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青石の精霊術士  作者: 下町
本編
21/46

しばし休んで後

 さわさわと穏やかに風が流れてゆく。食事の後も、少しの間座っていた。それから、また先へと進む。


「トルク君は精霊術士だが、普段どんな事をしてるんだい?」

 歩きながらバイスが尋ねた。えーと、とトルクは視線を泳がせる。ザクザクと足元で土が擦れている。

「精霊宮の仕事を交代でやってますね。呼び出される前は畑仕事の当番になったところでした。」

水遊びをしてしまった事も思い出しながら、歩いている先へと目線を戻した。

「へえ? 畑仕事なんてのもあるのか。」

バイスは感心している。腕を組んで、それを解いて、顎を指の腹で撫でた。

「そういえば時々城に手紙を運んでいるのも見たな。精霊宮の連中は、布の肩当てをしているだろう?」

「ええ、目印みたいなもんです。」 

トルクは頷いた。精霊宮の精霊術士は普段、肩に布を羽織っている。マントのように長くはない、肩と背中を覆う大きさの布である。荷物を背負う邪魔になりそうだったので今は付けていないものの、トルクも普段はつけている。特に外出時。

 バイスは頬骨の辺りを指先で掻いた。

「そうか、普通の事もしているんだな。てっきり、妖精や精霊と話をしたり精霊術の練習ばかりをしているのかと思っていた。」

ぶっとトルクは吹き出す。

「普通ですよ。まぁ、そういった練習もしますけど。そればっかりって事はないです。」

苦笑した。しかし、それが一般的に抱かれている精霊術士の印象なのだろう。その事に改めてトルクは気付いた。今度はバイスに尋ね返してみる。

「バイスさんは? 普段どんな事をしているんですか?」

トルクは他の職の内容についてあまり知らない。今回の事がなければ、騎士と話す機会もなかった。

「ん?」

バイスはちらりと空を見上げる。

「基本的には見回りと訓練かな。城と街の中を巡回していたり、城の下にある広場で訓練をしていたり。ほら、精霊宮とは大通りを挟んで反対側にあるだろう、広場が。あそこで集団での訓練をしたりするんだ。」

反対側、というのを示すために空中に指先で線を引いた。ああ、とトルクは頷く。そういえば大通りの向こう奥に広場があった。精霊宮と近いが滅多に行かない場所なので、思い出すのに少しの間を必要とした。

「後はたまに会議をしたり演習で街の外に行ったり、かな。それと武具や防具の手入れ、か。」

自ら納得をしたように、うん、とバイスも頷く。

 ザクザクと歩いていた。

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