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いざ昼行灯!!!

二人は慌てていた。


だんだらぼっちを倒した男。

その男が今目の前に居る。

弱い相手なら殺して証拠を無くそうと思っていたが

相手が浦島ならそれは叶わない。


おっさん「ど、どうしてここにあんたが?!」


浦島「昼の件から君達は怪しいと思っていたからね。

今夜、なにかするだろうって。だから、今晩もこの村に居残る事にしたんだよ。君達こそどうしてここに?その犬はあの爺さん家の犬だよね?」


浦島は酒が飲みたくて残った訳ではなかった。

この2人を警戒して残ったのだ。


おっさん「実はあそこの爺さんがこの犬を貸してくれてな、ここの山に宝を探しに来たんだよ!」


おばさん「そ、そうよ! 貴方にも分け前をあげるわ!

だから誰にも言わないでちょうだい!」


浦島「・・・・・・おかしいね、僕が見た時はその犬を無理矢理引っ張ってるように見えたけど?」


もう全てが浦島にはバレていた。

苦し紛れの嘘も、もう通らない。


二人は見合うと頷いた。


おっさん「わ、わかった!本のことを言う!この駄犬を使って宝探しをしてるんだ!3人で協力して探そう!!!」


おばさん「もしなくてもあの爺さんを殺って宝を奪えばいいのよ! どうせ老い先短いんだから!」


浦島「君達は本当に愚かでどうしようも無い人間だね。僕はあの爺さんを気に入ってる。それに彼は桃太郎に大事な情報を教えてくれた恩人だ。その恩人を僕が裏切るとでも?これ以上僕をイラつかせないでくれるかな?」


浦島は刀を抜き2人に剣先を向ける。

流石にこれ以上はマズいと思ったのか反省した振りをする事にした夫婦。


おっさん「わ、悪かった!!! この犬も返す!!! 俺達は山を降りるよ!!!」

(コイツが居なくなったらまた再開だな。)


おばさん「そ、そうね!!! もう反省したわ!!! だから見逃して! ねっ?」

(明日の夜またこの駄犬を連れて行くしかないわね)


本当にどうしようも無い夫婦であった。


しかし、浦島は全てを見通していた。


浦島「どうせ僕達がいなくなったらまたやるんだろ?

それに君はこの犬を殺そうとしてたよね?

本当に腐った奴等だ。桃太郎が昼に君達を斬ろうとしたけど、僕が止めた。何故だかわかる?

桃太郎は太陽の様な存在なんだ。

こういう汚れ仕事をやるのは僕で十分。

悪いが死んでもらうよ。

桃太郎が後腐れなくこの村を去れる様にね。」




浦島は2人にゆっくり近付く。


おっさん「お、おい!!! こんくらいの事で人殺しをするのか?!!!」


おばさん「そ、そうよこの人殺し!!! さ、叫ぶわよ?!」


浦島「もう死んでるよ君達。それ以上囀るな、畜生共が」


浦島はとても冷たい目で二人を見つめていた。

そして二人の首に線が入り、首は落ちた。


目にも止まらぬ速さで既に斬っていたのだ。




浦島「僕は桃太郎の影となる。どうかいつまでも光り輝いていてくれ。そうすれば僕はもっと深く、そして濃くなれる。」


そこにいるのはいつもの浦島では無く冷徹な男であった。




するとシロが浦島の足元に体を寄せてきた。


浦島「無事かい? 遅くなって悪かったね。さぁ帰ろうか」


浦島はシロを抱き抱え、爺さんの家に戻った。


浦島も村長の部屋に戻り、眠りにつく。




夜叉姫「昼行灯・・・・・・か」


誰にも聞こえな声で呟く夜叉。

そして夜叉もそのまま眠りにつく。





翌朝になると桃太郎は爺さんの家に直行した。


桃太郎「シロ!!! お前生きてたか!!!」


桃太郎は思い出していた。


これは『花咲かじいさん』の話だ。

シロが宝を掘り当て、隣にいる意地悪夫婦がシロを殺し、最後にはシロの灰を木に撒いて桜の木となるのだ。




桃太郎「良かったぜ・・・・・・この木に桜が咲かなくて・・・・・・」


「面白いな、続きが読みたいなと思ったらブックマーク、高評価をお願いします。そして誤字脱字や意見などあったら是非コメントしてください。」

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