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序話:[三十年後]

某小説大賞に応募したものの、一次選考にすら残らなかったモノです


それなりに設定を練って苦労したので、まぁ、供養という事で投稿した次第です

序話、第一話、第二話、第三話、エピローグの5段構成です。1段ずつ掲載します


少しでも面白いと思って読んでいただける方がいたら、幸いです

:序話:[三十年後]


 黄昏の空に、無数の流れ星が落ちていく。

 それらはかつて、この惑星の周囲に漂い、様々な役割を果たしていた人工衛星や、ロケットだったものの残骸だった。それらが残骸になってから随分と経つのに、未だに途切れる事無く降り注ぎ続けるそれらは、かつてこの惑星に存在した高度な文明の残滓であり、それが既に滅んだ事の証明だった。

 人間の世界は、灰燼に帰した。

 既に草木に覆われつつあるかつての市街地の廃墟を、兵士の格好をした少女が、空を見上げながら歩いていた。ゆっくりと、リラックスした足取りで、散歩でもしている様だった。

 彼女は、十代の半ば程に見える。ショートの黒髪に、黒の瞳、整ってはいるが印象に残りにくい地味な顔立ちをしている。身に着けているのは厚手の生地で作られた寒冷期用の野戦服の上下。頭部には野戦服と同じ迷彩模様の布で覆われたヘルメット、鉄帽と通称されるものを被り、足には靴底に滑り止めの鋲が打ち込まれた合皮製のブーツを履いていて、腰回りに水筒や小道具の類が入ったポーチがいくつかぶら下げられていた。

 肩には、口径五.五六ミリの弾丸を使用する自動小銃を担いでいる。照準器は照門と照星を合わせる、原始的かつ最低限の物だけだったが、伏せ撃ち時に銃を安定させるためのモノポット(単脚)と、着剣用の器具がついていた。とにかく量産性を重視された設計らしく、簡素で粗雑な造りをしていて、いかにも重そうだ。

 周辺には、兵士の他に動くものは無い。あるのは破壊しつくされた廃墟だけだった。廃墟の残骸に交じって、錆び付いた自動車やら、壊れた家電製品、朽ちかけた日用品等が転がり、しぶとく根付いた植物がそれらを覆っている。

崩壊した市街地の残骸は、そうなってからずっと自然の成すままで、誰かが手を付けた様子は見られない。恐らく、かつて暮らしていた人々の遺体も埋もれたままだろう。

 兵士は、この街の過去の姿を知らなかった。彼女は生み出されてからまだ間もなく、地上に初めて出たのは、わずか一週間前の事だ。

 その前は、破壊を生き延びた一握りの人々によって成立した[シェルター]と呼ばれる地下都市の一画にいた。そこで生まれ、半年ほどの訓練を受けさせられ、それから、その[シェルター]を外敵から守るという任務を与えられて地上へと出された。

 だから、寒々しく、陰鬱な都市の廃墟も、流れ落ちる星屑も、全てが新鮮で、彼女にとっては美しい光景に思えた。それが、かつて繁栄していた文明の、墓標なのだとしても。

 太陽は廃墟が形作る稜線に沈み、辺りは暗がりに包まれつつあった。だが、月が明るく、歩くのに不自由は無かったし、夜目が効く兵士にとっては、景色を眺めるのにも不便は無かった。兵士は物珍しそうに、滅び去った世界を歩いていく。

 やがて、大きな通りと通りが交差していた場所に出た。やはりそこも瓦礫の山である事には変わりが無かったが、兵士は何かに気付いて歩みを止めた。

 素早く小銃を構えようとして、やめた。ただ、いつでも構えられる様にして、兵士はそれに近づいていく。

 十字路の真ん中に、誰かが立っていた。

 黒っぽい色をした、煤けた外套を身にまとっている。フードを目深に被っているため顔はよく見えなかったが、背格好は兵士と同じくらいか少し背が高く、外套の隙間から、長く伸ばしているらしい髪の毛が見える。

 その誰かは、足音で兵士の存在に気付いた。慌てた様に兵士の方を振り向くと、一瞬驚きに相貌を見開き、それから警戒する様に視線を鋭くした。

 外套からわずかに見て取れる体の細さと、顔立ちから、その誰かは男性ではなく女性らしかった。年頃は兵士の外見と同じぐらいで、十代の半ばほどの少女に見える。

「誰?」

 外套を身に着けた少女は、詰問する様に厳しい口調で言った。

「あたしは、[防人]。知らないの?」

 兵士はそう答え、逆に問い掛けた。

「ねぇ、君。君こそ、誰なの?人間さん。」

 少女は答えなかった。ただ、鋭く細めた双眸で、考えを見透かそうとする様に兵士を眺めている。

「人間さんは、[シェルター]から、来たんでしょ?」

 兵士は再び尋ねたが、少女は答えなかった。

「迷ったのなら、[シェルター]まで送ろうか?」

 やはり、少女は答えなかった。

 兵士は、少女の扱いに困ってしまった。

彼女の任務は、[シェルター]を防衛する事だった。何故そうする必要があるのかと言えば、人間の生き残りを守るという使命を与えられているためだ。[シェルター]とはその名前の通り、破壊しつくされた地上から避難した人々の避難所であり、現在唯一とされる人類の都市であり、最後の砦だとされている。その場所が破壊されるという事は、人類が完全に消滅するという事を意味している。

