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青春少年と気まずJKは歌を歌う夢を見るか

13:19



「今日も、この天高く〜登る太陽見つめてぇ〜」


「いっすよー。いえいー」


そこには全力熱唱中の女子高生と呆れた顔をした男子小学生がいた。


「もっと乗ってよぉ〜、こう恩人に対する感謝が〜感じられないなぁ〜」


「いや、恩人ってどちらかというとこっちっすていうか順番回してくださいよ。」


「ok、これ終わったら「三回目じゃなっすか」


流石に三曲連続はきついものがあるのでちゃんと回すけどね。


歌い終わり、マイクを渡すと少年はすぐに選曲を終えてマイクを構えた。


「ざっくろっく ストップ テイキング〜」


なんかボカロ曲を歌う彼を見ながらすぐ前のことをスズメは思い出してみる。


マッカを出て、少し街をぐるぐるしてたら住宅街に入ってしまった私。


(oh じーちゃんず じゃなくて ジーザス?だっけ。)


「トイレどこ〜!」


こんなとこで乙女の矜持を失うわけにはいかない。必死に波に耐えながら当たりを見回す


家 家 家 イエイ イヌゥ 家 家


ああああああああああああ


ふと公園が目に見える。体育祭のリレー並みにスパートをかける。


「おおおおおおおおおお!!!」


乙女とは思えない雄叫びを上げながら今スズメがゴール(トイレ)に駆け込む。


事件はその後に起きた。花をぶち抜く勢いで摘んだ後トイレを出ようとした瞬間。


「付き合ってくれ!」

両手の花束を差し出しながら私より一回り小さい少年が同じくらいの女の子に頭を下げていた。


「えっと、あー、ご、ごめんなさい?」

おずおずと花をもらって少女はそう返した。


いや、花受け取るんかい。というかあれ結構高い花の気がする、ネット知識だけど。最近の小さい子はすごいなぁと感嘆する。


「....っう.......グスッ」真っ赤な顔を必死に隠しながら少年は声を堪えていたが、側から見たらこう、一目瞭然というか、まあそんな感じだった。


「そ、それじゃぁ....またね!」

スタスタと女の子は走り去っていた。


よし、私も行こう。そう思って立ち去ろうとした瞬間。


バギッ


スズメ は きのえだ を ふみぬいた!


少年がこっちを見る。目が赤い。


気まずい、どうしよう。


「ど...ドンマイ!、こんな日もあるよ!」

勢いで誤魔化してみる


「ああああああああああ、死にたいぃぃ。」


本日2回目に聞いた雄叫び。

どうしよう、こういう時の対処法なんて知らないよ。


とりま立ち去ろう。


そして....


迷った。ここどこですか?

走り回ったせいでどこから来たか全くわからん。スマホあるならナビ使えよと思うだろ、ないんだよ、これが。


「どこで落としたかなぁ〜」


そうこうしていると、また公園に戻ってきていた。少年はベンチで黄昏ていた。目が合った。


おいー、本日二度目の気まずさだよ。


なんか立ち上がった、というかこっち来た?!どうしよ....


「あの、これ落としました?」


差し出されて来た黄緑色のキチガイペンギン通称キチペンと言われているキャラのカバーがされているマイフォーン。


受け取って、何いえばいいんだろうと一瞬悩む「ありがとうございます。」お辞儀をする。

これマジで日本人の本能。


「あっはい。」お辞儀を返される。


流れる無言の空気。


スマホを見るとカラオケのクーポンが届いていた。一か八か。


「えっと、お礼に一緒にカラオケ行かない?」


「...えっと......。あざっす。」


そして今に至る。


まあ、こんなことなかなかないだろうからうん、楽しむか。


そのまま2時間くらい歌い尽くして解散をした。ちなみに名前はお互い知らないまま終わった。


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