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門前には草花が咲き乱れている。
低い円柱に端正な文字で「薬師幼稚園」と彫り込んであった。
十二神将が通う幼稚園である。
園庭の隅のほうでは、日曜だというのにせっせとスコップで大きな花壇、サイズで言ったら小さな花畑レベルの花壇を手入れしている老人がいた。ここの園長である松山海十郎である。
頭は禿げ上がっていたが、齢七十を超えてもなお脂が抜けていない様子、ぱっと見には五十代と言っていいほど若々しさを保っている。
その脇に小走りで走り寄る女性がいた。
紺の上下とタイトスカート、髪はきつめにアップして少し吊り眼。
「秘書」と言ったらこういう感じ、と十人のうち八人が想像するような、硬質の色気のある美女である。
「園長、先ほど湖緒音祭りでの公演が終了いたしました」
「そうかね」
松山は立ち上がりぐっと腰を伸ばす。
笑顔のまま、
「……七妖の子らもおったかね?」
松山の言葉を受けて、秘書の眼鏡がキラッと光を反射した。
「会場にて確認した、とのことです」
「そうかね……」
何かを考えながら、呟くように松山が応えた。
☆
湖緒音中央公園では、祭りの演し物が続いている。
メインホールではマーチングバンドの中高生部門であるが、そこここでジャグリングやパフォーマンス、マウンテンバイクの曲乗りに「アメージングぅ~!」的手品(イリュージョンというべきであろうかっ!?)、果てはローカルアイドル集合のフェスタなどが行われている。
……こう言っては何だが、運営の能力は相当に高いようである。演者にも観客にも告知が行き届いているために混乱もなく、それらを楽しむ人々はスムーズに移動と集合を繰り返している。酔いすぎた人が道路に寝ているくらいはご愛敬である(まあどこでもいるけども)。
シチヨウーズと十二神将たちは、サブグラウンドに敷いたシートの上で、温泉旅館たちばな謹製の仕出しを囲んで宴会に移行していた。
全員年頃は違うが女性のみ。いきおい、ほかのグループを圧して賑やかである。
「へー、トランペットって難しいんだ。押すところみっつしかないからそう思ってなかったよ。すごいすごい」
アムがにこやかに幼女を持ち上げている。
「ふふむ、そうおだてるな。修練あるのみだ」
「いかにも。園長先生の御指南があればこそよ」
頞儞羅と伐折羅である。ふたりはトランペットメンバーであるようだ。
「へー、いい人なのね園長先生。あ、じゃがりこいる?」
アムが差し出したのは、湖緒音町限定「じゃがりこパクチー味」である。どうして湖緒音町限定なのかは神のみぞ知る。頞儞羅と伐折羅はうむ、と頷いて手を伸ばしたが、口に入れてから微妙に顔をゆがめた。
「ほう。高校生ともなれば、そういうロールも会得するのか」
「なかなか興味深い。して、その妙諦はいかなるものか」
「湖緒音高校バトン部と言えば、音に聞こえし名門と母から聞いているぞ」
真達羅と摩虎羅、招杜羅である。
対面ではノアが座ったままバトンを操っていた。
「あはは、あたしあんまりうまくなくてごめんね」
ノアはバトンを握らず、肘や首を使ってくるくると回しながら、流れるようにバトンを移動している。
それ自体は高等技術であるが、目を見張るほどでもない……のだが、ノアの最小限の動きでバトンが流れるさまは、一見地味に見えるが、わかる人にはわかる美しさを持っていた。感覚的なレベルでバトンの有効可動範囲の見切り、そしてその重心を必要十分で押して、引き、落とす。動かす必要のある筋肉の部位と量が染みついていないとできない芸当である。さすがは次期ホープ。
「ううむ。美しいと言えよう」
「なーん」