 [シェルター]を、人間を守るのが兵士の役割だとすれば、目の前にいる少女も当然、保護するべき対象に含まれるはずだった。だが、肝心の少女は、兵士に助けを求めようとする様子を微塵も持たない。今のところ、兵士と敵対する様子も無かったが、その可能性も排除できなかった。

 とにかく、少女と話せなければ身動きができない。兵士は無言で睨みつけてくる少女に気圧されながらも、さらに言葉を投げかけた。

「えっと・・・、人間さんは、そこで何をしているの?」

 兵士への警戒を解いたわけでは無かったが、やっと、少女は答えた。

「待っているの。」

「待っているって、何を?」

「自分が、死ぬのをよ。」

 兵士は言葉の意味をすぐには理解できず、数回、瞬きをした。やがて少女が何を言ったのかを理解できたが、すぐには次の言葉が出て来なかった。

 きょとんとしているだけの兵士の様子に、少女はようやく警戒を解いた。

「だから、邪魔をしないで。どこかへ行って。」

 少女は右手を上げてあさっての方向を指さすと、話は終わったとばかりに兵士に無頓着に背を向けた。既に兵士への興味を失った様だった。

「い、いやいやいや、ちょっと、待ってよ!」

 兵士は、戸惑い、慌てながら、数歩、少女に歩み寄った。

「死ぬのを待ってるって、何のつもりなのっ?」

「そのままの意味。・・・より正確に言えば、私は、殺されるのを待っているの。」

 少女は、振り向きもせずに答えた。

「どうしてっ!?何でそんな事をっ!?」

「そういう風に、私が決めたの。」

 少女の言葉は平静そのもので、一時の感情でそう言っている訳では無さそうだった。

「やめなよ、そんな事!」

 兵士は一気に少女に近づくと、強い力で肩をつかみ、無理やり振り向かせた。

「そんな簡単に、死ぬとか言うなよ!」

「私がどうしようと、私の勝手でしょう?」

 突き放す様な冷たい口調だった。少女の表情には、兵士への不快感があからさまに表れていた。

「これは、私が決めた事。私が初めて決めた事。だから、誰にも、絶対に、邪魔をさせない。」

 兵士は言葉に詰まった。少女の瞳は真剣そのもので、声は確かで、よほど強固な決意を抱いているらしかった。

「それに、もうすぐ奴らが来る。・・・私が呼んだの。早くここを離れなければ・・・、貴女も、死ぬよ。」

 口ごもって何も言えずにいる兵士に向けて、少女は警告した。

「奴らって・・・?」

 兵士は問い返したが、少女は答えなかった。

 答えるまでも無かった。十字路を見下ろす廃墟の影に、実物が現れたからだった。

 それは輪郭のはっきりしない、暗闇が固まってできた様な存在で、何となく巨大な人型に見えるものだった。

 頭の様なものがあり、胴体の様なものがあり、手足の様なものがある。それは人型をしているが人間よりも三倍ほどは大きな巨体で、確かにそこに存在しているが、それとその他の境界線は曖昧で、ぼやけており、悪夢に出てくる怪物の様に非現実的だが、はっきりと脅威だと理解できる相手だ。

「[亡霊]っ!?」

 兵士は、それが何かを知っていた。咄嗟に小銃を構え、素早く弾丸を装填し、安全装置を解除して狙いを定めた。

 幻の様な見た目から[亡霊]と呼ばれるそれは、世界を現在の有り様に変えた元凶だった。それらは兵士が生まれるよりもずっと前、この世界に現れ、何の警告も前触れも無く人類に襲い掛かり、殺戮し、その文明を滅ぼした。

 [亡霊]は出現から三十年を経た今でもこの世界を闊歩し、生き残った僅かな人々にとっての最大の脅威となっている。

 兵士が生み出されたのは、[シェルター]を[亡霊]の脅威から遠ざけるためだった。だから目の前に現れた[亡霊]に対して引き金を引くのは当然の反応だったし、自身の身を守るためにも必要な行動だった。

