いざ蟹江城へ!!!
桃太郎「なぁ一休、どこに向かってるんだ?」
5人は街を出てひたすら北へと歩いていた。
何も分からないままただ、4人は一休の後ろを歩いている。
一休「どこにって、あなたの両親を見つける為に歩いているんですよ。街を出たら北にしか続く道はありません。」
桃太郎「うっ、確かにな・・・・・・この先にも街があるのか?」
一休「いえ、この先には城があります。まぁ、城下町もあるのでまちと言えばまちですね」
夜叉姫「そこの城に入るの?」
一休「えぇ、きっと桃太郎さんの両親もそこを経由した筈ですよ」
しばらく歩くと目の前には城が見えてきた。
桃太郎「あ、赤いな!!!」
桃太郎の言う通り、その城は垢を基調とされて造られていた。
元の世界では見たことのない城だ。
一休「あそこが蟹江家が領地する城、蟹江城です」
桃太郎「蟹? だから赤いのか・・・・・・」
夜叉姫「近くに海もあるみたいだし、蟹料理とか食べたいわね♪」
金太郎「腹減ったぜ、何か食べてからにしようぜ!」
浦島「金太郎はいつも腹減っているでしょう?」
そんな雑談をしながら歩いていると門の前に着いた。
城下町の手前に着くとそこには小さな門が置かれていて
門番が2人立っていた。
2人とも赤い鎧を着ており、正しく蟹に寄せた鎧を着ている。
門番「止まれい! 帯刀している所を見ると、お主らは侍か? どこから来た?!」
門番は妙に緊張しているかのような態度をとっていた。
なにかあったのか。一休と浦島は何かを感じとっていた。
桃太郎「俺達は旅をしている者だ。南の街の方から来た。
少し疲れたから城で休憩させて欲しい。」
確かにここは南門であり、南から桃太郎達が来ているのは見えていた。
門番は2人で話し合い中に入れてくれる事になった。
金太郎「なぁ、普通は城下町くらい通してくれるよな?」
浦島「そうだね。僕もなにか気になっていた。なにか胸騒ぎがするよ」
一休「恐らく近くにある城と戦争が起こるかもしれないです。私の予想では、もう時期城主から・・・・・・」
その時1人の兵士が走ってきた。
兵士「そこの御仁達! 城主がお呼びだ! すまぬが城まで来てはくれないだろうか?」
一休はニヤリと笑い「やはり」と答えた。
浦島は無反応だったが桃太郎達は驚いていた。
何をどこでこんな事態を予想出来たのか。
やはり一休は自分達とは違う、何かがあるのだろう。
そう思っていた。
桃太郎「金太郎、悪いが飯は後だ」
金太郎「ちぇっ! しょーがねぇな!!!」
桃太郎達は兵士の後をついて行き城門を潜り、城の中へと入った。
いきなり城主のいる御座所まで通されると、奥の方に1人の
穏やかな表情をした城主らしき人物とその両脇一列に並んだ
武士のようなもの達が座っていた。
兵士「侍一行、お通しします!」
蟹江城主「いきなりの呼び出し許してくれ。私の名は
蟹江無衛門。ここの領地を治める城主だ。そなたたちは南から来たと聞いたが相違あるまいな?」
やはり彼が城主だった。
顔は優しそうなおじいちゃんといった感じだが、その者からは熟練のオーラが出ていた。
桃太郎「あぁ、俺達は南から来た。門番にも言われたがそれがどうかしたのか?」
重鎮「無礼者!!! 殿の前でなんという言葉を!!!」
重鎮「コイツらをつまみ出せ!!!」
タメ口で話したのがまずかったのか周りの側近達が憤怒している。
桃太郎もやってしまったと後悔しているがもう遅い。
こうなったらこのまま突き進もうと思うのであった。
しかし・・・・・・
蟹江城主「鎮まれ!!! 構わぬ。お主の態度のおかげで密偵でない事があいわかった。お主たちは何をしにここへ参った?」
話の通じる城主でホッとする桃太郎。
後ろでは金太郎が何故かガッカリしている。
きっとあのまま戦いになると思ったのだろう。
桃太郎「一休、お前が代わりに話してくれないか?」
桃太郎はこの場での会話は自分には不向きだと感じ取り、
一休にこの場を託すことにした。
一休「かしこまりました。私の名は一休と申します。」
一休が名乗ると周りではざわめきが起きていた。
どうやら一休の名はここまで届いていたようだ。
一休「私達はある人物を探す為に旅をしている者です。
この状況から判断するに、蟹江城主、あなたの領地は今戦争の真っ只中ですね? 相手は恐らくここから5キロ先にある・・・・・・」
一休の言葉に驚く蟹江城主。
蟹江城主「いやはや、さすがは一休殿。推測だけで答えに導くとは。さすがは麒麟児と謳われた一休殿・・・・・・その通り。我が国は今や戦乱の最中、故に主達を敵の密偵と勘ぐっておった。しかし、ぉうやら杞憂だったようだ。済まなかった。そして、敵は一休殿の推測通り---岩猿城の城主
岩猿権左衛門だ。」
桃太郎「はっ?!!! 猿蟹合戦!!!!!!」
桃太郎は思わず叫んでしまった。
何故ならこの話を知っている。
意地悪の猿が蟹を虐め、復習する話だ。
まさか、ここでも昔ばなしが出るとは予想外だった。
桃太郎の言葉に皆が驚いていた。
沈黙の間が流れると蟹江城主が口を開け笑っていた。
蟹江城主「ワッハッハッ!!! 猿蟹合戦ときたか! 面白い!!!
まさにお主の言う通り、蟹江家と岩猿家の戦い。
猿蟹合戦だな!!! ワッハッハッ!!!」
どうやら蟹江城主はこの名を気に入ってくれたようだ。
桃太郎はまたやってしまったと思ったが何とか事なきを得た。
蟹江城主「お侍一行よ。もし良ければ我等に加勢してはもらえないだろうか?褒美に金や食事を取らせる故、どうだろうか?」
桃太郎「まずは戦争に至った経緯を教えてくれ。そして、
一つ俺の質問にも答えて欲しい。」
桃太郎は慎重だった。
見当はつくが、まだどちらが悪いかはわからない。
加勢するにしてもまずは聞かなければ分からない。
蟹江城主「それもそうだな。質問だが答えよう。
そして、事の経緯だが、我等蟹江家と岩猿家は昔は友好関係を結んでいた。しかし、ひと月前に岩猿家の前城主が没してな。息子が引き継いだのだが、奴は領地を広げようと我らが領地にちょっかいを出してきた。最初は小さな事だった為、目を瞑っていたが奴らはとうとう我等が領民を殺したのだ・・・・・・それも幼子諸共・・・・・・許されることではない。」
蟹江城主は拳を握りしめていた。
見た目通り優しい城主なのだろうと桃太郎は思う。
そして、幼子にまで手を出した岩猿家。桃太郎も怒りで爆発しそうだった。
桃太郎「わかった。俺達で良ければ加勢しよう!
そして聞きたいことだが、彦星と織という名に心当たりはないか?」
桃太郎の質問に蟹江城主は目を見開く。
蟹江城主「知っているとも。僅か数日だったがしっかり
覚えておる。するとお前は桃太郎だな?」
桃太郎は驚いた。
自分の名前を知っているという事は、彦星と織が話したに違いない。
そして、蟹江城主は2人のことを知っていた。
また両親への道が一つ切り開かれた。
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