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青石の精霊術士  作者: 下町
本編
2/46

精霊宮の廊下

 精霊術士の一日は、精霊宮の内外を掃除する事で始まる。

 城から繋がる外壁の中の一部にある精霊宮は、正面玄関が街路に面している。道の両脇には背の高い木が並び、季節によって花や葉が路面を覆う事になる。その他にも、たまに落とし物が見付かる事もある。肩掛けでも飛ばされたのか布であったり、小さな装飾品であったり。

 トルクは現在、そんな正面玄関の担当になっていた。今朝は特に目立つ物は落ちていなかった。大きめで目立つ木の葉を集め、精霊宮の横の方へ運ぶ。そこに集めた木の葉は、後で火を焚いたり畑に撒いたりする事になるのだ。

 掃除が終われば、それぞれの仕事や役目に取りかかる事となる。


 世界に数多存在すると言われる精霊達。その精霊達の力を借りて、術を使うのが精霊術士達である。精霊には下位から上位がおり、下位ならば比較的簡単に力を貸してくれるし呼び出しもし易い。上位になると、滅多に姿は見せないし認められないと力を借りる事はできない。その辺りも、精霊術士としての力量にかかっている。

 精霊宮は城に近い場所に造られている。そこでは多くの精霊を……乱暴に言ってしまえば、大体ひっくるめて祀っている。力量の高い精霊術士が祭壇の傍に就き、日常的に祈りを捧げていた。祭壇のある広間は一般の人々も訪れられる場所となっている。祭壇には近寄る事はできないが、遠目に見る事はできる。


 青い髪に、青い瞳。大雑把に切った髪に、覇気のない顔。そこそこに、人並みの体つき。それがトルクの外見である。

 トルクは精霊宮の廊下を歩いていた。

「さて、今日は何をするんだったかな。伝達の当番は終わったし。」

昨日までは、街へ手紙を持っていったり城からの言伝を受け取る当番だった。立ち止まって、ぽんと手を打つ。

「もしかして、休み?」

へらっと口元で笑い、引き返す。まずは事務係の所へ、確認をしに行く事にした。

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