 発砲音と共に発射された弾丸は、[亡霊]の巨体めがけて殺到した。だが、[亡霊]は廃墟の影からゆっくりとした足取りで二人へと近づき、悠然とした様子で、兵士の攻撃を気にも留めていなかった。

 それも当然だった。放たれた弾丸は狙い通りに進んだが、[亡霊]に突き刺さる事は無かった。命中する直前で、空中に不自然に静止させられ、そのまま地面に無力に落下した。

「無駄だよ。・・・このタイプに、そんな武器は、通用しない。」

 弾倉内の弾薬を全て使い切り、何の効果も無い事に呆然としている兵士に、少女はどこか憐れむ様な口調で言った。

「今なら、貴女だけなら逃げられる。・・・アレの目的は、私だから。」

「なっ、何を言ってるの・・・?」

 兵士は戸惑いを隠せなかった。ゆっくりと接近してくる[亡霊]と、穏やかにさえ見える少女の顔とを何度も見比べ、必死に思考を巡らそうとしたが、できなかった。空になった弾倉を交換する事も忘れ、ただ混乱するだけだった。

「さようなら。・・・上手く逃げてね。」

 少女は、そんな兵士の様子を見て、微笑んだ様に見えた。それから、一歩、[亡霊]の方へ向かって進み、自身の身体を亡霊に差し出す様に、[亡霊]を仰ぎ見ながら両手を広げ、瞼を閉じた。

 [亡霊]は、眼前に迫る死を受け入れようとする少女へと近づくと、少女に向けて叩きつけるべく、静かに片腕を振り上げた。

 兵士はその場から逃げなかった。混乱していて逃げられなかったというのが正確なところだったが、やがて、奇跡的に落ち着きを取り戻した。迷っている暇など無いと決心し、覚悟を固めた。スッと鋭く息を吸い込むと、全身に力を込めた。

 [亡霊]が少女を無造作に屠ろうとした刹那、兵士は素早く動いた。

 兵士は、少女に体当たりするように飛びつき、そのまま地面に伏せる。

 [亡霊]の腕が振り下ろされ、周囲に破片と粉塵が舞い、轟音が響いた。

 視界が粉塵で覆われる中、兵士は立ち上がると、少女の外套を乱暴につかんで彼女を立たせ、有無を言わさずその手を引いて駆け出した。

「あっ、貴女っ、何をっ!?」

「うるさいっ!人間を守るのが、あたしの、[防人]の役割だ!」

 兵士は少女に向かって怒鳴ると、そのまま、廃墟の隙間の狭い路地に駆け込んだ。


 逃げ込んだ路地を走り抜け、建物にできた大きな穴へ辿り着くと、兵士はそこへ飛び込み、無理やり連れてきた少女を引っ張り込んで、その場に突き飛ばす様に押し倒した。

 本当ならもっと逃げて距離を稼ぎたかったのだが、自力で走ろうとしない少女をそのまま連れていく事は不可能だった。瓦礫の上に突き飛ばしたのも、死ぬために来たという少女が元の場所に戻って[亡霊]の手にかかりに行けない様にするためだった。

 その場にしゃがんで姿をなるべく隠し、先ほど飛び込んだ穴から外の様子をうかがいながら、兵士は小銃の弾倉を交換して弾薬を装填した。無駄な事は分かっていたが、兵士が現状持っている自衛の手段はその小銃だけだった。

 幸い、駆け込んだ路地は狭く、直接[亡霊]は入って来られない様だった。粉塵はやや収まったが、まだ視界は悪い。兵士から[亡霊]の姿を確認する事もできなかったが、少なくとも、[亡霊]もこちらを見失った様子だった。何とか時間は稼げたらしかった。

「この先に、私の仲間がいる。そこまで逃げる。」

 突き飛ばされた衝撃で息が詰まり咳き込んでいた少女に、兵士は気遣う様子も無かった。

「げほっ・・・。貴女、何で、こんな事をっ?・・・逃げるなら、貴女だけ逃げればいいじゃない!私は、ここで死ぬために、ここまで来たんだから!」

 ようやく呼吸を落ち着かせ、瓦礫の上から上半身を起こした少女は、兵士を詰問した。

「お前、いい加減にしろよっ!?」

 兵士は、少女以上の大声で言い返す。口調も乱暴になった。

「さっきから死にに来ただの、死にたいだの、どういうつもりだよ!?周りを見てみろ!そこら中に遺体が埋まっている。みんな生きたい、死にたくないって思いながら、生きられなかった人達だ!お前にどんな理由があんのかは知らない。けど、自分から死ぬだなんて、絶対に間違ってる!」

