いざ真実を!!!
一寸法師の口から出る、彦星と織の名前
桃太郎「おい!!! その2人が俺の探している両親だ!!!!!!」
桃太郎の言葉にそれ以上に驚く一寸法師
一寸法師「な、な、なんだとッ?!!!!!!!!」
一休「いやはや、まさかここで新たな情報を手にするとは、これもまた私達が出会ったのは運命かもしれませんね」
夜叉姫「運命だなんて素敵ね♪」
金太郎「へっ!!! たまたまだろ!!!」
浦島「それで桃太郎の両親とはいつ会ったんだい?」
浦島の質問に皆が一寸法師に耳を傾ける。
一寸法師「確か3年ほど前だったかな? 何やら2人は可愛い娘を連れていたぞ?」
桃太郎「娘?」
夜叉姫「どこかで拾ったのかしら?」
さり気なく話した一寸法師の一言は、桃太郎達が初めて
耳にする情報だった。
どうして2人が女の子を連れて居たのか分からないが
一休だけは神妙な面持ちをしていた。
そして一休は一寸法師に口を開く。
一休「どうやら貴方は口が軽いようですね・・・・・・」
一休は何かを知っている。
桃太郎はすぐに気付いた。
桃太郎「おい一休!!! お前何を隠していた!!! 知ってるなら全部教えてくれ!!!」
一休「ここまで来たら言わない訳にもいきません。
両親が何を目的とし旅をしているのか。その目的を」
黙っていた一休に怒る気持ちを抑え、両親の意味に耳を傾ける。
一休「どうやら桃太郎殿、貴方には1人の姉が居るようです。名を『かぐや』。貴方の両親に聞いたところ、母親である織殿は予知夢を見るらしく、その予知夢によるとかぐや殿が15の歳に月より迎えが来るそうです。」
桃太郎(月にかぐやって・・・・・・かぐや姫だよな?!!! かぐや姫が俺の姉貴?!!!! なんで両親はその事を黙っていたんだ?)
桃太郎は不思議であった。
姉がいるならいるで何故、隠す必要があるのか。
その答えはどうやら一休が知っているようだった。
桃太郎「それで、なんで姉が居ることを隠す必要があった?」
夜叉姫「確かに、お爺様もお祖母様も教えてくれなかったわね」
浦島「何か言えない理由があったんじゃないかい?」
一休「さすがは浦島殿、鋭いですね。言わなかったんじゃなくて言えなかったのです。貴方の姉であるかぐや殿は何故か
月の者達に攫われてしまいます。理由がわからない以上、
弟である貴方の存在も隠す必要がありました。そのため、
産まれて間もないあなたを残し、彦星殿と織殿はあの家を
出たのです。」
桃太郎「なるほどな・・・・・・それはわかったが2人の目的はなんなんだ?」
一休「それは月の者の情報とかぐや殿を逃がす為です。」
ようやく両親の目的を全て知ることが出来た。
つまり、かぐやを月のものから守る為に逃げ回っていて
更に月の者の情報を探すべく旅をしている。
更に、桃太郎から距離をとるためである。
そこで、桃太郎には一休の話の中で一つの疑問が生まれた。
桃太郎「なぁ一休。俺の姉貴は15の歳に攫われるんだよな? 姉貴は俺の3個上って事がわかった。俺は今18だぞ?
って事は姉貴は今21の歳だよな? もう連れ去られちまったのか?」
桃太郎の言う通り、15の歳に連れ去られたとするならもう
この地には居ないことになる。
それでも両親が戻ってこないのはどういう事だと疑問に思っていた。
一休「実は私はもう一つ嘘をついていました。15の歳まで
かぐや殿は私のお寺で保護していたのです。そして、かぐや殿が15になり、とある満月の夜。彼等は来ました。
その時は偵察程度だったのでしょう。数は少なく彦星殿と
織殿の2人で何とか撃退する事ができました。しかし、その夜に織殿はまたしても、予知夢を見たのです。7年と7ヶ月後に今度は大勢の月の者達がかぐやを連れ去ろうとしてくると。その夢では私の寺は全焼し、私含め彦星殿と織殿も死んでいたそうです。その為、ここに居ても私達に迷惑がかかるとの事で新たな旅に3人は出たのです。これが貴方の両親が隠した全ての全容です」
あまりにも多い情報に桃太郎は理解が追いつかない。
それは他の者たちも同じだった。
今の話が本当なら桃太郎の両親は殺される。例えどこにいようと。
なら急いで両親に合流しなくてはならない。
だが、皆を連れていくとなると皆にも危険が迫る事になる。
桃太郎はよく考えた後に決心する。
桃太郎「皆、聞いてくれ・・・・・・ここからは俺一人で行く。これ以上、俺の都合で皆を連れていく訳には行かない。お袋の見た予知夢によると親父もお袋も殺されるみたいだ。金太郎を軽々ノシた親父が殺されるくらいだ。月の使者とかいう者達は相当強いはずだ。お前達がわざわざ危険を犯す必要は無い。だから俺一人で行く。今までありがとな!
また戻ってこれたら皆で酒でも呑もうぜ!!!」
桃太郎は別れの挨拶を述べた。
誰も求めていないのに、だ。
夜叉姫「何勝手に話進めてるのよ旦那様!!! 妻とは旦那様を支えるもの。私は付いて行くわよ!!!」
浦島「僕も付いて行くよ?なんだか、僕の運命は君の両親に会えば決まるようなんだ。僕のは直感だけどね!だから、僕は僕の為に君の両親を探しに行くよ」
金太郎「誰が軽々ノサれただと?! それは俺がまだ小さい時だぞ?!!! お前の親父に復習する前に、その月の使者とやらもまとめてぶっ殺してやるぜ!!!」
一寸法師「俺の追跡能力なしで探せるのか? 今度は俺が
桃太郎、お前を助けてやる!」
一休「貴方に真実を伝えた責任もあります。私も共に参りましょう。ただし、死にに行くつもりは毛頭ありませんので」
結局今まで通り皆も付いてくることになった。
内心では桃太郎も嬉しかった。だが、不安なのは変わりない。ならどうするか・・・・・・
桃太郎「わかった。お前達の事は俺が必ず守る!!! 悪ぃが
また両親と姉貴探すの手伝ってくれ!!!」
こうして桃太郎一行は再度旅に出るのであった。
〜とある地にて〜
「織、かぐや、大丈夫か?」
「えぇ、私は大丈夫です。かぐやは?」
「私も大丈夫ですよお母様。 桃太郎は無事でしょうか」
「なーに、俺の息子ならきっと強い筈。心配するな。」
「そうですね。あの子なら私の夢にも出てこないし大丈夫ですよ。今は一刻も早く月の情報を手に入れないといけません」
「お父様、お母様、すみません」
「何を言っている。お前が謝ることではないぞ。必ずまた
みんなで暮らす。いいな?」
頷く織とかぐや。
彦星達はいつか平和に暮らせる事を夢見て旅を続けるのであった。
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