いざ犬を!!!
幸太郎はおじいちゃんに教えてもらった道をひたすら歩いていた。
幸太郎「んー、このまま歩いていれば勝手に犬やら猿やらキジは現れてくれるのかな?!」
いつどのタイミングで会えるのかは分からず、心配になりながらも歩き続ける幸太郎。
幸太郎「しかし、世界一美味い、きび団子と聞いたら食べてみたくなってきたな・・・・・・沢山あるし、1つ味見してみるか!!!」
幸太郎は立ち止まり、小袋の中から1つ、きび団子を取り出した。
幸太郎(な、なんてモチモチしているんだ!!! 柔らかいのにこの弾力!!! そしてこの甘い香り!!!)
匂いを嗅いだだけで涎が止まらなかった。
そしていざ、食べようとしたその瞬間
森から犬が現れた。
犬「う゛ーーーッ!!!」
幸太郎(犬が本当に現れた!!!)
突然現れた事への驚きよりも喜びが勝っていた。
しかし犬の様子が変である。
幸太郎(あれ?・・・・・・なんか威嚇してないか?!・・・・・・ってか
でかくね?! これって犬って言うよりは・・・・・・)
目の前に居たのは体長5mはありそうな巨大な狼であった。
思っていた犬とは違い、少し考える幸太郎。
幸太郎(・・・・・・なるほどな。この世界の犬はこれが犬なんだな!!!)
あまりにも見当違いな答えを持つ幸太郎。
この狼はここら一帯を縄張りとしているボス狼であった。
幸太郎(なるほどな。コイツは腹を空かせて怒っているんだ。だから匂いに釣られて出てきたんだな。よしっ!!!)
幸太郎が話しかけようとすると、犬元い狼が話しかけてきた。
狼「おい人間よ、食わせろ(お前を)!」
幸太郎「ふむ。そんなに腹が減っているのか! 良いだろ
(きび団子を)!」
そう言ってきび団子を狼の口に放り投げた。
狼は不意にそれを口の中に入れてしまい噛んだ。
すると・・・・・・
狼「ぺっ!!!お前何しやがる!!! こんな不味いもん口に入れやがって!!!」
幸太郎「・・・・・・・・・・・・。」
幸太郎は震えていた。
それは恐怖ではなく怒りだった。
幸太郎「てめぇ・・・・・・よくもばあちゃんが作ってくれたきび団子を・・・・・・・・・・・・一生懸命作ってくれたきび団子を・・・・・・吐き出してんじゃねぇぞ駄犬がァッ!!!!!!」
幸太郎は狼の元へ一瞬で駆け寄り、思い切り顔面目掛けて拳を振るう。
狼はあまりの速さに反応出来ず、そのまま吹き飛ばされ、
何本もの木々を薙ぎ倒し、そして岩にぶつかりようやく止まった。
狼「うっ・・・・・・うぅ・・・・・・ば、化け物め・・・・・・あんなの勝てねぇ、」
狼は一撃で戦意喪失してしまった。
幸太郎はまだ息があると確認しトドメを刺しに歩み寄る。
幸太郎「てめぇは許さねぇ。ばあちゃんのきび団子を・・・・・・ばあちゃんのきび団子を・・・・・・」
幸太郎は何かに取り憑かれたかのように言葉を繰り返し殺意を放って狼に近付く。
狼(し、死ぬッ!!!!!!)
マズいと思った狼がとった行動は
幸太郎「何やってんだてめぇは」
仰向けに寝そべって腹を見せ「くぅーーーん」と鳴いた。
狼「す、すんませんでした!!! 今すぐあのきび団子を食べてきますのでお許しください!!!」
服従のポーズであった。
きび団子を食べると言う発言で幸太郎も許す事にした。
幸太郎「吐き出した分全部食えよ!!!」
狼「は、はいッ!!!」
狼は急いで吐き出したきび団子を食べに行った。
丸呑みにして食べると幸太郎は笑顔になっている。
幸太郎「なんだよ食えるんじゃねぇか。最初から食べておけば良かったんだよ! なっ?!」
目が笑っていない笑顔でそう話す幸太郎に狼は恐怖していた。
狼「い、いや、そ、それが、俺は普段肉しか食べなくて・・・・・・」
幸太郎「ん?それで?」
尚も笑顔で聞いてくる幸太郎。
狼「いや、だからその・・・・・・」
幸太郎「うん、どうした?」
狼「・・・・・・きび団子、すげー美味かったです・・・・・・」
幸太郎「そうだろそうだろ! ばあちゃんのきび団子は世界一だからな! アッハッハッハッハッ!!!」
自慢げに声高らかに笑う幸太郎。
幸太郎「よし!!! これから鬼退治に向かう! お前も手伝ってくれ!」
いきなりの要望に戸惑う狼。
狼(断ったら絶対に殴られる・・・・・・鬼とこの人間なら・・・・・・鬼を相手にした方が全然マシだな)
思考の末、天秤にかけ幸太郎に付いた方がマシだとわかりついて行くことを決める。
狼「わ、分かりましたぜご主人! お供させて頂きます!!!」
こうして幸太郎はまず最初に仲間にする犬(狼)を仲間にする事が出来た。
幸太郎「よし!!! 犬は仲間にした。次に出てくるとしたら猿だな!!! なぁ!ワンコ!!! お前って名前あるのか?」
名前が無くては呼ぶのに不便だと感じた幸太郎は狼に聞いてみた。
狼「いえ、俺に名前はありません!!! それと・・・・・・狼なんですけど・・・・・・」
小さな声で狼だと伝えるも幸太郎の耳には届いていなかった。
幸太郎(ふむふむ。名前無しか、どんな名前がいいかな・・・・・・)
幸太郎「よしっ!!! お前の名前はドクだ!!! 犬を英語にしてドッグ。そこから取ってドクだ!!!」
ドク「あ、ありがとうございます。・・・・・・狼なんですけど・・・・・・」
幸太郎は中々のネーミングセンスだと自画自賛をしてまたしてもドクの声は耳に入らなかった。
幸太郎「よしドク!!! 次なる仲間を求めていざ行かん!!!」
ドク「へい!・・・・・・一人でも大丈夫な気がするけど・・・・・・」
犬(狼)を仲間にし、次なる仲間を求めてまた歩き出す幸太郎とドク。
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