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第一話 一人目の仲間

第一話です。

おい、おかしくねぇか?

急に召喚されたと思ったら、

「魔王を討伐してください」って、いや俺も魔王なんだけど…

いくら可愛いご令嬢に言われてもなぁ。別の世界とはいえ、魔王が魔王を

討伐しに行くってさすがに気が引けるわ。だって言うなればこれ

同族殺しだよ?ホントに。

「お願いします、勇者様。」って、俺化ける為に人間の格好してるから、

勇者だって信じ込んでるし。もう、良いかな?もうこっちで

ヒーローになろうかなぁ。うん、よしっ!

「じゃあ、殺るよ」

「本当ですか!」

ご令嬢の顔がパァーっと明るくなる。

いや、もう反則でしょ、その顔は。


そんなこんなで、勇者になった魔王であった。



って、街に出てきたものの

「平和だな~」

ホンッッ………ト平和、ザ・平和。本当に魔王とか来てんの?

「キャーーー!」

女の悲鳴!よし!助けに行こう!

逃げる人混みに逆らって進む。

すると小さな鬼が一人の女を取り囲んでいた。

どうやら小鬼ゴブリンの群だな。

「助けてください!」

小鬼の群を飛び越えて中心(女の元へ)に向かう。

「大丈夫ですか?」

「えっ」

女はひどく驚いたように涙を流した眼で俺をみていた。

年齢は20くらいか、顔はまだ少し幼く見えた。

髪は緑色で、服も緑で身を納めていた。

この世界で緑は、【回復】を表す、とお嬢(ご令嬢)が言っていた。

ということは回復系のスキルを持っている、【癒道士】

(ヒールガー)だろう。顔立ちも可愛いし…よしっ!ヒロイン決定!

「あなた…は…?」

「私ですか?私は…」

「擬ャ嗚ァァーーー!!」

小鬼か…今、良いところだったのに……

「擬ャ亜ォォォーーーー!」




【黙れ】





「亜ッ」

小鬼が固まる。全く、俺は魔王だぞ。

「あなたは…何者なんですか?」

何者…か……、魔王は駄目だしなぁー。あっ、そうか俺は…

「勇者ですよ」



例のごとく、彼女は共に旅をさせて欲しい、と言ってきた。

「キュア・アピース・クウェンチ・ヒールです!

癒道士ヒールガーをやってます!

一緒に旅をさせてください!」

「良いよ」

魔王倒すのに回復は必要だしな。まっ、多分俺は使わないけど

「良いんですか!?」

少し驚いているようだった。ここは優しく言おう。

「あぁ、良いよ」

「やった!」

小声で言って両手でガッツポーズをしている。

小声で言う必要なかっただろ。まっ、いいや。準備できたな。「よし!じゃあヒール!」

「は、はいっ!」

嬉しそうだな。ヒール、で良かったか。

「さて、行くぞ!」


こうして魔王が魔王を討伐する冒険が、幕を開けた。

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