いざ鬼神の如く!!!
猿谷「あぁ?! 伏兵か?! しっかしあれだけの数で
伏兵たぁ笑わせるぜ!!! 構うな! 伏兵諸共殺っちまえ!!!」
前方から入れ替わるようにやってくる桃太郎達に怯むことなくそのまま突撃する岩猿軍。
磯貝「桃太郎殿!!! 最前線は我等が固めます!あなたは後方に!!!」
桃太郎は磯貝の制止も聞かず1番先頭を走っていた。
手には薙刀を持ちそのまま駆ける。
桃太郎(夜叉とすれ違った時、頭から血を流していた。それでも目が合うと笑っていた。許さねぇ・・・・・・俺の大切な女を傷付けやがって・・・・・・)
桃太郎の目の前に3騎の騎兵が立ち塞がる。
岩猿兵「馬鹿め!!! 1人で死に急ぎおって!死ねッ!!!」
1人で突っ込む猪武者を岩猿兵達は、狙い定める。
そして、3人の騎兵は桃太郎目掛け、槍を突き出す。
「ザバシュッ!!!!!!!!!」
3人の上半身は瞬く間に斬り落とされる。
桃太郎のたった一振で。
敵の兵達は止まった。
一振で3人死んだのだ。
その光景を見て呆然としてしまった。
桃太郎「俺の嫁を傷付けやがって・・・・・・てめぇら殺すぞッ!!!!!!!!!」
桃太郎はそのまま更に馬を走らせ、馬上から薙刀を振るう。
敵は次々に葬られ、桃太郎の前には自然と道が出来ていた。
敵は桃太郎を鬼神の如く恐れおののき戦いにならない。
戦意は一気に砕かれ、逃げる兵も出始める。
そんな光景を見ていた磯貝も思わず震える。
磯貝「なんという方だ。1人で千の敵を翻弄している。
者共!!! 桃太郎殿に遅れるな!!! 行くぞッ!!!」
桃太郎に遅れをとるまいと磯貝達も桃太郎の後を追い突撃した。
更に追い打ちとばかりに後方から火の手が上がる。
こうなってはもう前軍は混乱状態に陥った。
焦った猿谷は桃太郎へ突っ込む。
猿谷「死ねッ!!!」
猿谷は桃太郎を止めるべく槍を突き出すも簡単に弾かれ
あっという間に首を落とされた。
それを見た磯貝は高らかに叫ぶ。
磯貝「敵大将首、桃太郎殿が討ち取ったり!!!!!!!!!」
その報せにより、敵は瓦解した。
更に後ろから夜叉姫達も加勢し、最早この戦いは勝ったも同然だった。
夜叉姫「桃太郎、お疲れ様」
桃太郎「夜叉・・・・・・大丈夫か?」
夜叉姫と会い、ようやく落ち着いたのか桃太郎は優しく問い掛けた。
夜叉姫は桃太郎にとびきりの笑顔で答える。
こうしてみんなの活躍により前軍の戦いは桃太郎達の勝利に終わった。
その頃後軍では、猿柴率いる兵1000が進んでいた。
猿柴「猿谷のやつが敵を見つけたようだな。しかも兵は100人くらい。やる気ねぇのか蟹共は。」
完全に油断しきっていた。
そこへ林より敵が突然現れる。
岩猿兵「急報!!! 林より敵が突如現れました!!! 数は分かりませんが続々と出てきている模様!!!」
猿柴「見りゃわかる!!! 体勢を整えろ!!! 数は俺達の方が上だ!!!」
すると兵糧を積んだ荷馬車が燃えた。
猿柴率いる後軍は、兵糧も運んでいたのだ。
その生命線とも言える兵糧を燃やされた。
兵糧の焼失により、後軍は一気に混乱状況に陥る。
浦島「敵は最早統制がとれていないね。鰹木さん。僕は敵の大将を殺ってくる。残りは頼んだよ」
浦島はそう言うと一気に敵の大将目掛けて単騎で突っ込んだ。
鰹木「浦島殿!!! お待ちを!!!」
鰹木は心配していた。
浦島の見た目からするに、あまり強そうには見えない。
だが、制止も聞かず突っ込んでしまった。
鰹木「仕方あるまい。者共!敵は最早混乱状態に陥っている!!! 狩尽くせ!!!」
一方的な虐殺が始まった。
兵は1000人いるにも関わらず、150の兵に殺られているのだ。
浦島「あれかな?」
浦島は敵を斬り進み、敵の大将らしき者を見つけた。
そして、大将目掛けて駆け抜ける。
そんな光景を目にした猿柴。
猿柴「あん?1人で突っ込んでくるだと?! 舐めるな!!!」
猿柴も槍を手に取り浦島目掛けて駆け抜ける。
一騎打ちだ。
猿柴「死ねぇッ!!!!!!」
猿柴は槍を突き出す。
浦島は刀を持っており、リーチの差で勝てる。
猿柴(殺ったか?)