「偉そうな事、言わないで!」

 少女の言葉も、感情的になった。

「アンタ何か、[防人]何か、ただの人造人間じゃない!たかだか二十年も使われれば廃棄される様な分際で、何でそんな事が私に言えるのよっ!?」

 兵士は何も言い返さず、右手で少女の頬を叩いた。

「ぁっ・・・、なっ、何をっ・・・っ?」

 少女は、呆然自失としながら、叩かれた頬を手で覆った。兵士は思い切り平手打ちしたので、少女の頬は赤くなり、すぐに腫れて、青あざもできそうだった。

「そうだよ。私は[防人]、人造人間、単なる消耗品だよ。」

 兵士は静かに、怒りを込めながら言った。

「それでも、自分が死んでもいいなんて思わない。短い寿命でも、生きているんだ。二十年後じゃなくて、今、死ぬかもしれない。[防人]っていうのは生まれる前からそうなる事が決まっている。けど、お前は、人間は違うはずだ![防人]は人間を生かすために作られるんだ!・・・だから余計に、お前が許せない。絶対に、死なせてなんかやらない!」

 少女は呆然としたまま、兵士を見上げた。何も言い返さなかった。半ば放心状態で、何かを言い返す気力もない様子だった。

「・・・とにかく、奴に見つからない様に逃げる。さっきの騒ぎに、私の仲間が気づいてくれているはず。このまま、路地と瓦礫に隠れながら行く。もしかしたら、援護もしてくれるかも。それまでは、あたしが守る。」

 兵士は鉄帽の紐を直すと、少女に空いている左手を差し出した。

「わっ・・・、私、は・・・。」

 少女はまだ立ち直っていない様子だった。兵士は少し表情を和らげると、今度は丁寧に少女の身体をつかんで立たせた。

「しっかりして!無理やりにでも引きずっていくからね!・・・道は、ほとんど塞がっているけど、瓦礫と廃墟の間を抜けて行けるルートがある。」

 兵士は少女を引っ張って歩き出し、少女は消極的にだが、それに従った。

 高度に発達し、無数の人々がせわしなく生活していたかつての市街地は、今や複雑怪奇な迷路の様に入り組んだ廃墟群へと変わっていた。縦横に伸びていた交通網は瓦礫に塞がれ通り抜ける事はできず、どこにも行けない様に思えた。

 だが、廃墟の瓦礫の山にはいくらか隙間や穴があった。それらが道になっていた。ようやく通り抜けられるような狭い空間が瓦礫の下にあり、ところどころは人為的に通行できる様に整備された痕跡があった。

 鉄帽にポーチから取り出したヘッドライトを取り付け、暗闇を照らしながら兵士は進んだ。時折立ち止まって振り返り、少女がついて来ている事を確認した。

 [亡霊]の気配は感じられなかったが、まだ二人を探している事は間違いなかった。兵士は瓦礫の隙間から小まめに外の様子を覗き見、[亡霊]の姿が見えない事を確認したが、街の廃墟には[亡霊]の巨体が潜むのにも十分な隠れ場所があちこちにあった。

 一瞬、瓦礫の影で何かがうごめいた様な気がして、兵士は慌ててヘッドライトのスイッチを切って息を潜めた。相変わらず月明かりがあり周囲を判別する事はできたが、瓦礫の隙間から見ているために視界が悪く、相手が闇に溶け込む様な外見をしているために、それがただの夜の暗がりなのか、それとも[亡霊]なのかの区別もまともにできなかった。

やがて、[亡霊]の様に見えた何かは、何も気付かずに通り過ぎて行った様に思えた。

「奴らは目が悪いっていうのは、本当なんだな。物音を立てなかったら、足元を通り抜けても気づかなそうだね?」

 ほっとしたものの、言い表し様のない緊張感が残った兵士は軽口で気分を変えようとしたが、少女は何も反応を見せず、気まずいだけだった。

 二人が瓦礫の隙間を縫って進んだ距離は、実際にはさほど長くは無かった。普通に歩けばほんの数分もかからない様な距離だったが、慎重に進んだ上に歩きやすいとは言い難い経路で、ぐねぐねと曲がりくねり遠回りだったために、たっぷり数十分はかかった。

 瓦礫の隙間から外の様子を確認した兵士は、まず小銃を外に出し、それからやっと自身の身体が潜りぬけられるだけの隙間から外へと這い出した。屈みながら小銃を拾い上げ、射撃姿勢を取って周辺を見回して安全を確認した後、後ろにいた少女へ手を貸して彼女を瓦礫の中から外へと導いた。

