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いざ桃源郷!!!

一方の正面の通路では桃太郎とハクが歩いていた。

正確にはハクは飛んでいる。


通路はそれなりに広く、そして高い為、ハクは桃太郎の頭上を飛んでいたのだ。


桃太郎「おーい!なにか見えるか?!」


空を飛び人間よりも視力の高いハクに尋ねる。

しかし、いつまでも続く通路で他には何も無かった。


そしてサキュバスも出てこない。


桃太郎「おかしい・・・・・・何故求めると出てこない!!! やっと若い女の子に会えると思ったのに・・・・・・」


桃太郎は皆が奮闘している中、まだ見ぬ女にうつつを抜かしていたのだ。


そんな桃太郎である為に、ハクがお目付け役として共に進んでいた。


桃太郎「ん? ここなんかいるな」


通路を歩いていると左の襖から人の気配を感じた。

ハクでは入る事が困難な為、外で待機させ桃太郎だけで入っていった。




ハク「遅いですね・・・・・・」

桃太郎が入ってから30分は経ったものの全くの音沙汰無しであった。


桃太郎の実力からして、あまりにも遅いためハクは気になりその襖を突き破る。


すると中ではなんと---宴会が行われていたのだ。


桃太郎を囲むようにサキュバス達が囲み酒を呑み食を楽しんでいた。


襖を破ると桃太郎はハクに気が付いた。


桃太郎「おっ?! ハクじゃねぇか!!! お前もこっちに来いよ!!! 楽しいぞ!!! ここはまさに酒池肉林だ!!!」




ハクはあまりの光景に絶句する。

桃太郎の事は少し頭が弱いとは感じていたものの尊敬していたのだ。

しかし、今目の前に居る桃太郎は完全に酔っ払い、女遊びをしているただの人間だった。


ハク「くっ、目を離すんじゃなかった・・・・・・お前達は私が殺す!!!」「ッ?!!!!」


ハクはサキュバス達を睨みつけ飛び掛かろうとするも行けなかった。




桃太郎の首元にはサキュバスが短剣を押し当てていたのだ。

桃太郎は酔っ払っているせいかその事を気にしている様子はなかった。

そもそも気づいてすらいなかった。


動きたくても動けないハクを見てサキュバスは憎たらしい顔つきで微笑んでいた。


サキュバス「アハハハハ!!! 動物の癖に人間の肩なんて持つからこうなるのよ! 全く情けないわね!!! こんな人間に付いてしまった自分を悔いるのね! さぁ!!! 今のうちにその鷲を殺しなさい!!!」


サキュバスの号令の元、周りにいたサキュバス達は一斉に飛び掛る。


ハクは普通に殺れば勝てる相手だが手を出すことは出来なかった。

それは自分が認めた主の為であった。


自分が動けば桃太郎は殺される。

自分の忠誠を裏切ることになってしまうのだ。

だからハクは動かなかった。

例え自分が殺されるとしても・・・・・・。


ハク「くっ・・・・・・これは私の失態ですね。我が主を一人で行かせてしまった私の責任・・・・・・。すみません皆さん。」


50体は居るであろうサキュバス達が一斉に飛び掛っている。


ハクはそっと目を閉じた。




「俺の大切な仲間を侮辱してんじゃねーよ」




ハクの耳には確かに聞こえた。


ハク「・・・・・・我が主の声?」


ハクは目を開く。

そこには剣を持ち、逆にサキュバスの喉元に剣を突き立てる桃太郎の姿があった。


ハク「誘惑が解けたのですか?!」


先程とはうってかわっていつもの桃太郎の姿があった。


サキュバス「な、何故解けた?! 人間のお前が解ける筈がない!!!」


サキュバスは焦っていた。

人間が一度かかればこの誘惑から抜ける事は絶対に不可能だからだ。

しかし、目の前にいる男の誘惑は解けている。

サキュバスにはその光景が信じられなかった。


そんな疑問の目を向けると隣に居る桃太郎はニヤッと笑った。


桃太郎「んじゃあいっちょネタばらしをしてやろう! そもそも俺は誘惑になんざかかってないんだよ。むしろお前らに夢を見させてやったんだよ! 『俺を誘惑できた』っていう夢をな!!! まぁ正確には幻覚だけどな。」


サキュバスもハクも理解が追いつかなかった。

言っている意味がわからない。

皆がそう思っている。


桃太郎「んじゃあこの夢も終わりにしてやるよ。

桃心流 其ノ肆 桃源郷」


桃太郎が技を発すると、サキュバス達は次々に斬られ死んでいった。

残るのはももの隣に居たサキュバスのみ。


サキュバス「い、一体なにをした?・・・・・・お前はなんなんだ?!!!」


震えるサキュバス。

その顔は最早絶望しかなかった。

目の前で一瞬にして死んだ仲間達。

何が起きたかすら分からなかったのだ。

力の差がありすぎた。


桃太郎「俺がこの技を発動した時点でお前らは幻覚をずっと見ていたんだよ。俺を誘惑してるっていう幻覚をな。本当は一瞬で殺しても良かったんだが、お前らの外見は中々のものだったし少し楽しませてもらったよ!

リハビリみたいなもんだな!」


桃太郎はすぐに殺すのは勿体ないと思い、女性への免疫のリハビリも兼ねて少し楽しんでいたのだ。


だが、やはり魔物は魔物。

桃太郎がときめくことは無かった。


ハク「まさか私まで幻覚を見させられていとは・・・・・・」


一瞬でも桃太郎を疑ってしまった自分を恥じいた。

やはり圧倒的な力量差でなんなく倒してしまったのだ。

そして改めて桃太郎への忠誠は高くなっていた。


桃太郎「この空間に入った者は皆が見ちまうんだ!悪かったなハク。お前の目は節穴じゃなかっただろ?」


誇らしげにそう話す桃太郎にハクは、そうですね。と笑顔で答えた。


そんな蚊帳の外状態だったサキュバスが腰元の短剣を取り出し桃太郎に斬りかかった。


サキュバス「いつまでも調子に乗るなァッ!!!」


サキュバスの剣は桃太郎の首元を斬り裂いた。


サキュバス(よしッ!!! まずはこいを殺った!!! 次は・・・・・・)


これがサキュバスの最後の思考であった。


首から血を流し倒れるサキュバスを見つめる桃太郎。


桃太郎「だから言っただろ。幻覚を見てるんだよお前は。よかったな。最後に俺を殺せて。」


桃太郎は全くの無傷でこの戦いの終止符を打った。


あまりにも強い桃太郎にハクは最早笑うしか無かった。


ハク「貴方だけは敵に回したくないですよ我が主。」


桃太郎「そもそも敵対行動なんてお前はとらないだろ? 俺の仲間ではお前が1番賢いからな! これからもよろしくなハク!」




こうして中央の通路もサキュバスは全滅した。

そして桃太郎とハクも奥へと進むのだった。

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