いざ北へ!!!
鰹木の報告によると岩猿は不運な事故に見合ってしまったようだ。
桃太郎はいい気味だと声高らかにわらっていた。
そんな桃太郎を余所に夜叉姫は浦島を見つめる。
夜叉姫「あんたなんでしょ浦島」
浦島は夜叉姫を見るも笑って誤魔化す。
浦島「なんの事? 鰹木さんが一緒に居たんでしょ?
僕は知らないよ? それにそんな奴が死んだところで僕達には関係ないからね!」
夜叉姫も確信していた。
前回の時もそう。桃太郎が殺したいけど殺せない相手を
裏で浦島が殺している。
なんの為にそこまで協力するのか分からないが、桃太郎の為に働いてくれてる今、彼をどうこう言う必要は無いと思い、夜叉姫は追求するのを辞めた。
今日は蟹江城主の元で宴が開かれた。
功績者である桃太郎達5人は豪勢な食事でもてなされ
たくさんの持ち上げられる。
そんな中、桃太郎が上機嫌に酒を飲んでいると隣に蟹江城主がやってきた。
蟹江城主「桃太郎殿、此度は本当に助かった。城主として礼を言わせてくれ。ありがとう。」
蟹江城主はあろう事か、ただの市民である桃太郎に頭を下げた。
しかし、桃太郎達が居なければこの戦は勝つ事は出来なかっただろう。
皆がそう思っていたのか、蟹江城主が頭を下げると皆も一斉に頭を下げた。
桃太郎はそんな光景にむず痒くなったのか
桃太郎「いいっていいって! こうして俺達も美味しい蟹をご馳走になってる訳だし、両親の情報も前もって教えてもらったしな!!!」
桃太郎がそう話すと蟹江城主は真面目な顔で
蟹江城主「桃太郎殿、実は一つ嘘をついていた。
お主の両親は東ではなく北へ向かったのだ。
すまぬ。彦星殿に、桃太郎に会ったらそう言うように言われておった。申し訳なかった。」
蟹江城主はまたしても頭を下げた。
彦星に頼まれていたとは言え、桃太郎に嘘の情報で戦わせてしまったのだ。
怒られて当然。蟹江城主はそう思っていた。
桃太郎「蟹江城主、あんたは俺の両親に忠実に従ってくれていたんだな。 だから、両親はアンタを頼って俺の進むべき道を偽装しようとしたんだ。あんたなら違う方向を言ってくれる。そう思ったから。
でも、今回の借りが大きすぎで正直に言ってしまったんだな。ありがとう蟹江城主。もう頭を下げるのはやめてくれ。あなたはとてもいい人だ。両親を見つけた暁には、また寄って蟹を食べに来てもいいか?」
桃太郎がそう話すと蟹江城主は涙を流し了承の返事を返した。
今夜はもう一泊城に泊めてもらい出発は翌日となった。
城の外へ出ると蟹江城主自ら見送りに来てくれた。
蟹江城主「此度は本当に助かった。そなたらが居なければ
我等は今頃死んでいただろう。両親を見つけた暁には、
必ず顔を出してくれ。最高のおもてなしをもって礼をしたい。」
桃太郎「あぁ!必ず!!! それじゃあまたな!!!」
桃太郎達は北へと歩を進めた。
桃太郎「それにしても一休の力は本物だったな!」
浦島「そうだね。まさかあの兵力差で圧倒するとは思わなかったよ」
金太郎「はん!!! 俺様達の力あっての作戦だろ?」
夜叉姫「そんな事言ったら一休の策あっての力の出しどころでしょ?」
桃太郎「はっはっはっ!!! 1本取られたな金太郎!」
金太郎「うるせぇ!!!」
一休「いえいえ、金太郎殿の言う通りですよ。あなた方の
力なくしてあの作戦は不可能でした。あなた方がいるからできた事です。」
一休にそう言われると桃太郎と金太郎は単純な為照れていた。
浦島「僕達が居なければいないで、ほかの作戦を考えて結局は勝てたんでしょ?」
浦島のその発言に驚く2人。
そして一休も否定はせず流した。
桃太郎「まじかよ、一休ってやっぱりすげぇんだな」
夜叉姫「それで、このまま北へ行くと次は何があるの?」
蟹江城主からは北へ向かったと聞いていたがその先に何が
あるのかは分からなかった。
一休「聞くところによるとこの先はある領主が治める小さな街がある様です。きっと彦星殿達も寄ったはずですよ」
桃太郎「それじゃあそこ目指して歩くとするか!」
2時間ほど歩くとその街は見えた。
しかし、様子がおかしい。
黒い煙があちこちから昇り、火事を起こしている建物が多数見えた。
浦島「なんか只事ではなさそうだね」
夜叉姫「急ごう桃太郎」
桃太郎「あぁ。」
5人は走って街に着くと、そこには悲惨な光景が広がっていた。
何十人もの死体が転がっており、傷付いたもの達がしゃがみこんでいる。
泣いてる小さな子も居た。
桃太郎「おい! 一体何があった?!」
街人「で、デカい鬼が来たんだ・・・・・5mはあった。兵士の方々が守ってくれたが全然手に負えなかった。兵士の皆は
殺られて姫様は連れ去られた。」
桃太郎「また鬼かよ・・・・・・」
これだけ離れている為、エルザの仲間ではないと思うが
今回も鬼の仕業であった。
聞いたからには見捨てる訳にはいかない。
桃太郎達は鬼退治をすることにした。
しかし、その時耳元で声が聞こえた。
「おーい!俺も連れてってくれー」
桃太郎は振り返るも誰もそこにはいない。
空耳かと思い気にしないでいると、桃太郎以外の4人が
驚いた顔で桃太郎を見ている。
桃太郎「おいおい、なんで俺を見て驚いている?
俺のイケメンっぷりに今更驚いたか?」
桃太郎がアホな事を言うと夜叉姫は首を振った。
夜叉姫「も、桃太郎!!! 肩!肩に人が!!!」
桃太郎「・・・・・・えっ?・・・・・・ぎゃああああッ!!!!!!!!!」
何を馬鹿なと思い肩を見ると確かに、小さな人間が桃太郎の肩に立っていた。
叫んで、叩き落とす桃太郎。
落ちた小さな人間を見るとゆっくりと起き上がり桃太郎を
見据えた
小人「おい! いきなり叩き落とすなんて酷いじゃないか!!!」
小さい人間は怒っていた。
桃太郎は冷静になり、確かにやりすぎたと謝る。
桃太郎「わ、わりぃ、お、お前は誰だ?! どうして小さい?」
一寸法師「俺の名前は一寸法師! 小さいのは生まれつきだ!」
桃太郎「なッ?!!!!!!」
まさかの一寸法師登場に驚く桃太郎。
またしても知っている昔ばなしであった。
しかも有名どころである。
こうして次は一寸法師との話が始まるのだった。
「面白いな、続きが読みたいなと思ったらブックマーク、高評価をお願いします。そして誤字脱字や意見などあったら是非コメントしてください。」