 少女は何も述べず、兵士に導かれるまま外へと出て立ち上がり、それから、目の前の光景を目にして驚きに双眸を見開き、その場に立ちつくした。

 そこは少し開けた場所で、かつての道路の跡地だった。他の例に漏れず遺跡に過ぎなくなっていたが、瓦礫が片づけられ、整えられていた。そして、長さ約二メートル、幅約六0センチ程度の長方形に作られた小さな瓦礫の山がいくつも、それも整然と並んでいた。長方形の山の片側には棒状の瓦礫、木の柱だったものや鉄筋の飛び出した棒状のコンクリート、鉄骨等が突き立てられ、ボロボロになった衣服や、雑多な日用品だったらしきもの、雑多な野花が、まるで何かへの供物の様にその根元に置かれていた。

「・・・・・・、お墓・・・?」

 少女は、それが何を意味するものなのかを察した。

「・・・あたしの仲間がやってるんだ。あたしもつい昨日、手伝った。非番の時、使える物が残ってないかを探すついでに、だけど。遺体を見つけたら、ここへ運んできて、埋葬、っていうのをやってる。・・・どういう意味があるのか、あたしにはまだ、よく分からないんだけどね。」

 兵士は、その墓地が出来上がった経緯を説明した。

「何でも、対価、っていう事らしい。使えそうなものを使わせてもらう代わりに、昔の持ち主だったかもしれない人達を、その、供養?するんだって。・・・まぁ、瓦礫に埋もれたまま、っていうのも、良くない気もするからね。自分が死ぬ事になっても、こういう風にしてもらった方が、何て言うか・・・、お前は存在していて良かった、って言われている様な感じがして、いい気持がするし。」

「そう・・・。」

 少女は短く答え、瓦礫で作られた墓地を見回した。軽く数えただけでも、五十よりは多い。

 だが、そこに埋葬された人々は、犠牲になった人々の内のほんの一握りに過ぎない。周囲の残骸の中には、その何百倍、何千倍もの遺体が、埋もれ、風化するままになっている。

 もし、少女が、自身の思惑通りに[亡霊]に殺されていたら。兵士達は、少女をここへ埋葬したのだろうか。その光景を想像した少女は、胸の辺りが小さく痛むのを感じた。

自分は死ぬ。そうする事で、自分の運命を自分自身で決める。自分自身では何も決められない、他人に定められた様に生きる事よりよほどマシだと思っていた。自分の運命を決めた人々の思惑を外れる事で、自身を生み出し、束縛し、自由を与えなかった人々に復讐する事ができる。決められた生き方を強制される苦しみから、辛さから解放される。そればかりを考えていた。

だが、自身がそうなった後、どうなるかなどは、微塵も考えていなかった。

 少女は自身の思考の中に、自身が死んだら、きちんと埋葬されるといいなという気持ちがある事に気が付いた。

それは随分都合の良い事ではないかと思えた。生きたいと願っていた人々は埋葬すらされず、死後の安らぎさえ得られないのに、死を願った自分が死後に安らぎを得たいと思うのは、利己的な考えの様に思えた。

そして、生きたいと願いながらも叶わず、埋葬される事も無く朽ちて行った人々の姿を思い描き、少女は、たまらない気持ちになった。

 誰にも知られず、埋葬すらされず、朽ちて行く。そうする事で、自分が本当に得たかったものは手に入っただろうか。何も得られなかったのではないだろうか。空虚なだけだったのではないだろうか。

 少女は自分自身の運命から逃れたかった。あらかじめ決められた生き方を強要される事が嫌だった。死と言うのはそれを達成するためにもっとも確実な方法に思えた。生きている限り付きまとうやり場のない感情から解放される唯一の手段だと思えた。その苦痛から逃れるためにあがき、考えられる限りの手立てを試し、上手く行かず、最後に残された唯一の解決策だと思えた。

 だが、何故、自分は、他人に定められた運命を拒んだのだろう。

 その疑問にたどり着いた時、少女は、目の前に見えている世界が、先ほどまでとは全く異なるものの様に見えた。

「早く行こう。ここから先は、少し開けているけど、仲間のところまではすぐだから。」

 兵士は、少女の変化には気づかず、彼女の肩を軽く叩いて進む事を促した。

 歩み出した兵士に、少女はやはり、無言で従った。だが、その足取りは、先ほどまでと違ってしっかりとしたものだった。

 二人は、今度は瓦礫の中には潜らず、通りの端を進んでいった。建物の崩壊が著しく、瓦礫の中の隙間を通り抜けるのが危険だったためだ。こちらの視界も良かったが、[亡霊]からも発見されやすくなるため、兵士はより慎重になって少女を誘導した。

 道路は他の場所に比べれば瓦礫が少なかった。兵士の仲間達が墓地へと行き来するために整備したからで、瓦礫をどかして歩けるように整えられた小さな道が伸びていた。見通しも良く、進む先もよく見えた。相変わらず廃墟と瓦礫ばかりだったが、数百メートル前方に、かつて鉄道として作られた高架橋が横切っているのが見えた。