猿柴の首が地面に落ちた。
あまりにも一瞬の出来事で猿柴率いる兵達は唖然としている。
浦島「弱すぎて話にならないよ。さぁ、次は誰だい?」
浦島は刀に付いた血を舐めると不気味な笑みを浮かべ
岩猿軍の兵達を見つめた。
最早戦とは呼べない。一方的な殺戮だった。
岩猿軍の後軍は壊滅。
浦島が後軍大将である、猿柴を討ち取った事により
後軍は烏合の衆となり、そのまま鰹木率いる兵達に狩り尽くされた。
鰹木「この勝負、我等の勝ちです浦島殿! あなたの力には感服致しましたぞ。」
鰹木は浦島に少し恐怖を抱いていた。
先程まではどこかやる気のない態度に見えていたが、その
反面単騎で敵に突っ込み、大将首を取り血を浴びて敵を睨みつける。
その姿は最早悪魔の様な姿だった。
浦島「ありがとう。君達の力有りきの勝利だよ」
こうして、後ろの戦いは浦島達の大勝利であった。
中軍を率いるは岩猿家が城主。岩猿であった。
岩猿「猿谷め、早速獲物を見つけたようだな。父上は本当に間抜けな男だ。さっさと蟹江家等、滅ぼせばよかったものを。まさに今引導を渡してやろうぞ。なぁ蟹江よ」
岩猿は勝った気満々であった。
今、前と後ろでは大変な事が起きているとも知らずに。
そんな時1人の兵が岩猿の元へ駆けつけた。
岩猿兵「急報!!! 後方より火の手が上がっています! 兵糧が焼かれたとの事!!!」
まさかの事態に驚く岩猿。
岩猿「なんだと?! 何故そんな事が起きる?! この役立たずどもが!!!」
岩猿は伝令兵を斬り殺した。
岩猿「落ち着け雑魚共!!! 敵は少ない!!! 慌てては敵の思う壺だろうがマヌケ!!! まずは後方の救援に向かう!行くぞ!!!」
岩猿が号令を出したその瞬間
「ドゴオオォンッ!!!!!!!!!」
岩猿の兵達が吹き飛ばされた。
何が起きたのか理解できない岩猿は叫んだ。
岩猿「何事だ?!!!」
金太郎「へっへっへっ、やっと出番かよ。待ちくたびれたぜ。戦斧の金太郎様たぁ俺様の事よ!!!」
金太郎は戦斧を振り回し次々に敵を葬り去る。
一振で五人も殺すその姿はまさに鬼だった。
皆が恐怖し叫ぶ。
ここはまるで地獄。
そう錯覚してしまうかのようなその光景に、岩猿は失禁していた。
岩猿「な、何者じゃ、あやつは・・・・・・化け物か?」
鯉沼「敵は金太郎殿の勇に恐れおののいている!今が攻め時!!! 皆の者突撃だ!!!」
鯉沼の号令の元、150名が突撃する。
岩猿「いけ!だ、誰でもいい!!! あやつを止めよ!!! 猿渡!!!」
猿渡「はっ!!!」
猿渡は岩猿家一の家臣。
その武は岩猿家一とも言われている。
猿渡「そこのデカいのよ。名はなんと申す」
猿渡は金太郎と対峙する。
金太郎は岩猿兵の返り血により真っ赤に染まっていた。
まさに赤鬼だ。
金太郎「あぁ? さっきも言っただろうが!金太郎様だ!!!」
猿渡「金太郎か、いざ勝負!!!」
猿渡は槍を構え突っ込む。
すると金太郎はそのデカい戦斧を横に振るった。
金太郎のでかい体から繰り出される戦斧はリーチがあり、
急遽猿渡は槍で受ける事にした。
しかし、それが間違いであった。
なんと猿渡は盾にした槍ごと斬り伏せられてしまった。
金太郎「つまんねぇな、さぁて、次はどいつだ!!!」
こうなってはもいどうしようもなかった。
岩猿一の武将がやられ中軍も最早機能しなくなった。
ただ殺される。
前も後ろも逃げる事は叶わず殺され続けた。
前軍、後軍に続いて中軍も勝利を掴んだのだった。
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