笑うノアに反応することもなく、三人はバトンを眼で追ってしまうのであった。
シートの脇で、迷企羅と安底羅がメイの透明プラスチックコップに見入っている。
「……それは、うまいのか?」
迷企羅が眉根にしわを寄せて問いかけた。
「これですか? うー、あまりお勧めしませんが……」
ふたりの前にコップを掲げて見せる。
なんというか、ある種の後光が差しているとみまごう液体であった。
「ど、どうなのだこれは?」
安底羅がどもりながら訊いた。
メイはすまし顔でリンゴジュースとカルピスソーダとマンゴージュースとウーロン茶を絶妙な比率で混ぜ合わせた。
「こんな感じです」
少しづつ発光を始める液体である。
「おおう……」
「なにか、チェレンコフ光のごとき色であるな……」
ぶるっと不安そうに震えた安底羅である。
中央ではマナが立ち上がって声を張り上げた。
「いいみんなー! これ古今東西全世界共通の究極パーティゲームだよーっ!」
明らかに「ムフフ」という笑いを漏らしながら取り出したのはツイスターゲームである。おい、どこにしまってあったのだそれ。
「ついすたーげーむとな? 風変わりな名であるな」
波夷羅が首をかしげる。
「むふふ~。幼稚園でも流行るよ~! 男の子を誘ってやろうねっ!」
怪しげな笑いを大きくするマナに、こういう時だけ不安げな燕である。
「いやその、な、そういうの、ちょっとまずくないか?」
「ふむ。たまには児戯に興じるのも一興か」
因達羅が大きくうなずいた。
マナがびっと指さす。
「はい、因達羅ちゃん! 右手青の六!」
「む……? 青の六とな……ちょっ、いたっ、なにこれっ!? 近い近い、燕殿、近い近い近い! え、ふ、ふぇぇぇっ!」
あっという間に無茶な形でからみあう、幼女三人と女子高生ひとり。笑顔なのはマナだけである。
「喰らえっ、コーネ・ゲンクォーツっ!」
幼女らしい甲高い声が響く。
「ぶへらっ!?」
ポチに渾身の拳骨を落とした珊底羅である。心底楽しそう。
怪人役のポチはくるくるりとまわってぶっ倒れた。演技ではないくらいの痛さである。
「受けてみよ、コーネ・ヴィンターっ!」
わずかに顔を上げたポチに、タイミングを合わせて毘羯羅がビンタを張る。
本家コーネ・ヴィンターも真っ青である。幼女の紅葉のような掌が、いい音を立ててポチの頬に色濃い紅葉を作る。
「ぼっふぁっ!?」
盛大な音を立ててビンタを食らったポチが吹き飛ぶ。
幼女から全力のビンタを喰らうことは基本あるまいが、機会があったら受けてみるといい。
力の加減がなく、どこに当たろうが容赦しない、という暴力は、小さくても狂暴なのである。大人でも痛いのだ。
「はっはっはっ、いや、いいやられっぷりであるな、ポチ殿!」
珊底羅が顔を光らせて笑う。
膝をがくがくさせて体を起こすポチである。
「おおおおお前らなぁ、俺が本気にならないうちにやめておぐふぉぁっ!」
珊底羅と毘羯羅に間髪入れずに馬乗りにされるポチである。
それぞれの光景を温かい緑茶を飲みながら見ているハク、ヤミ、アユイである。
「あー、なんか平和じゃなぁ」
「ほんとだなー、天気もいいし」
「……あんたらそうやってれば、ほんとにただの幼女なのにねー?」
ハクがふたりを見ながら感心したように言う。
ヤミがハクに片頬をゆがめて笑った。
「はっは、こいつはな、私たちの中で一番強かったんだぞ?」
アユイに親指を向ける。
「もー、やめろよヤミ。昔のことだろ?」
眉根を下げて困ったように笑うアユイ。
「んん? 昔?」
口を尖らせるハクである。
☆
千年紀の下総の国。
崖の上のヤミたちから見ると、絨毯のような歩兵部隊であった。
十世紀あたりの大和の国では、戦争は百単位の部隊の削り合いであるのだが、眼下の光景はそれを大きく裏切っていた。見渡す限りの敵、また敵。
