山にいる神様は
あの山にいる神様は
願いをなんでも叶えてくれる
でも代償だってもちろんある
その願いと同じくらいの何か
あの風車のある山に登れば
神様は優しく笑みを浮かべて待っている
あとは願いを言うだけ
神様は何でも叶えてくれる
何でも持っていってしまう
一人の女の子がやってきた
少女は恋の願いを小声で言った
神様は静かに聞いていた
神様は代償の確認をした
代償を言った
少女は頷いた
神様は少女の頬に手を当てて
何かを唱え始めた
山を降りるとき
少女は泣いていた
一人の男性がやってきた
仕事が辛いと神様に嘆いた
神様はどうしてほしいのか聞いた
男性は迷っていた
選択肢の一つのように願いを言った
神様は代償を言った
更に願いを言った
神様は代償を言った
男性は迷っていた
決断の末
男性は山を降りた
一人の老人がやってきた
神様は山を登ろうとしているのを知っていた
神様は老人に手を貸してあげた
どうにか頂上までついた
老人は願いを言った
神様は微笑みながら代償を言った
老人も微笑みを浮かべた
老人は山を降りる途中
足を滑らせて亡くなった
一人の少年がやってきた
松葉杖をつきながら登ってきた
少年は泣いていた
憎しみをもって泣いていた
叫んだ
願いを叫んだ
神様は困った
少年は知っていたのだ
神様は困った
三つの願いをどうするべきか