いざ竜宮城へ!!!
二人の技がぶつかり合い、二人の姿は見えなくなっていた。
ドク「ど、どっちが勝ったんだ?!」
皆がその結末を見守る。
煙が晴れるとそこには先程と同じ位置にいる二人の姿があった。
お互いが見つめ合う。
すると浦島が笑い始めた。
浦島「アハハッ!!! やっぱり強いね桃太郎。まさか僕が負けるなんて思わなかったよ!」
そういうと浦島の頬に切り傷が出る。
桃太郎も浦島に次いで笑い始めた。
桃太郎「ハッハッハッ!!! やっぱお前強かったんだな!!! 会った時に感じたぞ! 次やったら分からないかもな!」
浦島「よく言うよ! 君は本気じゃなかっただろ? 君には勝てる気がしないね」
浦島は桃太郎が手加減している事に気付いていた。
そんな言葉に桃太郎もにやけていた。
桃太郎「お前こそ本気じゃなかっただろ?! 結局何がしたかったんだ浦島?」
桃太郎は浦島の目的が分からなかった。
何があって戦いを挑んだのか。
浦島は少し黙った後口を開く。
浦島「・・・・・・桃太郎。力を貸してくれ・・・・・・」
いきなりの発言に驚く桃太郎。
しかし、瞬時に戦いの理由を理解した。
桃太郎「・・・・・・なるほどな、俺の力を試して協力させるに値するか試したのか。お前の力があればお前一人でどうにかなるだろ?」
浦島「僕一人では少し手が足りなくてね・・・・・・敵の数が多すぎるんだ。ある女性を救いたいんだ。」
浦島の真面目な顔付きに、只事では無いことに気付く。
桃太郎「まずは話せ。力を貸すかどうかは理由しだいだな。だが、お前には鬼ヶ島への援助も頼みたいし前向きに検討するつもりだ!」
浦島「ふふっ、君は優しいね桃太郎。実はこの海の下にある建物があるんだ。その名も『竜宮城』。そこにはサキュバスが住んでいて海辺に来る釣り人や子供達を誘惑しそのまま連れ去り一生地上へは戻さないんだ。連れ去られた人の中に乙姫という女性がいる。その人を救いたい。中は広く敵も多い。しかし生半可な力では返り討ちに合う。だから僕は僕と同じ力を持つ者を待っていたんだ。頼む桃太郎!僕に協力してくれ!」
浦島はサキュバスに攫われた乙姫を助けたい。
ただそれだけだった。
桃太郎は浦島太郎の話を思い出し理解する。
物語の浦島太郎は亀を助け、竜宮城へ行き時間を忘れ何十年もそこで過ごす。そして歳をとり地上へ戻る。
桃太郎「なるほどな、そいつらが誘惑して時を忘れちまったのか。良いヤツらかと思ってたのになー・・・・・・いいぞ浦島! 協力するぜ!」
浦島はあまりにも早い返答に驚くもホットした。
ここで桃太郎に断られてしまえば単身で乗り込むつもりであったのだ。
浦島「ありがとう桃太郎・・・・・・鬼ヶ島の件は僕に任せてくれ。必ず遂行する。早速だがいつ竜宮城へ行ける?」
浦島は一刻も早く乙姫を救いに行きたかった。
焦る浦島に桃太郎も気付いている。
桃太郎「あぁ!頼む。行くなら今すぐでもいいぞ! 一刻を争うんだろ? ただどうやって行くんだ?」
桃太郎の返答に浦島は喜ぶ。
今こうしている瞬間も時間が惜しかったのだ。
浦島「本当に助かる・・・・・・行く手段だが、タールの口の中に入っていく! あいつの腹の中には筏があってね! そこで竜宮城に着くのを待つ。竜宮城に入ってしまえば空気はあるから呼吸はできるよ!」
桃太郎は感心した。
既に行く準備は出来ていたのだ。
いかに浦島が行き急いでるかがわかった。
桃太郎「よし! そうと決まれば出発だな! お前達はどうする? 別に待っててもいいんだぞ?」
ドク達に向けて言い放つも彼等は既に行く気満々であった。
ドク「何を言ってるんすか主!!! いつまでも付いて行きますよ!!!」
モンク「そうだぜ主!!! 俺も主に付いて行きます」
ハク「我等が命は既に我が主の物。貴方の目となり手となり足となりましょう。」
エルザ「そこの男にも鬼ヶ島の恩がある。妾も行くぞ桃太郎殿」
桃太郎「へへっ、お前達は最高の仲間だよ!って事でこいつらもいいか浦島」
浦島「あぁ!仲間は多ければ多い程いい。何より皆が強いしね。むしろこっちからお願いしたいくらいだったよ!よろしく頼むよ皆!」
皆はすぐに準備をし、タールの口の中に入り込んだ。
桃太郎「よっしゃ!!! いざ竜宮城へ!!!」
こうして桃太郎の旅は浦島の世界へと進むこととなった。
桃太郎の旅はまだまだ終わりはしない。
始まったばかりなのだ。
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