「あの高架橋の辺りが、あたしらの野営地になってるんだ。」

 兵士が、少し声を明るくして言った。

 高架橋の辺りは、確かに人の手が入っている様だった。高架橋自体も補修の手が入っている様子で、今でも列車が通行できそうな状態だった。

 その高架橋の上に、明かりが灯り、点滅を繰り返した。数人の人影の様なものも見えた。明かりは兵士と同じヘッドライトによるもので、兵士の仲間が二人を発見し、合図を送っている様だった。

「仲間がこっちを見つけてくれた!野営地から[シェルター]までは近いし、もう、大丈夫。」

 兵士は安心したのか、少女を振り返って笑顔を見せた。

 少女は笑わなかった。兵士の仲間達が送ってくる合図の光が、微かに歪むのを見逃さなかったからだった。

 揺らぎは、すぐに実体化した。まるで、モニターに映していた映像を急に切り替えた様に。二人からの距離はほんの数メートル、手を伸ばせば届きそうだと錯覚するほどの距離に[亡霊]が現れた。

 二人は、そこで待ち伏せをされていた。

 少女の表情から異変を察し、背後を振り返って[亡霊]の姿を確認した兵士は、咄嗟に小銃を構えた。

「隠れて!」

 兵士は少女に向かって叫んだが、少女は従わなかった。

 少女は兵士を押しのけ、前に出た。

 それは、[亡霊]が、振り上げた腕を振り下ろしたのと同時だった。

 少女に押しのけられて、兵士は倒れこみながら受け身を取るだけでも精いっぱいだった。何が起こったのか理解できないまま、とにかく応戦するために小銃を構えた兵士は、目の前の光景を目にして呆然とした。

「んな・・・、あほな・・・?」

 兵士は、呆気に取られて呟いた。

 少女が、[亡霊]が振り下ろした腕を受け止めていた。

 正確には、違うのかもしれない。何故なら、少女の身体と、[亡霊]とは、どこも触れてはいないからだった。

 だが、[亡霊]が振り下ろした腕は、少女の頭上で確かに止まっていた。そこにある見えない何かとせめぎ合う様に震え、猛烈な力を加えられて軋み、金属が擦れ合う様な不快な音が[亡霊]の腕から響いていた。

それは、少女が引き起こした事としか思えなかった。少女が、[亡霊]が弾丸を静止させたのと同じ様に、[亡霊]の腕を受け止めたのだとしか考えられなかった。

 少女は、今まで目深に被っていたフードを払いのけると、長く伸ばした髪を払いのけ、正面に居座る巨体を凛として見上げた。

「そこを、どきなさい。」

 そして、一歩、前へと踏み出した。

 [亡霊]の腕が、一際大きく軋み、まるで悲鳴をあげるような轟音を立てながら砕けた。

 その反動で[亡霊]はよろけ、数歩後退し、態勢を立て直せずにそのまま廃墟へと倒れこんだ。すぐさま起き上がろうと残った方の腕でもがくが、廃墟は戦火による損傷に加え、長い年月の間に風化して脆くなっており、容易に崩れた。[亡霊]はもがけばもがくほど、より深く瓦礫の中に埋もれた。

 兵士は、目の前で起こった事態を飲み込めなかった。小銃を構えたまま、呆然として、倒れこんでもがく[亡霊]から、少女へと視線を移した。

「早く!走って、逃げる!」

そんな兵士に、少女は叫んだ。

我に返った兵士は慌てて立ち上がった。未だに瓦礫の中でもがいている[亡霊]の脇をすり抜け、仲間がいる高架橋へと向かって走った。

だが、すぐに、少女が上手く走れていない事に気付いて振り返った。

¬¬ 兵士と共に走り出した少女だったが、ほんの数十メートルもせずに立ち止まり、廃墟にもたれかかっていた。呼吸は荒く、顔色は蒼白で、肌には汗が浮かび、顔をしかめながら右手で自身の頭を押さえていた。