戦術の大きな転換点と言える騎馬部隊、戦牛部隊も少ないが用意されている。
朝廷から派遣された旅団は、想像しうる限りの状況に対応できるような数と武力を揃えていた。国元を空っぽにしても戦うべき相手というわけなのだろう。
加えて、どんな先進的な参謀がいるのか、戦闘部隊が確固とした線を引いている向こうには、輜重部隊、防疫衛生部隊も数多く備わっていた。
――戦争は常に不快なものであり、疫病と隣り合わせである。
暑い時期であれば、三日で戦闘意欲を完全に削ぐほどの腐敗臭が全域に漂い、腐った水が戦闘フィールドの地面を覆う。間を置かず、陽炎のように立ち上るのが疫病である。主にアメーバ赤痢。それらは想定内であるが、使わなければならないのが水。
戦う前に兵隊は疫病に冒され、死ねばある意味で簡単だが、生き残れそうな兵には衛生兵と輸送兵が必要となる。仲間の遺体は「怨念」という要素を除いても、そのまま自分たちを地獄に引きずり込む凶悪な媒介物になってしまい、何の防壁もなければ戦力は見る間に半分以下になるのだ。
そしてまた、我々は一日に二、三食をとらないと動けなくなる燃費の悪い存在である。
行く先々で徴発することで短期的には師団を保てるが、その場合人心の荒廃は避けられない。恐怖で統治する以外の方法がなくなる、最後の手段である。
結果、軍というものは、ひとつの国家として、従うものに安全な食い扶持を保証しなければならなくなる。全てを持ち運ばざるを得ない、異常に遅く不経済な存在にならざるを得ない。
逆に、だからこそ戦争は短期的、長期的両方の意味で、類まれな経済効果を生み出すのだ。
「……ヤミ、輜重をつぶしますか?」
メイの問いに、冷たい半眼のままヤミは眼下を眺めていた。後ろには自らの武器を持った七妖の面々。
ヤミはゆっくりとメイのほうを向いた。
「……彼らに恨みはない。くにへ帰れば家族もいるのだろう。だが」
ヤミがざっと右腕を振りぬいた。
「この楽土建設を妨げるものを容赦はできない……正面から押しつぶせ。輜重を相手取るなど生ぬるい。圧倒的な力を以て、押し返せ。この地に再び足を踏み入れるなど、想像もできぬほどに。ここが、我ら七人衆の立つ場所だ。十分に背負い、そして十分にすりつぶせ」
「承知!」
残り六人が鋭い眼で応えた。
騎馬隊が一番槍を狙って殺到する。
その目的とする人物が、正面に立ってうっすらと笑う美女というのが異様に思えるが、騎馬隊の表情はまぎれもない恐怖に彩られている。
ちりんと鈴が鳴った。
それは残響を伴って、立体的な音の膜になる。
騎馬隊は見えない膜に突きこんでいき、耳から赤みを帯びた得体のしれない液体を噴き出させながら、次々に落馬していく。
蒼い和装の美女が鈴をかざし持ったまま、その微笑は揺るがない。
荒武者とその補佐、いくつもの重装歩兵の集団が、その重い武装をものともせず駆けていく。先頭列は長巻、その背後の列は身厚の太刀をかかげている。
騎馬が切り込んだほころびを身体で押し広げていく、戦場では最も重要な兵たちである。
その密集した陣形を薙刀ひとつで突き通していく、朱い和装の美女。
兵たちが構えた瞬間にはすでに過ぎ去っていて、その証拠に腕や足や首が素っ気なく落ちる。当人たちは切られたこともわかっておらず、残った腕が遅れて武器を振り回している。
遠距離攻撃の肝である弓隊が、長弓を引き絞って天に向かって矢を放つ。
和弓の破壊力は、古今存在する弓の中で圧倒的に高い。さらには、指揮する将が戦術眼を持っているのだろう、その攻撃力を以て、区域を絞りながらそこにいる存在を滅殺するほどの矢を降らせている。次々に区域を移動してその範囲を確実に広げ、もはや制空権という言葉がふさわしいほどである。弓隊は指示も受けず合図のみ、統率の取れた動きで殲滅を遂行している。
