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いざ猿蟹合戦!!!

桃太郎「俺の名は両親から聞いたのか?!」


桃太郎はまだ名乗っていない自分の名をどうして知っているのか城主に問いただした。


蟹江城主「彦星がそう言っていたからな。そして彼等は、我等の恩人だ。我が領地に人食い虎が出てな。

その虎を退治してくれたのが他でもない、そなたの父だ。そして、礼をしようと思ったら彦星は、礼はいらない代わりに桃太郎が来たら伝言を頼むと言ってきた。

『東へ進め。』それが彦星からの伝言じゃ。」




桃太郎はやっと大きな手掛かりを手に入れた。

この世界がどれ程広いかは知らないが、進むべき方角が分かったのは大きかった。


桃太郎「ありがとう!蟹江城主!岩猿家との戦いは俺達に任せてくれ!!!」


桃太郎は作った借りは絶対に返す。

早く東へ行きたいが、約束通りここに残り、来たるべき戦に備えることにした。


蟹江城主の計らいにより、今夜はここで蟹料理を満喫させてくれるとのことだ。


更に、人が多くては食べ辛いだろうとの事で部屋を一つ貸してくれた。




金太郎「こいつァうめぇな!!!」

夜叉姫「ほんとっ!!! ぷりっぷり!!!」

浦島「これが食べれるならまた戦争がない時に来たいね」

一休「蟹江家の蟹料理は天下一品と言われていますからね」

桃太郎「やばい、止まらないぞ! おい金太郎!!! 食い過ぎだ馬鹿野郎!!!」

金太郎「早い者勝ちだ馬鹿野郎!!!」


皆で競うかのように蟹を食べまくっていた。

寝る時は2部屋借りて桃太郎と夜叉姫。浦島、金太郎、

一休の組に別れて就寝した。






夜叉姫「ねぇ桃太郎? 蟹江家に加勢するってことは

人を殺すって事よ? 大丈夫なの?」


2人はひとつのベットに並んで横たわっていた。


桃太郎は戦争に対して恐怖など微塵も感じていなかった。しかし、夜叉姫の言う通り人を殺した事などない。

いざ戦場に出ても何も出来ずに終わるのではないだろうか。桃太郎はそう思っていた。


夜叉姫「あなたは無理しなくてもいいのよ? ここに

残って待っててもいいの。誰も責めないわ。」


夜叉姫は優しくそう話してくれた。

しかし、そんな事はできない。

自分の両親探しの為に皆がついてきてくれているのだ。

取るだけ情報を取って、本人は城で待つ。

そんなダサい事はできない。

桃太郎の決意は固かった。




桃太郎「大丈夫だ。俺もやれる。それに夜叉も行くんだろ?嫁だけ戦地に向かわせるなんてできないよ。」


夜叉姫「もう!桃太郎ったら♪ ねぇ桃太郎・・・・・・きて?」


夜叉姫は両手を広げ桃太郎にそう囁く。


その後は、2人で激しい夜を過ごしたのだった。





翌朝、桃太郎達は蟹江城主に呼び出された。


『敵が攻めてきた』


伝令からそう報告があったのだ。


敵の数は凡そ3000。


対する蟹江の兵力はなんと500弱。


6倍もの兵力差で攻めてきたのだ。

完全に落としに来ている。




重鎮達は慌てふためき騒いでいた。

作戦はどうする。降参した方がいいのではないか。

色々な進言が発せられていた。


そんな光景を見苦しいと感じたのか城主が断ち切る。



蟹江城主「やめぬか皆の者。今こうしている間にも奴らは軍を進めている。降伏などありえぬ。男達は殺され

女子供は奴隷にされるのだぞ! 気合を入れぬか。

しかし、主達の言葉もわかる。

なぁ一休殿、我等では

到底適う数ではない。客人である其方に聞くのもどうかと思うが、何か策はないだろうか?」




自分の配下ではなく一休を尋ねた。

そんな一休を皆が見据える。


一休「昨日の内に、ここから岩猿家の道は確認しました。6倍など大したことは無い。我が戦略にて、必ずや敵を討ち

取ってみせましょう」




蟹江家の重鎮達は歓声をあげた。

桃太郎(すげぇ自身だな。一休のお手並み拝見といくか)