「先に・・・、行って。私の事は、大丈夫、だから・・・っ。」

 立ち止まっている兵士に気付いた少女は、絞り出す様な声で言った。

 そうしている間に、[亡霊]はようやく、廃墟から立ち上がろうとしていた。兵士は[亡霊]に対して有効な対抗手段を持たず、逃げるしかない。一刻の猶予も無い状況だった。

 兵士は小銃を捨てると、少女へと駆け寄り、彼女を担ぎ上げた。

「ちょっと!?何を考えてるの!?」

「うるさい!絶対、死なせないからな!」

 少女は驚きながら叫んだが、兵士は怒鳴り返すと、少女を担いだまま走り出した。

 既に完全に立ち上がった[亡霊]が、鈍く大きな足音を響かせながら二人を追った。

 兵士は少女を担いだ状態でもかなりの速度で走った。それでも、[亡霊]との距離は縮まり、やがて追いつかれる事は明らかだった。

「何をやっているの!?私なんか放っておきなさい!」

「嫌だ!」

 担がれた状態で背後に迫る[亡霊]の姿を目にした少女は兵士に向かって訴えかけたが、兵士は頑として走り続けた。

 少女を助ける。その理由を明確に言葉として定義する事はできなかったが、とにかく、兵士は少女をその場に放っておく事などできなかった。そんな事は間違っていると思った。

 兵士の仲間がいる高架橋まで、三百メートルは切った。

 兵士はそこへ向かって懸命に走り続けた。少女は為されるがまま、背後の[亡霊]と、少しずつ近づいてくる高架橋とを交互に見た。

 線路の上に動きがあった。兵士の仲間の内の一人がそのまま真っ直ぐ走れと兵士に向かって叫び、他の数人が小銃と狙撃銃を構えて発砲した。

 弾丸は二人の頭上を飛び越え、[亡霊]に向かったが、やはり通用しなかった。[亡霊]の真正面から飛翔してきた弾丸は空中で静止され、角度のついたものは弾かれる様にあさっての方向へと弾き飛ばされていった。だが、やや遅れて別の兵士が発射した無反動砲の砲弾が弾着し、炸裂すると、[亡霊]の速度を緩めるのにやや効果があった。

 だが、[亡霊]にダメージは無い。

「あんなもの、効くわけない!分からないの!?」

 少女は兵士に向かって再度叫んだ。

「いいから、私を置いていきなさい!私を囮にすれば、貴女は逃げられる!私一人なら、何とでもなるんだから!」

 兵士は答えなかった。少女の言う言葉を無視して、ひたすら走り続けた。

 兵士の仲間達の援護射撃は、完全に無駄というわけではなかった。わずかに[亡霊]の速度をそぎ、その分だけ兵士は逃げる事ができた。だが、すぐに距離は無くなった。

 地響きと共に、高架橋の線路上に一本の列車が現れたのは、[亡霊]が兵士を叩き潰そうと残った方の腕を振り上げた時だった。

 高速で、滑り込む様に、兵士の正面に現れた列車は、編成の前後からディーゼル機関車に牽引・推進され、装甲された車両に六門の砲と一二門の機関砲、その他の銃火器で武装を施した装甲列車だった。装甲列車は金属と金属が擦れ合う甲高く耳障りな音と火花を車輪から撒き散らしながら兵士と少女の真正面に急停車し、旋回砲塔に装備された砲と機関砲を一斉に[亡霊]へ向けた。

 線路脇にいた兵士の仲間達が伏せろ、と叫び、兵士は少女を背負ったままその場に伏せた。線路上にいた仲間達も、一斉にその場に伏せた。

 装甲列車が砲門を開いた。ほんの百メートルの距離からの猛烈な射撃で、砲口に発砲の閃光が瞬くのとほぼ同時に発砲音が聞こえた。砲弾は発射された直後に炸裂し、前方の円錐状の範囲に無数の散弾を撒き散らした。

 三十口径百五ミリ砲から放たれた砲弾は榴散弾と呼ばれる種類のもので、炸裂と同時に砲弾の進行方向の円錐状に子弾をばら撒いて目標を殺傷する。言ってみれば巨大な散弾の様な効果を持つ砲弾だった。

 砲弾から解き放たれた散弾は、やはり[亡霊]の本体に触れる寸前の空中で静止させられた。だが、装甲列車は、砲弾を装填でき次第、次々と撃ち続け、機関砲も咆哮し続けた。砲塔から排出された薬莢が、装甲列車の近くに次々と積みあがっていった。

 [亡霊]の前にその攻撃は防がれ続けたが、やがて効果が表れた。一部の散弾、あるいは機関砲弾が[亡霊]の直前で静止されず、[亡霊]の本体へと突き刺さった。

 最初はほんの一部だけだったが、すぐに[亡霊]への有効弾は増加した。徐々に[亡霊]に阻止される攻撃は減り、やがてほぼ全弾が有効弾となった。

 [亡霊]の手足が吹き飛ばされ、引き裂かれ、身体が抉られた。巨大な機械がバラバラにされる様に、身体の部分が吹き飛ばされていった。

 装甲列車は、それでも射撃をやめなかった。射撃が止んだのは、[亡霊]が攻撃によって粉々に打ち砕かれ、完全にバラバラになってからだった。

 射撃は唐突に止み、装甲列車の砲塔の排出口から最後の薬莢が吐き出され、地面の上に落ちる音が響くと、後は静寂だった。あるいは、砲撃の轟音で耳が馬鹿になってしまっただけかも知れなかった。

