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いざ雪女も一緒に!!!

翌朝


金太郎「・・・・・・」


おゆき「あぁ、金太郎様・・・・・・」


他のみんな「・・・・・・・・・・・・」


朝から金太郎の腕に絡みつくおゆき。

何故こんなにイチャイチャしているのか。

理由は簡単だ。昨日の金太郎の行為によるものだろう。


おゆきを好きにさせるほどの腕を持っていたのだ。

しかし、当の金太郎は理性を無くし獣化していた為か

記憶にはあまり残っていないようだ。




桃太郎(とりあえず大丈夫なのか? この女は雪女で間違いないはずだ。だが、証拠がない今、問い詰めるのは違うだろうな。しばらく様子見かな)


そう思っているとおゆきは金太郎に絡むのを辞め、急に正座し皆の顔を見た。


おゆき「皆様に一つ言わなければいけないことがあります。実は私は『雪女』なんです。雪を自在に出し、操り、相手を凍らせることもできます。黙っていてすみません。あなた達が邪な考えを持っていたなら氷漬けにしてやろうと思っておりました。ですが、邪な考えを持っていたのは・・・・・・私だったようです・・・・・・。金太郎様の虜になってしまいました。

金太郎様、そして皆様方、どうか私を金太郎様のお傍に置いてはくれないでしょうか? 金太郎様と離れると思うと胸が氷付きそうです。」


一寸法師「雪女だけにだな!」




「・・・・・・・・・・・・。」


まさか自ら正体を晒すとは思ってもいなかった為、面を食らった

桃太郎。

だが、逆に言えばここまで自分をさらけ出してくれたのだから

信頼は出来るだろう。

何より、金太郎にゾッコンなのだから裏切るわけが無い。


桃太郎や他の仲間達は了承する。

特に、夜叉姫は女が増えたことに喜んでいた。


そして金太郎はというと、


金太郎「べ、別にいいんじねぇか? おゆきも強そうだしな。

弱かったら連れていかなかったがな!」


満更でもなさそうだ。

それもそのはず。

何せ初めて金太郎は女の体を知ったのだ。

金太郎だって内心はおゆきに夢中のはず。


とにかく、協力な仲間を手にした事には間違いない。

おゆき、いや雪女は日本昔ばなしの中でも強い部類に入るはず。

何せ魔法・・が使えるんだから。

きっと助けになるはずだ。




おゆきが同行する事が決まり、皆で朝と同時に次なる目的地へと

歩を進める。





しばらく歩くと遠くの方に2つの城が見えてきた。

1つは黒を基調とした城。そしてもう1つは黒を基調とされた城だ。


おかしな光景である。

そんなに離れていないのに2つの城が目の前にある。


夕日も出てきた為、ここらで休息がてら情報を手に入れようと思ったがどちらに入ろか悩む。


時間もないため、効率よく二手に別れて探す事に決まった。


赤い城には桃太郎、浦島、夜叉姫が

黒い城には金太郎、一休、一寸法師、おゆきが行く事になった。


明日の夕方に城と城の間で落ち合い情報を照らし合わせる手筈となる。


7人はそれぞれ別れ城へと進む。




桃太郎「本当にそこら中、赤一色だな! 蟹江城みたいだ!」


門をくぐると城下町も赤を基調とされていた。

恐らく城主が赤を好きなのだろう。


夜叉姫「とりあえず今日は遅いしご飯食べて宿に行こうよ♪」


浦島「そうだね。先にご飯を済ませよう」


3人は料理屋に入り食事を済ませる。

流石にご飯までは赤くは無かった。



食事を終えて宿へ向かおうと思ったのだが、浦島は少し

酒屋で情報を聞きまわると言った。

桃太郎も手伝うと言ったが1人の方が動きやすいとのことで浦島に任せる事にする。


2人は宿へ向かい浦島は酒屋を目指す。


浦島が夜道を歩いていると「♪〜〜〜♪♪〜〜♪♪♪〜〜〜」


優しい笛の音色が聞こえてくる。

気になりその笛の音源目指して歩くと、橋の淵に座って横笛を吹いている人が居た。


その笛を吹くものは女と見間違える程の美青年であった。

浦島や桃太郎はカッコイイ部類に入るが、笛を吹くこの男は

なんというか中性的で美しい。


何より笛の音色がとても綺麗だ。

浦島はその音色に取り込まれ、思わずその場に留まり魅入ってしまう。




「おや?私の音色を聞いてくれたのかい?ありがとう」


浦島に気付いた笛吹青年は浦島に話しかける。

声までも美しい。


浦島「とても美しい音色だったよ。思わず魅入ってしまうほどに。僕の名前は浦島。これは美しい音色を聞かせてくれた御礼だよ」


そういうと浦島は青年に大判を渡す。

驚く青年だったが笑顔で受け取ってくれた。


「こんなに貰っていいのかい? ありがとう。私の名前は赤鹿と言います。浦島さんは旅で来たのかい?」


浦島「あぁ、実は彦星と織というものを探していてね。この名前に聞き覚えはないかい?」


浦島が彦星と織の名前を口にすると、赤鹿の眉がピクっと吊り上がった。

何か知っているようだ。




赤鹿「彦星という名は知らないが織という者なら知っているよ。

確か、かぐやという娘も連れていたね。織さんはよく覚えているよ。彼女の笛もとても美しかった。正に美を体現したかのような存在だったよ。あまり話はしなかったから何も情報はないけどね」


織とかぐや。間違いなく桃太郎の家族だ。

ただ彦星を知らないというのは気になる。

恐らくだが桃太郎達と同様に二手に別れたのかもしれない。


そもそも、何故この距離で城が2つもあるのか浦島は気になっていた。

その事を尋ねると赤鹿は直ぐに教えてくれた。


赤鹿「実はこの城は私の城なんだ。そして、向こうの黒い城は兄である黒龍の城だよ。今は対立してお互いの城を持つようになってしまったんだ。昔は仲が良かったんだけどね・・・・・・」


何やら深刻そうな話である。

城を分けてまで対立するということは余程の事があったのだろう。


浦島「何がきっかけでこうなったんだい?踏み入ってしまって申し訳ない。」


赤鹿「気にしないでくれ。浦島さん、私はあなたが気に入ったよ。対立の理由だが、僕と兄さん、2人が同じ女性を好きになってしまったんだ。この先の街にいる姫さんにね。兄さんはもちろん、僕も引けなかった。1度本気で惚れたら例え兄弟でも譲れないんだ。

だから戦いで決めることになったんだよ。浦島さんが来たのが今日で良かった。あと2日後に戦いが始まるからね。明日の内にここを離れて。少し長くなってしまったね。音色を聞いてくれてありがとう。おやすみ」




赤鹿は話終えるとその場を後にしてしまった。


浦島「なんだか放っておけないよね。それに彦星さん達がどちらへ進んだか聞くのも忘れた。この戦いに加勢して褒美に聞くとしようかな」


赤鹿のおかげで彦星達の話を聞けた為、酒場には行かず宿へ引き返す浦島。




浦島が赤鹿に加勢することにより桃太郎一行は対立することになるのであった。

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