いざ桃太郎へ!!!
幸太郎「!!!? や、やはり・・・・・・ここは桃太郎の世界・・・・・・」
そんなおかしな独り言を言う桃太郎におばあちゃんは首を傾げる。
おばあちゃん「桃太郎、アンタどうしたんだいさっきから。家で寝てた方がいいんじゃないかい?」
幸太郎「う、うん・・・・・・そうするよ・・・・・・」
幸太郎はパニックになっていた。その為、おばあちゃんの言う通り家に入り布団に潜った。
幸太郎(お、おかしい!!! この状況はあれか?! 異世界転移ってやつか?!!! でも普通こういうのってファンタジーな世界が定番だろ?!!! なんだよ桃太郎って!!! なんだよ昔ばなしって!!! 綺麗な女の子と出会うのが定番だろうがッ!!! なんで最初に出会うのがおばあちゃんなんだよ!!! クソッ!!! 婆ちゃん子だった俺は微かに喜んでやがる・・・・・・いや、あの久しぶりの暖かさに幸せを感じてやがる・・・・・・可愛い子、おばあちゃん、可愛い子、おばあちゃん、おばあちゃん、おばあちゃん)
幸太郎「おばあちゃーーーんッ!!!」
幸太郎は思わず叫んでしまった。
するとおばあちゃんはすぐ様駆け寄ってくれた。
おばあちゃん「おやおや、桃太郎。どうしたんだい? 怖い夢でも見たのかい? よしよし。」
おばあちゃんはそう言って頭を優しく撫でてくれた。
幸太郎は思わず涙が出てしまった。
現実世界でのおばあちゃんは、一番幸太郎を可愛がってくれておりよくおやつやおもちゃを買ってくれた。
しかし、無情にもおばあちゃんは幸太郎が7歳の時に癌で亡くなってしまったのだ。
あまりのショックに幸太郎は学校にすら行けなかった。
父も母も厳しく、おばあちゃんが唯一の心安らぐ存在だった。
そんな優しいおばあちゃん目の前に居る。
あのおばあちゃんとは顔も声も違うがあの暖かくて優しいおばあちゃんが目の前に居る。
幸太郎はそれが嬉しかった。
幸太郎(どうせあの世界に居たって、俺のやる事は毎日が同じ繰り返しだった。 それならここで今度こそ俺が逆におばあちゃんを助けてあげるんだ!!!)
幸太郎はそう心に誓った。
そしてここで生きる覚悟を決める。
するとちょうどおじいちゃんが山から降りてきた。
おじいちゃん「帰ったぞ、婆さんや」
おばあちゃん「あら、爺さんおかえり」
おじいちゃん「おっ、桃太郎は寝ておったのか。具合でも悪いのか?」
おじいちゃんが優しくおでこに手を置く。
おじいちゃん「熱は無いみたいじゃな」
おばあちゃん「今日は桃太郎がおかしいんだよ爺さん、頭でもぶつけたかね?」
心配する二人に心を痛めた幸太郎は
幸太郎「だ、大丈夫だよ! 全然元気だしどこもぶつけてないよ!」
おじいちゃん「おっ?! 桃太郎や、随分喋れるようになっておるのう」
おばあちゃん「そうなんだよ爺さん。やっぱり桃から産まれた子だから特別なんだろうねぇ」
おじいちゃん「そうじゃな、1歳で歩き、2歳で走っておったからな。違いない。」
幸太郎は言い訳を考えるが二人が勝手に納得してくたお陰で考えずに済んだ。
おばあちゃん「幸太郎はまだ4歳になったばかりだからねぇ。十分気を付けるんだよ」
幸太郎(そうか、俺はまだ4歳なのか、待てよ・・・・・・桃太郎は鬼退治に行くんだよな?!!! まさか本物の鬼がこの
世界には居るのか?!!! いや、いるに決まっている。ならやることは一つ・・・・・・特訓あるのみ!!!)
それから桃太郎は来る日も来る日も特訓を欠かさずこなした。
ひたすら走り、ひたすら木の棒で素振りをして、斧で木を切る。
幸太郎の訓練が始まった。
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