飲み干すと前へと進みでた。
倒れている金太郎はまだ起きる気配はない。
後はこのまま押し込み、赤鹿が黒龍を倒せば勝ちだ。
「ドゴォンッ!!!」
突如前線にいた赤鹿兵が数人まとめて吹き飛んだ。
何事かとその方を見るとそこに居たのはなんと・・・・・・
『気絶している赤鹿の頭を鷲掴みにして薙刀を振るう黒龍の姿が』
大将である赤鹿が敗北した。
赤鹿の無惨な姿を目にした兵達の士気は一気に地に落ちる。
先程まで防戦一方だった黒龍軍の反撃が始まった。
大将である黒龍を先頭に凄い勢いで包囲を崩す黒龍軍。
唯一浦島が布陣している場所だけは前線を維持していたが他は瓦解してしまった。
黒龍「ガッハッハッ!!! 全軍蹂躙せよッ!!! 鹿共を駆逐しろ!!!」
ここで黒龍の激励が入り更に猛攻をしかける黒龍軍。
さすがの浦島も危険な状況に冒されていた。
浦島「列を崩すなッ!!! 隙間をつくるな!!! 密集陣形!!!」
なんとか浦島が指揮を執るも他の場所が瓦解した今、風前の灯である。
この戦いは終わった。
そう思った時。
「ザシュッ!!!」
黒龍の頬が斬られた。
いきなりの事に思わず掴んでいた赤鹿の頭を離してしまう。
黒龍「・・・・・・てめぇ、まだ生きてやがったのか」
赤鹿はボロボロになりながらも黒龍の見据えていた。
赤鹿「はぁ、はぁ、桃月を・・・・・・そして僕の兵達を、
これ以上やらせはしない!!!」
先程までボロボロだった男とは思えない程の速度で黒龍へと
迫る赤鹿。
そして赤鹿は刀で連撃を繰り出す。
赤鹿の力で1度切ったくらいでは、薄皮を切る程度だ。
だから、何度も何度も斬り付ける。
黒龍の肉を、そして骨を斬るまで。
それには黒龍も反応ができず、腕をクロスさせ致命傷を避けるしかなかった。
あまりの赤鹿の気迫に飲まれているのだ。
そんな赤鹿の奮闘に、赤鹿の兵達はまた息を取り戻す。
更に浦島が赤鹿の代わりに指揮をとり、またしても赤鹿軍が反撃へと出たのだ。
だが、兵達がいくら勝とうが大将が殺られればお終いだ。
そんな中、赤鹿と黒龍は一騎討ちを繰り広げている。
攻めの手を緩めない赤鹿に防戦一方の黒龍。
とうとう黒龍が防備を辞め両手をおろした。
周りの兵達も歓声を上げる。
血だらけとなった黒龍は、最早倒れる寸前なんだと誰もが思う。
現に黒龍は防御をやめ、両手を下ろしてしまっている。
そして、赤鹿が刀を振り上げ黒龍の右肩目掛けて振り下ろす。
「ザシュッ!!!」
黒龍が斬られるのを見て赤鹿軍は皆が勝鬨を上げる。
勝負は終わった。
黒龍の勝利である。
赤鹿の振るった刀は黒龍を切り落とすことは叶わず肩に少し喰い込んだ所で止まっていたのだ。
黒龍「・・・・・・最後の攻撃は見事だった。愚弟というのは取り消そう。気絶してもなお攻める手を止めぬとはな。強くなったな弟よ」
その言葉と共に赤鹿は前に倒れ黒龍に抱えられた。
そして黒龍軍の歓声が上がる。
赤鹿軍はショックのあまり全員が膝を着いて泣いていた。
金太郎も先程起き上がり、何とも不満気な表情をしている。
戦が終わってすぐ、黒龍の元へ浦島が刀を手に持ち立ちはだかる。
浦島の目はまだ戦意を失っていない。
黒龍の兵士が槍で制止しようとするも黒龍が止めろと下がらせる。
浦島「弟を殺さないのかい?」
黒龍「あぁ、勝負を決した今、これ以上血を流す必要はあるまい。お前が居なければもっと楽に勝てただろう」
黒龍の言葉を聞き刀を鞘にしまう浦島。
浦島「なんでだろうね。なんだか赤鹿が前の僕にあまりにもそっくりでさ。思わず助けたくなったんだよね。ただの自己満足さ。」
そんな浦島に笑みを零す黒龍。
黒龍「良き友を見つけたな弟よ。赤鹿軍よ。お前達の主を城で
休ませてやるといい。」
そう言って黒龍は赤鹿を兵士に渡した。
黒龍はそのまま後方へ歩き金太郎と対峙する。
黒龍「兄弟、助かったぞ。お前が浦島とやらを弱らせて居なければ俺は殺られていただろう。礼を言うぜ兄弟」
金太郎「お礼を言われる筋合いはねぇぜ。俺は負けたんだからな・・・・・・だが次は負けねぇ! もっと特訓してまた帰ってくるぜ
兄弟!!!」
2人は握手を交しまた会う約束を交わした。
こうして赤鹿と黒龍の戦いは黒龍の勝利に終わるのであった。
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