いざ窮地に一生を得る!!!
一寸法師の名乗りによって鬼に気付かれる一寸法師。
急いで桃太郎が駆け付けるも間に合わなかった。
なんと一寸法師は一瞬のうちに、鬼に食べられてしまったのだ。
それを遠くから見ていた夜叉姫と一休は唖然としている。
夜叉姫「嘘・・・・・・食べられちゃった・・・・・・」
一休「・・・・・・その様ですね。」
桃太郎「まじかよ・・・・・・アイツってこんな呆気なく死ぬの?」
鬼「小さすぎて食った気がしねぇな」
しかし、鬼が一寸法師に構っているうちに金太郎達が姫を既に救い出していた。
春姫「うぇーーーん! 怖かったよー! 早くここから逃げてよ!」
浦島に抱かれた姫は泣いていた。
金太郎はうるせえなぁと思いつつも桃太郎に合図する。
金太郎「おい! 桃太郎! この女は助けたぞ!」
金太郎の言葉に頷く桃太郎。
桃太郎「よし、それじゃあ俺も仕事を終わらせるとするか! 行くぞ! デカ鬼!!!」
桃太郎は刀を鞘に入れたまま鬼に向かい走り抜ける。
当然鬼も接近を許すはずが無く、その巨腕を桃太郎目掛けて振り抜く。
その拳が桃太郎の顔面を捉えようとしたその時、
桃太郎「桃心流 其ノ弐 静流桃」
桃太郎は鞘から刀を抜き、鬼の拳を受け流し、そのまま流れるように鬼の首を斬り裂いた。
あまりにも静かに流れるようなその斬撃は、鬼も何を
されたか気付かないまま死んだ。
そして鞘に刀をしまい「終了!」と答える桃太郎。
浦島「本当に君の力は底が見えないよ」
金太郎「いつがぶっ倒してやるぜ!」
夜叉姫「さすがは私のダーリンね♪」
一休「最早、桃太郎殿の前では作戦など意味を成さないかもしれませんね」
桃太郎達は姫を助け、鬼を殺した為その場を後にする。
一寸法師という尊い犠牲を払ってしまったが、それは
しょうがない。
姫が催促するため、その洞窟を後にしようとしたその時
「おーーーい!!! 俺を忘れるな!!!」
なんと鬼の死体から一寸法師が出てきたのだ。
一寸法師は生きていた。
桃太郎「お前!!! 生きてたのか?!!!」
一休「小さい体が功を奏したようですね」
一寸法師「あぁ! やつの腹で我が刀を振り回してやったわ! 俺のおかげでどうやら鬼は死んだようだな!ハッハッハッ!!!」
一寸法師は自分の力で鬼を倒したと勘違いしているが
本当は桃太郎の力である。
なんなら、一寸法師の攻撃など、鬼は微塵も感じていなかった。
だが、それを一寸法師に伝えるのはやぶさかではない。
一寸法師は喜び姫の元へ訪れた。
一寸法師「春姫!!! よくぞご無事で!!! 俺の勇姿はご覧になられましたか?」
一寸法師は春姫に嬉しそうにそう話す。
それに対して春姫はニコッと微笑むと
春姫「全くッ!!! そもそも、貴方はただ食べられただけでしょ? 鬼を退治してくれたのはそこの侍様の力よ!
貴方はいつもいつも付き纏ってきてウンザリなのよ!
今回、貴方に助けて貰ったなんて1ミリも思っていないわ!!!」
先程まで笑顔だった一寸法師は固まってしまった。
桃太郎「おいおい、言い過ぎだろ・・・・・・それにソイツの能力のおかげでここまで来れたんだぞ?感謝の一言くらい言ってやってもいいんじゃないか?」
さすがに一寸法師が可哀想になってきた為、桃太郎は擁護する。しかし、春姫の言葉攻めはこれでは終わらなかった。
春姫「何が感謝よ! そもそも姫である私を守るのが街に住む人間の務めでしょ? あなた達が私を守れなかったから
こんな目にあったんじゃない!!! むしほ謝ってほしいくらいよ!!!」
桃太郎「なっ?!!!」
金太郎「おいおい、とんだじゃじゃ馬娘だな」
その時だった、
「ドスンッ!!!」
春姫「痛ッ!!!!!! ちょっと!!! 何で落とすのよ!!! 私は姫よ!!!」
浦島は抱いていた姫をその場に落としてしまったのだ。
いや、わざと落としたのだ。
浦島「僕は囚われの姫を助ける為にきた。そして、
一寸法師が頼むから助けに来たんだ。最早、君は開放されたんだ。僕の役目は終わり。自分の足で歩くんだね。」
春姫「何よ貴方ッ!!! 姫である私にそんな冒涜許されないわ!!! 」
浦島「はいはい。ねぇ桃太郎、助けに来るのが少し早かったみたいだね。」
浦島が言いたい事を理解した桃太郎。
つまり、食べられてから来ればよかった。
そう思っていたのだろう。
桃太郎「あはは・・・・・・エグイな浦島」
金太郎「ガッハッハッ!!!!!! 確かに食われても腹から出せば助けた事になるんじゃねぇのか?」
浦島の言葉に金太郎が物騒な言葉を付け足す。
そんな言葉を聞いていた春姫は顔を真っ赤にして怒っていた。
春姫「あ、あなた達!!! 私を侮辱するのもいい加減にしなさい!!! 帰ったら打首にするわよ!!!!!!」
春姫のあまりにも常軌を逸した発言に言葉を失う皆。
そんな中一人春姫へ歩き寄る者がいた。
桃太郎「夜叉?」
静かに怒る夜叉姫。
その目には春姫を見据えているのであった。
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