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05

ケララの街に着いたのは夕暮れ時。

お腹が空いた。


朝ご飯はスープと干し肉。

昼ご飯は缶入り乾パン。

ねぇ、これって異世界物だよね。

まぁ良いか。身体中の水分が無くなる気がするけど。

午後の休憩時にとっておきプリンを出したら二人とも噛みしめる様に食べていた。

プリンは噛む物じゃ無いよ。噛むのは牛乳だから。



ケララは結構大きな街だった。

宿屋もたくさん有るみたいで楽しみ。

国王様の秘蔵魔導師や聖騎士伯が泊まる宿ならきっとセレブ感満載だ・・・・

え゛っ、此処ですか。


二階建ての年季の入った家屋。

屋根が少し傾いていませんか。

ああ、気のせいですね。

良いんです。どうせ一晩寝るだけだし。

ご飯さえ戴けるなら。

出来ればお風呂もあれば幸いですが。


食堂は混んでいたけどそれはご飯がおいしい証です。

うむうむ。

豆のシチューも鶏肉っぽいソテーもイケてます。

うまうま食べていたら人外ゼルの視線が痛い。

体格の割に喰いが悪いですぜ、旦那。

喰える時に喰って置くのが軍人でしょうが。

さてご馳走様だ。

お風呂は無し。

良いとも、覚悟はしてましたさ。


それでも聞いて良いですか。

何故に三人同じ部屋?

ベッドは二つで、しかも魔力に関わるからガイだけが一人ベッド。

本当は個室が良いだと?

こっそり頭の中で呟く。

ふざけんなよ、小僧。

あくまでこっそり。

あれ。まさか聞こえましたか?

薄笑いが非常に怖いですが。


しかし、人外と一つベッドのこっちはどうしてくれる。

確かに役立たずの私は仕方が無いが・・・・・・・・あ。

そうか私が床に寝ればいいんだ。

「クロウ。」

するっと出てきた大型猫にとっておきの満面の笑みを見せてあげる。

「枕ヨロシク。」

なかなか見れるものじゃないね。

猫族のしまった顔。

何だろう。

この爽快感。

何時になくご機嫌でお休みなさいだ。




「思っていたより楽にいったな。」

寝入って居た筈のガイが身を起こした。

「結構神経が太い様だし、そう心配はしなくても大丈夫だろう。」

反したのはクロウ。

「神経は確かに太い。だいたいがそんな奴を探していただろう、お前たちは。

だが、まだ18歳の小娘に変わりは無い。気を遣え。」

ふん、とガイが嗤った。

「珍しいな。お前が庇うなど。明日は槍が降るかもしれないぞ。」

クロウの視線がベッドの上、壁に背を預けたゼルに向かった。

「契約したのは確かに我だ。だからこそ約定は違えられない。」

ゼルは頷いただけだった。




朝だ、お腹が空いた。

何と云っても眼が覚めたのはとてつもなく良い匂いのお蔭だし。

焼きたてのパンとこれはポタージュスープ。

ごくっと喉が鳴って・・・お腹も鳴った。

堪え切れない笑い声が零れる。

「腹が減るのは元気な証拠だ。」

人外店長が髪を掻き上げながら笑っている。

おお。

何だか妙に色っぽいです。

顔立ちは変わって居ないけど、色が変わるとずいぶん違いまっせ。

気のせいかお歳もお若くなられたようで。

「歳が変わるか、あほう。俺は31歳のまだ青年だ。」

じぇじぇじぇっっ・・・

これほど滑らかに人語を操られるとは。

平成日本の黒眼黒髪では狼系獣人と思っていたのに。

もちろん個人的にですが。

そして31歳が青年かどうかは別として。


ポタージュスープと焼き立てパン。

グリーンサラダに・・・焼肉?

そう朝は力つけなきゃね。

サラダにドレッシングは欲しいとこだけど。

昨日も思ったけど、木のボウルと木のスプーン。

少し大きな肉は手掴みで食べる仕様。

そうか、魔法と剣の世界では文明は未だ発展途上と云う事ですか。

気に入らない訳じゃないですよ。

これはこれで趣があるし。

でも。

これは確かに異世界知識をお披露目したくなりますな。

王国の王様の為と云うより、パンのお代わりをわざわざ持ってきてくれた女将さんたちへ。

満腹です。

コーヒーに似た飲み物を飲んで朝食は終わった。


さて。

今日は確かお馬さんに乗る予定。

園児の頃にポニーに乗った記憶はおぼろげに有ると云ったら。


誰か返事してください。

せめて眼を合わせて下さい。

経験を聞かれたから答えただけなのに。


ガイが無言で指輪を寄越した。

フォォォッ!

これはお馬さんと仲良くなれる魔法の指輪と見た。

金の台座にオニキスみたいな黒い石が美しいです。

初めて見ました。

真面なアクセ。

貰った全てが呪い満載の外見だったし。

あ。

いやいやいや、ごめんなさい。

だからほっぺた掴まないで。

伸びちゃうから。




あらあらお馬さんは普通のお馬さんでしたか。

牧場の隣の厩舎と云うカプセルホテルで並べられた首と頭は確かに馬だ。

狼変種と猫変種を知る身には驚きです。

喋りますか?

そう、喋りませんか。

何だ詰まらない。


決めて貰ったお馬さんに指輪をぐりぐり押し付けると厭そうな顔。

ほんとは喋れるんでしょ?

良いですよ喋っても。

もう慣れたし。

お友達は多い方が良いですしね。

いやん。

ごめんなさいすいませんもう言いません。

はい、師匠と聖騎士伯と魔法猫はお友達とは言いません。


こっそり中指立ててやる。





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