いざ一寸法師!!!
桃太郎達は一寸法師を囲むように座り、一寸法師から
詳しい内容を聞いていた。
桃太郎「つまり、この街にでかい鬼がやって来てお前が留守の間に姫様が連れ去られたって事か」
一寸法師の話を簡潔にするとこうなった。
一寸法師「その通りだ!私が居ればこの様な事にはならなかったものを・・・・・・」
激しく後悔する一寸法師。
自分が留守にしてる間に鬼に大切な姫様が連れ去られてしまったのだ。
しかし、金太郎が辛辣な一言を放ってしまう。
金太郎「おめぇみてぇなちっこいのが居たところで何も変わらねぇだろ? むしろ居なかったおかげで潰されずに済んだんじゃねぇのか?」
桃太郎達は空いた口が塞がらない。
確かに、皆が思っていたことだか、せめてもう少し
オブラートに包んで話してくれ。
皆がそう思った。
一寸法師「な、何を言うか!!! 俺は強いんだぞ!!! 小さいものには小さいなりの戦い方があるのだ!!! 」
反論する一寸法師。
しかし、金太郎は嘲笑う。
金太郎「はん!!! なら今ここでやるかちっこいの!」
一寸法師「望むところだ!!! 痛い目にあっても知らぬぞ!!!」
夜叉姫「やめなさい金太郎!!! それにあなたも!!!」
夜叉姫が止めに入る。
指で一寸法師の襟を摘む。
一寸法師は宙ぶらりん状態だ。
一寸法師「えぇい!離さぬか!!!」
金太郎「ガッハッハッ!!! 女に手も足も出てねぇじゃねぇか!!!」
一寸法師は暴れ回るも夜叉姫に捕まり、文字通り手も足も出なかった。
夜叉姫「私達も協力するから一緒に姫様を救いに行こう?
ねっ?」
一寸法師「真か?・・・・・・助かる! 今すぐ行こう!!!」
夜叉姫は頷くと桃太郎の顔を見る。
桃太郎「んあ? 別にいいけど場所はわかるのか?」
一寸法師「俺は地面に近い分、足跡が良く見える! それに臭いだってよくわかる! 追跡なら得意分野だ!」
桃太郎「おぉ!!! お前すげぇんだな!!!」
一寸法師「では付いてきてくれ!!!」
そう言うと一寸法師はそそくさと走り出し、桃太郎達も
ついて行った。
森を抜け、目の前には大きな岩壁があり一寸法師が指を刺すとそこには洞窟がある。
一寸法師「あの中だ!!! あの中から鬼と姫の匂いがする!
それに・・・・・・」
浦島「死臭が酷いね」
金太郎「数人じゃあ、こんな臭いにはならねぇぞ」
一休「何十人と殺られているのかもしれませんね。」
桃太郎「とにかく中に入ってさっさと姫さんを助けるか」
一寸法師「まずは俺が見てくる! 俺は小さいから鬼にバレる事は無い!」
一休「確かにまずは、中の状況を確認した方が作戦も
立てやすいですね。お願いします一寸法師殿」
桃太郎「無茶するんじゃないぞ!」
一寸法師「わかっている!また直ぐに戻ってくる!」
そうして一寸法師が中に入って、凡そ10分程立った時
一寸法師は引き返してきた。
桃太郎「どうだった?!」
一寸法師「姫はまだ生きている!!! 檻の中にいれられていた!!! 鬼は鍋をグツグツと煮込んでおったぞ! 早く行かないと姫が食べられる!!!」
一休「お待ちを!!! 地形はどうでしたか?」
一寸法師「真っ直ぐの道に奥が広まっているだけだ!」
桃太郎「今回は一休の出番は無さそうだな!今回は俺の力
の出番だ!」
金太郎「なに?! 俺に殺らせろッ!!!」
金太郎はここ最近強い相手と戦う機会がなく、手持ち無沙汰になっていた。
鬼ならちょうどいい。そう思って、戦うのをワクワクしていたのだ。
桃太郎「んじゃあ順番な! 今回は俺、次が金太郎、その次が浦島だ!」
金太郎「ちぇっ、次が雑魚相手だったら許さねぇぞ!」
浦島「その時は僕が変わってあげるよ」
渋々了承した金太郎。
桃太郎達は一寸法師の案内の元、鬼の見える所までやってきた。
桃太郎「確かにデケェわ・・・・・・」
金太郎「くそが・・・・・・不甲斐ない戦いしやがったらすぐに代わってもらうからな!」
浦島「多分金太郎の出番は無さそうだよ」
一休「そうですね、そして私の作戦という作戦もやはり必要無さそうです。いちを簡単な作戦を立てると桃太郎殿が戦いを始めたら、金太郎殿はあの檻を壊してくれますか? 浦島殿はあの人の救助を。夜叉姫殿と一寸法師殿は私と見て待っていましょう」
皆が頷くが一寸法師だけは違った。
一寸法師「何を言うか! 俺があの鬼を退治してみせるぞ!!!」
皆が反論する。
金太郎「おめぇさっきその女に摘まれて手も足も出なかっただろうが! 大人しくしてやがれ!」
浦島「悪いけど金太郎の言う通りだよ。君の出る幕ではない。」
桃太郎「悪ぃな一寸法師。鬼は必ず俺が退治する。だから
お前は早く姫さんの元へ行ってあげろ」
一寸法師は俯いた。
わかってくれた。
皆がそう思った瞬間、一寸法師は凄い速さで鬼に向かい
駆けて行く。
桃太郎「おい!!!」
金太郎「あんの馬鹿ッ!!!」
一休「皆さん行動を始めてください!!!」
一寸法師のせいで狂ってしまったが桃太郎は鬼へ
そして、浦島と金太郎は姫のいる檻へ向かう。
この騒ぎに気付いた鬼は後ろを振り向く。
鬼ヶ島で見たような顔つきだが、身長が全然違った。
桃太郎の3倍はありそうなその高さ。
だが、唯一の救いはその大きさ故に、足元はあまり見えていない。
つまり、一寸法師が気付かれる心配はなさそうであった。
ひとまずホッとする桃太郎・・・・・・だったが!
一寸法師はあろう事か、自ら名乗り出たのだ。
一寸法師「やい!!! 図体ばかりデカい鬼!!! 俺は一寸法師!
姫様は返してもらうぞ!!!」
鬼「あぁ? なんかちっこいのが叫んでるなぁ? お前も食ってやろう」
桃太郎「・・・・・・アイツ!・・・・・・頭悪すぎて泣けてくるぞ・・・・・・」
こうして奇襲作戦は一寸法師のせいで失敗に終わったのだった。
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