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12月25日
祖母の家に行った。何故か両手にラノベを満載にして。そういえば紙の本は読まなくなって久しい。
家につくと祖母がお茶を出してくれる。お茶と言っても麦茶だ。グラスに入ったそれを私が一息に呷ると、玄関から従兄弟がやってきて言った。
「なんかこんなの落ちてたけど」
ラノベだった。私が持ってきた。
なんか恥ずかしいなあと思いつつそれが私のものであることを伝えると、従兄弟は興奮した様子で言う。
「へぇ、これ面白かったから続き貸してよ」
いつの間に読んだのか従兄弟はそれが気に入ったらしい。彼が持っているのは5巻だったが、5巻だけ見ても面白いなんてそのラノベはよっぽどの傑作だったのだと思う。
私が両手いっぱいのラノベを従兄弟に渡すと、従兄弟は素早い手つきで6巻を手に取って読み始めた。最初から読めよ。
その様子を見ていた祖母が私に向かって言った。
「あの、金髪の娘が一番可愛いよねえ」
あんたも読んでるのかよ。