表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/4

一日目<日記>

日記とありますが、実際は妻へと言葉です。

読まなくても問題ありません。

<一日目>

 これを日記と言って良いのかは分からないけれども、一先ず毎日書くことにした。

 渚さん、貴方が亡くなってからもう半年以上経ちましたが、今でも貴女の部屋を掃除していますので、縁日にはどうか遊びに来てください。

 現実逃避のように本日ゲームを始めました。<幻想異界>というタイトルで、何とVRです。子供の頃は空想の産物だと思っていた代物が、ゲームと言う身近な形で触れる機会に巡りあった事に今でも多少驚いています。そうそう、その為にパソコンも購入したんですよ。ゲームを目的にした物らしく、小難しい事を店員の方が説明してくれましたが、正直違いが分かりません。ただスペックが良いらしいので期待しています。


 さて、肝心のゲームの話なのですが、先ずはアバターから書こうと思います。

 容姿はあまり私と変わりません。毛先の色と、瞳の色が違う程度です。

 名前はゴロワーズにしました。渚さんが好きな銘柄でしたし、私も進められてからよく吸っていましたのでせっかくだからと名前に使用しています。

 スキル制と言うシステムらしく、最初に自分でスキルと言う物を選択できました。職業制と言うものばかりやっていた私には少し新鮮な気がします。ちなみに私は戦闘する気がないので多分誰も選ばないような物を選んでいます。まあ、流石に武器スキルの欄に平然と<鞄>とあった時は目が点になりましたが。

 ログインした広場には人が溢れていました。まあ、本日が始まりらしいのでしょうがないと思いますが、もともと騒がしいのはあまり好きではないので近くの店に逃げ込みました。そこは本屋さんだったのですが、色々とそこのおじいさんにお世話になりまして。今度菓子折りをもって伺おうと思います。菓子程度なら作れますしね。偉大ですよね、インターネットのレシピサイトって。

 それからは地図を書いたり、羊を描いたりしてました。可愛いんですよ羊、モコモコで、小さくて。

 まあ、本当はお金稼ぎ目的で薬草を探しに言ってたんですけどね。全然見つかりませんでした、まあ、現実でもそう簡単に見つかるものではないので納得といえば納得でしたけどね。その代わり<ミドクダケ>と言うきのこが手に入りました。食用らしいので売れると思ったんですが、それよりも宿屋で一品作ってもらうのもいいかもしれません。

 そういえば煙草も売ってるんですよこのゲーム。お金がなかったのでゴロワーズは変えませんでしたがしんせいなんて懐かしい物まで置いてありまして。とりあえず購入して今先吸ってました。

 まあ、それはさておき。

 渚さん、この世界はとても綺麗でした。田舎でも都会化が進んでいる今日このごろですが、皮肉な事に最先端技術のおかげで久しぶりに一番星が見れました。とても綺麗で、夜が澄んでいます。

 こうして日記にして書けば、昔のように貴女がこっそりと見ているんじゃないだろうかと期待しています。なのでこれからも書こうと思いますが、多分、途中で書くのを止めると思います。その時は私が吹っ切れたんだと笑ってくれると嬉しいです。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