だが、身体に張りついたような緑色の服を着た美女が円輪を投げ放つと、それがまるで生き物のように中空を舞い、絶命をもたらすはずの矢群が空中で一掃される。
円輪は回転しながら低空に降り、矢を刈り取った簡易さで弓隊を刈り取る。
陣形を組んだ歩兵たちが音を立てて動く。
戦いの中心である「相殺戦闘」を担うのが彼らの役割だ。
人間性をそぎ落とし、消耗品以外の何物でもない存在となり、むしろ不思議なことにそれに徹してこそ生き残れる、戦いの皮肉な本質を体現する兵たち。
だが、彼らの進む道筋に、隕石のような衝撃が次々に上空から落ちる。空中で茶色の服を着てにこやかに笑った美女が、手首を返した数だけ隕石が落ちる。
一瞬垣間見えるそれは、隕石ではなく色鮮やかな鞠のようなものだったが、相応しくない衝撃が地面を揺らす。そして、平野にぽっかり空いた穴に、兵たちがまるで吸い込まれるように落ちていく。
ざあっという音と共に、微細な鉄粉と砂が降り注ぐ。
悲惨な戦場においてなお、統率の取れた集団が敵の陣地に挑んでいる、まさにその集団に向かって、雨のように金属が降り注ぐ。
和弓でさえ届かせるなど考えもつかない高空から、十分な加速度をもって比重の高い金属が降り注ぐ。悪夢のような驟雨をその身に受けた兵たちは、物理的な意味で身を削られてちぎれ飛んでいく。
血の霧が収まると、箱を持った美女がひとり無表情にたたずむ。
戦場で語られる伝説は常にある。
下総の国で語られるのは、不思議な、ありえない敵。
銀色の髪、巫女のような白い服、その動きは眼で追うことのできない速さ。
出会ってしまったら、伏せて震えていてかまわない。誰も責めない。
けれど、伏せることさえできる者はいない。彼女の棒術から逃れられる者はいない。
「それ」が通り過ぎた後には、何かが存在した痕跡すら残らない。
ただ、美しく放射状に巻き散らされた赤い血のみ。
死の先触れ、それは美しい女性の姿をしている、と。
戦意を失った兵たちの上に、退却の鐘と似ても似つかない笛の音が響く。
美しい音色が四方に鳴り響き、兵たちは一瞬現実の苛烈さを忘れる。
だがそれは甘やかな罠だ。
無防備に受け取ってしまった者から順に倒れ伏し、そして二度と起き上がることはできない。
その音は、人の器官を狂わせる。
最も効果的かつ簡単な攻撃として、その笛の音色は、三半規管にわずかの狂いを生じさせるのだ。それだけで人は立ち上がれなくなってしまい、聞き続ければめまいと吐き気で狂う。
かくして、戦場は死屍で満たされる。
人の部品がまき散らされた戦場で、全てがあかあかと燃え上がっている。
七妖はすでに崖の上に戻り、無言で眼下を見下ろしていた。
全員せいぜいがかすり傷、言うも愚かしい圧倒的勝利だったが、七妖の表情には喜びはなかった。黙ったまま無表情である。
彼女らの後ろに輿が進み、ひとりの女性が降り立った。
七妖は統一の取れた動きで振り返り、膝をついて頭を垂れた。
「大儀であった」
少し高めで穏やかな声だったが、何よりも芯を感じさせる声だった。心の底にすとん、と落ちるような声。
武者姿と言えるほどには装備は着けていなかったが、袴をくくって動けるようにしていた。青みがかった銀色の額金が、高貴な身を表している。
彼女にもまた勝ち戦を喜ぶ色はなく、そのたたずまいには、ただ染み入るような慈愛だけが感じられた。
☆
やたらにうんうんと頷くヤミ、メイ、アユイである。
「あー、そんなこともあったねー」
男の子がいないツイスターゲームに飽きたマナが首を突っ込んだ。
「若かったですね」
眼をつぶったままメイ。
その隣では若干固まっているヨリシローズ、ハク、アム、ノア、燕とポチ。