一休「ですが、この戦に勝つには桃太郎殿、浦島殿、金太郎殿、夜叉殿の力が必要不可欠です。蟹江家の方々は4人の

補佐をして頂けますか?」




一休は蟹江家の者達に厳しいお願いを申し出た。

この戦いは蟹江家と岩猿家の戦い。

その戦いを余所者である、桃太郎達を主として戦うのだ。


蟹江家のもの達からすると面を潰される事になる。

だが、誰も肯定も反論もしなかった。


そんな静まり返った中、蟹江城主が口を開く。




蟹江城主「我々だけでは到底勝ち目は薄い。余計なプライド等要らぬ。今は領地、元い民達の命が大事。故に一休殿。

そなたの命令に従おう。」


蟹江城主の言葉に重鎮達も続いた。




磯貝「我、蟹江家が一番槍の磯貝と申す。存分に使ってくだされ」


鯉沼「私の名は二番槍が一人鯉沼と申します。城主が従うのなら我等も従いましょう」


鰹木「三番槍の鰹木と申します。蟹江家の為、あなたの指示に従います」


鮎川「四番槍が鮎川。どうかこの領地をお守りください」





蟹江家の面々も一休に従うと支持した。




一休「皆さんありがとうございます。この戦は勝ったも同然。

では作戦内容を伝えます。こちらの兵力は500弱。

正面から戦っても当然勝ち目はありません。

ここより1キロ先にある細道にて敵を破ります。

調べた所によるとその道は林と山に挟まれています。

伏兵を置くにはちょうど良いでしょう。

まず夜叉殿は鮎川殿と共に兵100を連れ、敵の正面から当たってください。軽く戦った後、伏兵のいる場所まで逃げてください。女であるあなた方行く事により、敵は油断するでしょう。

そして貴女を追うため前軍と中軍、後軍の間には大きな隙間ができるはずです。

林には兵士150を連れ浦島殿と鰹木殿が待機を。前の敵はそのまま通してください。あなた方は後陣の敵を討ってください。

山には同じく兵150を連れて金太郎殿と鯉沼殿が、前の敵は見逃し中陣の敵をお願いします。

そして最後に桃太郎殿と磯貝殿は、夜叉殿が逃げてきた先に待機をお願いします。夜叉殿と合流した後に二軍で正面より攻撃をお願いします。以上が作戦内容ですが、なにか質問はありますか?」



桃太郎「夜叉と俺の場所替えた方がいいんじゃないか?

危険すぎる気がするが」


桃太郎は夜叉姫を心配していた。

戦地に女性を出すこと自体違和感を覚えていたのだ。


一休「危険は承知です。ですが、夜叉殿でなくては敵は

食いつかないでしょう。それに倒しすぎてしまっても

敵は食いつかず引き下がる恐れがあります。押さず尚且つ

引きすぎず。夜叉殿なら出来ると私は考えました。」




夜叉姫「桃太郎!私ならやれるよ! 桃太郎じゃあこの役割は無理ね! 貴方のところまでちゃんと戻るからその後は守ってね!」


桃太郎は反論できなかった。

初めての対人戦であり、上手くやれる想像がつかなかった。

一休の言う通り、ここはこの布陣が最善なのだろう。


だが、夜叉が戻ってきたら必ず守る。

そう心に誓うのであった。




蟹江城主「うむ。見事な策なり一休。

では皆の者!出陣だ!!!!!!」



こうして出陣の狼煙が上がり猿蟹合戦が今、始まろうとしていた。

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