 沈黙の後、しばらくして、伏せていた兵士が、のそりと起き上がった。

 耳鳴りが止まず、頭がくらくらとしていた。それでも兵士は背後を振り返ると、[亡霊]がどうなったかを確認しようとした。

 [亡霊]の姿は、そこには無かった。ただ粉々になった[亡霊]の破片、黒い染みの様なものだけがその場に散らばっていて、それも、徐々に消えつつあった。

 まるで砂で出来ていたかの様に崩れ、泡の様に消えて行く[亡霊]の残骸を確認した兵士は、そこでようやく安心すると、そのまま仰向けに倒れこんだ。

「だー、助かった・・・。あたし、生きてる・・・。」

 深々と安堵のため息を吐いた兵士は、それから、先ほど自分が必死の思いで担いでここまで連れてきた少女が、憮然とした表情で自分を見下ろしている事に気が付いた。

「あれっ?人間さん、もう、大丈夫なの?」

 先ほどまで浮かべていた苦しげな表情が少女から消えている事に気付き、兵士は不思議そうに尋ねた。

「もう、大丈夫。・・・あれは、ちょっと複雑な事をやったせいで起こる、一時的なものだから。まだ、ああいう力を使うのに慣れていないの。」

 少女はぶっきらぼうに答えると、命の恩人に向けるものとは思えない冷たい視線を兵士へと向けた。

「どうして?」

 兵士は、少女の問いかけに、きょとんとした表情を浮かべた。

「どうしてって・・・、何の事?」

「どうして、私を助けたりしたの?・・・私は、あそこで終わってしまいたかったのに。そのためにここへやってきたのに。そんな相手を助けるために、どうして一生懸命になれたの?・・・貴女も、死んでしまうかも知れなかったのに。」

 兵士は、数回瞬きを繰り返した。少女の言葉の意味は分かっていたが、その意図が兵士には分からなかった。

「よく分からないけど・・・、人間さんは、本当に、それでよかったのか?」

 怪訝そうな顔で少女を見上げながら、兵士は答えた。

「あたしだったら、嫌だと思うな。生きている方がいいもん。何て言うかさ・・・、生きて何かをやりたいとか、どうしてもっていう理由があるわけじゃないけど、その内、そういうのが見つかるかもしれないし。・・・人間さんはどうして、死んでもいい、死にたいなんて言うのか、あたしには分からない。もっとも・・・、あたしは、そんなに長生きはできないから、生き延びても、最後まで何も見つからないし、何もできないかもしれないけれど。」

 少女は、無言で兵士の言葉を聞いていた。睨んでいる様にも、訝しんでいる様にも見える表情だった。

 しばらく兵士を見つめた後、少女は、悲しげに視線を伏せた。

「・・・私には、貴女の言う事が、よく分からない。さっき会ったばかりだっていうのもあるけれど、時間があっても、結局、私には貴女の考えは分からないかもしれない。貴女と私は、他人でしかない。記憶、感じるもの、思考、それらを共有できるわけじゃない。・・・自分の事は、自分の全ては、私自身にしか分からないものだと、私は、そう思う。・・・貴女が私で、私が貴女だったら、別の事を言ったに違いないもの。」

 少女はそう言うと、兵士に背中を向けた。

「さよなら。・・・貴女、長生きできると良いわね。」

 少女は振り返らないまま手を振ると、その場を立ち去るために歩き出した。

 兵士は呆気に取られたが、すぐに、自分が何をしようとしていたのかを思い出した。

「ねっ、ねぇ、どこに行くのっ!?一人でも[シェルター]に戻れるの?それに、[亡霊]が、他にもいるかもしれないんだよ?」

 兵士は慌てて立ち上がりながら、少女を止めようとした。

だが、少女は止まらなかった。

 少女が再びフードを目深に被ると、纏っている鼠色の外套が、周囲の風景に溶け込む様に変色していった。徐々に、少女の姿は辺りの景色に同化し、見えなくなっていく。

 兵士は、少女を追うべきだと思った。だが、身体が動かなかった。少女の歩調に迷いは無く、その後ろ姿からは、兵士のどんな干渉にも動じないという姿勢がうかがい知れた。

「ああ、そうだ。」

 不意に、少女は立ち止まると、兵士の方を振り向いた。

「悪いけれど、助けてくれた事に、お礼は言わない。・・・言えない。・・・これが、いい事だったのか、私には分からないから。」

 それだけを言い残すと。兵士が何かを言い返す間もなく、少女の姿は完全に見えなくなる。

 兵士にはそれ以上、どうする事もできなかった。立ち尽くす事しかなかった。


続きます

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