「……あーっ!燃える! そういうの好きだ私っ!」
立ち上がる燕をとりあえずほっとくヨリシローズである。
燕は空を見上げて両手でガッツポーズをしている。
「ってゆーか、なんか、マジで戦とかやってたのね」
ハクが珍しく驚いたように言う。
「だから言ったじゃん。俺言ったじゃん」
「ちょっと引くわね、流石に……」
「どどど、どうしよう。私子供扱いしちゃったんだけど……」
この集団に染まっていないノアがうろたえている。
「まあ気にするなよ。千年も前の話なんだから」
ヤミがノアに向かって陽気に笑った。
アユイがアヒル口になってヤミを小突いた。
「相変わらずだな、ヤミは。千年前だからって納得するか普通?」
「しれっと幼稚園児やってるお前に言われたくないよ」
「みんな、そうなれればいいのになあ」
アユイが小さく呟いた。
そして、十二神将の前に進み出て仁王立ち。
「聞け。仇敵ヤミは、我が軍門に下った」
「なんだとこら」
「これよりは友として迎え、おおいにおちょくるがよい!」
アユイの託宣に、おお、と目を輝かす十二神将の面々である。
「つうか、メキラだかガメラだか知んないけど、漢字でかけないでしょこいつら」
ハクが十二神将を指さすと、猛然と伐娑羅が反論した。
「失敬なっ! 十二神将一同、その名を書けぬ者などありえぬわっ!」
「あ、すごいね……」
思わぬ反撃に黙ったハクを面白そうに眺め、アユイが宣言する。
「さあ、かかれ! まずは手始めに、その犬を我らが乗騎としてくれようぞ!」
指さしたポチに、十二神将が襲いかかる。
「うわなにをするやめrくぁwせdrftgyふじこlp」
幼女にのしかかられるポチを見て、ふっと笑うアユイ。
穏やかな笑顔のままヤミを振り向く。
「でも、あいつらは納得してないんだろ?」
「そうだな」
「あいつら一本気だからな。それがいいところだけどさ」
ヤミが一瞬同じ顔で笑い、そして困ったような真顔になる。
「だから、みんな仲間だけど……私はどっちにもつかないよ」
「……別に割るつもりはないんだがな」
「そりゃそうだろう……けど、形はどうあれ、納得しないわけにはいかないよ、姫様のことは」
アユイの言葉に、ヤミは少し肩をすくめた。
☆
湖緒音町音楽祭からぐっと離れた、山中の神社である。
初詣以外ではあまり人も訪れないところで、人の姿はない。
境内の鳥居の前の階段にカノンが座っている。境内にはトウマが立ち、拝殿の壁にキリが寄りかかっている。
顔を上げるカノン。
「来た……」
キリもトウマも階段の下を見た。
じゃらん、という錫杖の音と共に、神社の階段を上がってくる人影がある。修験者のような姿で、編み笠で顔は見えない。
その人物はゆっくりと階段を上がって、三段ほど手前で立ち止まった。
「お初にお目にかかる。黄莉殿、灯摩殿、霞音殿……」
声は意外に幼い女性のものだった。
トウマが鋭く眼を細めたまま応える。
「こちらだけが名を知られている、というのは些か不愉快だな」
「失礼……」
修験者風のその人物は、軽く無礼を詫びるように会釈し、編み笠を取った。
「円海と申します」
編み笠を取って軽く頭を振る。ショートカットの素直な髪質がさらりと揺れた。
ふちのない眼鏡をかけた「学級委員長」とでもいうか、高校生くらいの怜悧な印象の美少女であった。
「幼女、SM、温泉! これこそ売りだから。もう言うわ。いっそ言うわ。いいか? エロ同人書いてくれ。希望はハク×ロリヤミ×大人ヤミとのくんずほぐれつ4P姉妹どんぶり! 頼むよ! おや、誰かきたようだ。次回『秘された歴史! 語られる真実! それぞれの想いを胸に、対峙する大妖たち!』やめうおごうぉふぁっ、あっ、……エンッ!」
それでは第8話をお楽しみに!
ここから、ちょっと壊れ始めますw!




