いざ一寸法師と共に!!!
「パチンッ!!!」
春姫は夜叉姫に頬をぶたれていた。
春姫は涙目になりながら自分の頬を抑える。
春姫「痛い・・・・・・あなた・・・・・・ぶったわね!!! 何するのよ!!!」
「パチンッ!!!」
夜叉姫は立て続けにぶった。
桃太郎「おい夜叉・・・・・・その辺にしておけよ?なっ?」
そんな光景を見ていた桃太郎は恐る恐る止めようとする。
夜叉姫「あんたね!!! 兵士達はあんたを守ろうとして何人も死んだのよ?!!! それなのに守ってくれなくて謝って欲しいですって?!!! 寝ぼけた事言ってんじゃないわよ!!!!!!!!!」
春姫「ヒィッ!!!」
夜叉姫の気迫に押され怯える春姫。
夜叉姫「叩かれて痛いからなんだって言うのよ!!! 痛いって事は生きてるってことでしょ!!! 痛みを感じるだけマシでしょうが!!!
それに、一寸法師に対してもそう! 彼はアンタみたいなバカ姫を助ける為に、見ず知らずの私達に助けを乞うてたのよ?! それに彼が居なかったら今頃、アンタは鬼の腹の中よ!!! その事がわかってるの?バカ姫!!!!!!」
桃太郎「もうやめておけ夜叉姫。何を言っても無駄だ。こんなやつ」
桃太郎も夜叉姫同様、春姫には怒っていた。
しかし、時間の無駄だと感じ夜叉姫を止めるのだった。
浦島「ねぇ、この女殺しちゃえばいいんじゃない? 切り刻んで鬼の腹に入れれば鬼のせいにできるでしょ?」
浦島が恐ろしい提案を申し出た。
そして金太郎もその案に悪ノリする。
金太郎「ぶっは!!! 本当にえげつねぇな!!! こんな細女、俺が簡単に引きちぎっちまうぞ?」
恐怖のあまりとうとう失禁してしまう春姫。
一休「皆さん、そろそろ虐めるのはやめましょう。もうここにいる意味もありません。次なる場所へ参りましょう」
桃太郎「それもそうだな。おい一寸法師。お前はどうするんだ?」
急に話を振られた一寸法師。
驚き桃太郎を見る。
一寸法師「えっ? ・・・・・・どうするって何が?」
桃太郎「お前はこれからどうするんだ?」
一寸法師「俺は・・・・・・どうすればいいんだろう・・・・・」
一寸法師は困っていた。
姫を助け、姫と共に暮らす。
それが一寸法師の願いだった。
しかし、それも叶わない。
目的を失ってしまった一寸法師は途方に暮れる事になる。
桃太郎「それなら俺達と一緒に旅に出るか?
俺の両親を探す旅だから、お前には関係ないけど外の
世界を見て回ればお前のやりたい事も見つかるかもしれないだろ?」
一寸法師は考えた。
いや、桃太郎の言葉で答えはすぐに決まった。
一寸法師「行くよ! 俺も一緒に連れてってくれ!!!
もっと世界を見たい!!! この目で世界を見て回りたいんだ!!!」
決意した一寸法師。
皆も一寸法師を連れて行くことに賛同してくれた。
てっきり、金太郎は嫌がると思ったが、あの光景を
目の当たりにして、多少一寸法師への同情があったのだろう。
金太郎「ちんたら歩いていやがると置いていくからな!!!」
浦島「なら金太郎の肩に乗せてもらえばいいんじゃないかな?」
一寸法師「おぉ!それはいいな! お主はデカいから見晴らしが良さそうだ!!!」
金太郎「おい! なに勝手に決めてやがる!!! っておい!
勝手に登ってんじゃねぇぞ!!!」
一寸法師は金太郎に無許可で体をよじ登り、肩に立った。
一休「では準備出来ましたね。この姫さんですがこのまま放置する訳にもいきませんね。いちを街へ連れていきますか」
桃太郎「しゃあねぇな、ほら姫さん。立ちな。歩けるだろ」
春姫は余程応えたのか、ずっと泣きじゃくっていた。
お股も濡らしながら・・・・・・
春姫「ひっく・・・・・・わ、わかってるわよ・・・・・・あ、歩けばいいんでしょ!」
春姫は自分で立ち上がり、そして歩いた。
ようやく姫を救い、街へと着くと春姫の父親が飛び出してきた。
何度も御礼を言われる桃太郎達。
てっきり春姫は洞窟での出来事を父親に告げ口するもんだと思っていたが杞憂だったようだ。
むしろちゃんと桃太郎達に御礼を言ってきた。
更に春姫の父親から沢山の金貨も貰った。
桃太郎「こんなにありがとな! それと春姫! 周りの者を大切にな?」
春姫「・・・・・・わかってるわよ・・・・・・一寸法師!」
春姫は急に一寸法師を呼ぶ。
金太郎の肩に乗る一寸法師は振り返る。
春姫「あの・・・・・・その・・・・・・ありがとう、助けてくれてありがとう!!!」
その言葉に一寸法師は返事はしないが笑顔で応える。
前を向くととても嬉しそうな顔をしていた。
金太郎「へっ、何にやけてやがる!マセガキが」
一寸法師「な、何を?!!!」
桃太郎「まぁまぁ、良かったじゃねぇか!!!」
こうして一行は次なる場所へ歩を進める。
桃太郎「なぁ一寸法師、何かやりたい事とかないのか?」
突然の桃太郎の言葉に考える一寸法師。
初めて街から出るため、やりたい事は沢山あるハズだが
すぐには思いつかなかった。
一寸法師「んー・・・・・・あっ! そういえば何年か前に
この先に雪の降る街があるって聞いたな!その雪が見てみたい!」
一休「ほう?雪ですか」
夜叉姫「雪なんて寒いだけていい事ないわよ」
桃太郎「雪か・・・・・・この国にも降るんだな」
一寸法師「あぁ!雪降る街にその者も行くって言ってたんだ!もしかしたら会えるかもしれない!
元気かなー『彦星殿と織殿』は!」
全員「ッ?!!!!!!!!」
両親の名前の登場に驚く一行。
まさかの一寸法師が手掛かりを持っていたのだ。
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