いざ雪女!!!
3番勝負も終わってみれば桃太郎達の圧勝であった。
気絶から起き上がる3人。
なんとも歯がゆい表情である。
力太郎「き、金太郎様!!! お、俺らを弟子にしてくれ!!!」
御堂こ太郎「お願いします!!!」
石こ太郎「オラも!!!」
今目の前では金太郎に土下座する3人の姿があった。
先程の態度とはうってかわり、金太郎に対して従順な態度をとっている。
桃太郎と浦島にも負けたとはいえ、やはり力の強いものに憧れているのだろう。
金太郎「弟子なんかいらねぇ! てめぇらはてめぇらで特訓すりゃいいだろうが!」
金太郎が断っても何度も引き下がらない怪力三人衆。
そんな3人を見て浦島は思い付く。
浦島「ねぇ金太郎? 月の使者たちは数が多く強いらしいじゃん? それなら今は少しでも数がいた方がいいんじゃない?」
桃太郎達はそれを聞いて確かにと思う。
月の使者たちがどれ程の数が居るのか分からない今、
強い仲間は少しでも欲しい。
だが、金太郎は違った。
金太郎「だからこそだろうが。こんな弱い奴ら連れて行ったらすぐに死んじまう。予知夢では俺様が負けた彦星でさえ死んでたんだろ?コイツらなんか無駄に死ぬことになるだろうが」
珍しく正論を話す金太郎に皆が関心する。
浦島「確かにそうだね。彼等の命を無駄にすることも無い。やはり、僕達だけで行った方がいいね」
結局三人衆は連れて行かないことになった。
そして、三人衆は酷く落ち込んでいる。
それに見兼ねた金太郎は近付くと、
金太郎「もし、てめぇらがこれから力をつけ、俺達の仲間に相応しいと思ったその時は迎えに来てやる。だから、訓練を怠るんじゃねぇぞ!!!」
力太郎達は大きく頷く。
確かに彼等は産まれ持ってのその天性とも言える肉体に
かこつけて訓練などしてこなかった。
しかし、金太郎は違う。
日々特訓やら戦闘をこなし、今の体を身に付けた。
力太郎達はすぐ様特訓に取り組む。
そんな光景に金太郎は少し笑った。
結局力太郎達は彦星達の情報は持っていなかったが、
将来的に強力な仲間を見つけることは出来た。
しかし、思いもよらぬところで大きな情報を入手する。
金太郎の肩に乗っていた一寸法師が急に地面に降り立つと
地面の匂いを嗅ぎ出した。
一寸法師「おい皆! 彦星の匂いがするぞ! このまま北に向かっている!!! どうやら数ヶ月前にここを歩いている!!!」
桃太郎「本当かッ?!!!」
一寸法師の追跡能力のおかげで進むべき道は開かれる。
一行は北へと歩を進める。
桃太郎「うわぁ・・・・・・なんか寒いと思ったがマジかよ・・・」
夜叉姫「うぅ・・・・・・旦那様・・・・・・温めてー」
浦島「でも綺麗だね」
金太郎「だらしねぇ野郎共だぜっ!」
一休「まさか雪が降っているとは・・・・・・まだ9月だというのに・・・・・・これは一体・・・・・・」
そう。しばらく歩いていると急に雪景色へと変わっていた。
まだ冬でもないのにだ。
桃太郎「おいおい。この辺に村や街はないのか?!」
浦島「一寸法師の鼻で街の匂いを辿れないのかい?」
金太郎の肩に乗る一寸法師。
しかし、雪のせいか匂いが分からないとのこと。
夜叉姫「待って! アソコに一軒小屋が建ってるわよ!」
夜叉姫の指さす方に目を凝らすと、確かに家が建っている。
それに、どうやら中には人が居るようだ。
皆でその家に向かい歩くと普通の木の家であった。
中には明かりが灯され、人が住んでる模様。
桃太郎が扉をノックする。
そして、扉から出てきたのはなんと絶世の美女であった。
肌は白く、長い黒髪は煌めき、着物がとても似合う
The日本美女といった感じであった。
桃太郎はあまりの美しさに頬を赤らめていると
隣の夜叉姫に足を思い切り踏まれた。
桃太郎「ぎゃあッ!!! な、何すんだよ夜叉!!!」
夜叉姫「旦那様が見惚れるからでしょッ!!! それよりもほら!」
2人の光景にキョトンとしている白い女性。
桃太郎「あっ! すまん! 実は旅をしているんだがこの
吹雪に見舞われてな。すまないが止むまで家の中で休ませてはもらえないだろうか? 金も払うからさ!」
白い女性「それはそれは、大変でしたね。何も無い家ですがどうぞ休まれてください。」
透き通る美しい声。
全てがパーフェクトな女性である。
だが、桃太郎は何かが引っかかっていた。
部屋に入ると桃太郎達は自己紹介をする。
そして、白い女性の番になると
おゆき「私の名前はおゆきと申します。今はこの家で一人暮らしをしています。何も無いですが、雪が止むまでゆっくりしていってくださいね。」
夜叉姫「本当にありがとう! あのままだと凍死する所だったわ!」
金太郎「確かに外で寝るのはきついな!」
一寸法師「寒すぎる・・・・・・この小さい体には堪えるなぁ。ありがとうおゆきさん」
一休「本当に助かりました。おゆきさんありがとうございます。」
浦島「でも、こんなに綺麗な人が一人で居るのも危ないね
桃太郎」
皆が御礼を言う。
しかし、桃太郎だけは違った。
寒いというのに汗が頬をつたう。
そして、それは冷や汗へと変わる。
浦島の問に答えず神妙な面持ちでおゆきをみる桃太郎。
不思議に思った夜叉姫が桃太郎を揺する。
夜叉姫「ねぇ桃太郎! 聞いてるの? 怖い顔してどうしちゃったのよ!」
夜叉姫に話しかけられやっと冷静になる。
桃太郎「あっ、すまん。あまりの寒さとあまりの美しさに
見惚れちまった!はっはっはっ!!!」
また馬鹿な事を言ってると夜叉姫は頭を叩く。
皆でワイワイ談笑を始めた。
桃太郎(コイツ知ってるぞ・・・・・・おゆき。
またの名を『雪女』)
またしても有名どころがでてきた。
そして、かなり危険な人物が。
これから桃太郎の危惧していた事が起ころうとしていたのだった。
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